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アート。歴史。職人技。家族。物語。が織りなすNAMACHEKOの魅力

 


 18AW19SS時点での東京での取り扱いはごく少数であったNAMACHEKOだが。19 AWの時点で東京での取り扱いはかなり増えた。
それのおかげでNAMACHEKOというブランドが私たちまで浸透してきたわけだが。一言で芸術やきれいなテーラリングで片付けられないブランドである。その一流である理由を少しでもお伝えできればと思う。

※このアカウントは明日から周りの人に言いたくなる、ファッション豆知識を日本だけでなく世界の媒体にも視野を広げ皆さんに共有しています。


ブランドストーリー


ブランドがどのようなものか多くの人が理解していると思うが、ここでもう一度だけおさらいしたい。

兄妹で立ち上げられたブランドで、兄のDilanと妹のLezanによって設立。
ブランド名の理由は意味は特になくネットでヒットしないような名前が良かったらしい。
最初ナマチョコと言う名前が提案されたが日本語でお菓子だと知って、響きが良いと言うことで少し変えられナマチェコになった。

デザインを担当するのは兄のディランだが、シーズンごとのテーマやデザインやテーラリングやコーディネートを見てわかるとおり彼の生い立ちがはっきりと表現されている。
つまり彼はもともと伝統あるイラクの文化と自由な表現を重視するスウェーデンの文化を持っていて、全シーズンのテーマ閉鎖と解放など、一見極端な二面性を持つように思えるが、現代にうまくMIXさせているように思える。妹のレザンは経営面やセールス面を担当している。

 ブランドのテーラリングは古典的なイタリアとイギリスの仕立てが基盤となっている。さらにディランはマルタンマルジェラに魅了されてきました。しかしファッションの研究自体は経験がなかった。しかし美術史と土木工学の学問的経歴があり、レザンも論理を勉強していて美術に関心があることからお互いに美的センスに長けているといえる。

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 **映画を作ることから始まったナマチェコの服作り


 彼らが学生の間に作った写真プロジェクトとして2017年AW本を出版することに決める。そこで本に使われる服を作ることになり。小さな映画を作りそのコレクションをまずは作ろうということになる。

最初のコレクションはクルド語で未来の世代を意味する「serdem nivar」というタイトルでした。開くの女性のブライダルフェアに関係するシンボルやファブリックを使用し、キルクークで男性の家族の写真を撮影した。

 さらに2017年秋冬のメンズファッションウィーク小さなギャラリーでcollectionと映画を発表しました。するとパリの1つのブティックが目をつけます。それが有名なブロークンアームです。

日本のセールスマンとラフシモンズのパタンナーによりさらに良い服作りを可能とした。


 そこから知名度が上がっていき多くのバイヤーに目をつけられることになるが、彼らのものづくりは妥協がなく一つ一つのジップやボタンなどファブリックにかなりコストがかかっていた。そのためセレクトショップにおろすとなるとかなりハイプライスのため買い付けが難しかった。

 しかしそこでナマチェコのセールスを行うseiya nakamuraさんが仲介役となりナマチェコの職人の部分を削らずに世の中に広げるための架け橋となった。つまり上質な製品のままプライスを下げることに成功した。

 さらにはDRIES VAN NOTEN や CHANEL などのメゾンの生産を行うアントワープのGYSEMANS CLOTHING INDUSTRY 工場のサポートもあり、RAF SIMONSのパタンナーの加入もあり圧倒的にフィッティングが向上。
ファブリックはヨーロッパのKVADRAT社から。ラグジュアリーなインテリアに用いられ、布地は10年保証がされているほど強力な素材。
エルメスも採用しておりファブリックも使用してるため、ファブリックは最強である。

家族への愛があふれる服作り


 父は金細工師であり父が作成したジュエリーをコレクションでよく使用している。ボタンに使われる石なども父が手がけたものである。

 さらにナマチェコのテーラリングに興味を持ったきっかけとして、父がよくスーツを着て店に立っていた姿からインスピレーションを受けている。
 

 母は数学教師をしている。イラクにおいて数学とアートは密接な関係にあり、幼少期母から幾何学を学んでいたこともあり有名なデザインのひし形模様にもつながっている。


 


 19 AWのコレクションで見せたパット入りのジャケットに見える幾何学模様とアウターウェアに刺繍されたものはジョアンミロとアレクサンダーカルダーから着想を得たものであり、ムンクの叫びやゴッホの星空の夜なも有名な作品もアートだけの面でなく、しっかりナマチェコのフィルターを通して服として落とし込んでいる。彼らの服作りには妥協がない。多くの一流(工場やファブリックなど)を通ってきた本物のブランド、ナマチェコを改めて知ることで私たちが着る際にはデザイナーに敬意を払い、自分でしっかりと解釈して欲しい。一流という概念がどういうものかそしてどのように合わせるか、あなた流に見せてみるのもまた面白い。

ごめんあそばせ

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