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吉田美奈子 ~サイン入りレコードA to Z (Donuts版) 第39回 MINAKO YOSHIDA

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2017年12月5日から2020年3月31日まで『ドーナツマガジン』に掲載された『サイン入りレコードA to Z』という連載コラムを加筆修正したものです。

レコード&昭和プロレス愛好家のゴベと申します。
近年、和モノのレコードが再評価されていることは皆さんご存じのことでしょう。その人気は加熱する一方で、廃盤セールやレア盤の復刻も盛んです。
今回取り上げるこの方の作品も大人気ですね。

第39回 MINAKO YOSHIDA

(2018年10月2日公開記事を再編)

学生のころは全くピンとこなかった山下達郎の音楽に興味をもったのは、友人の家で聴いた『TREASURES』。1995年に出たベスト盤です。

クオリティの高い楽曲の数々に魅了され、翌日から山下達郎のレコードを買い集めました。昨今の和モノブームにより高騰してしまった『CIRCUS TOWN』や『SPACY』も小銭で買えた時代です。
一部の希少盤を除いたほとんどのLPを、数日で揃えることができました。

彼のレコードを聴き込むにつれ、ターンテーブルに乗せる回数が多いRCA~AIR時代のアルバムで印象的なコーラスを歌っている方と、多くの歌詩を手掛けている方が同一人物だということに気づきました。吉田美奈子との出会いです。

最初に買ったのはレコードではなく、その時点での最新作『EXTREME BEAUTY』のCDでした。JR東日本のCMソングとして、当時よく耳にしていた「Beauty」を収録したアルバムです。

その後、彼女のレコードを少しずつ集め、ライブも観に行きました。

吉田美奈子
『EXTREME BEAUTY』 CD


1999年3月25日
この日はピットインで、富樫雅彦 (perc)、山下洋輔(p)、井野信義(b)の演奏を聴いておりました。

第一部終了後の休憩時間。
客席が明るくなったので、バーカウンターでドリンクを買おうと立ち上がった際に、驚愕の事実が発覚! なんと私の席の二つ隣に、あの吉田美奈子さんが座っていたのです。
(おそらく客電が落ちてから入場されたのでしょう。開演前から隣の隣に座っていたら、いくらなんでも気がつきます)

当時、ピットインまで歩いて行ける距離に住んでいたので、すぐさま帰宅。吉田さんの曲で最も好きな「恋は流星」を収録した名盤『TWILIGHT ZONE』を引っ張り出し、再びピットインへ。

終演後、ことの経緯を説明してレコードを差し出すと、こころよくサインを入れてくれました。

吉田美奈子
『TWILIGHT ZONE』 LP

吉田美奈子
1999年3月25日 @新宿Pit Inn


私が富樫さんと山下さんの共演したレコードも持参していることを知った吉田さんは「私も富樫さんに挨拶したいなぁ」と一言。
そんな流れで、吉田さんと一緒に富樫さんのサインを求める列に並ぶことになったのです。めちゃくちゃ緊張しましたよ!

ということで、ついでにそちらも掲載しておきます。

富樫 - 山下デュオ
『兆』 LP

富樫雅彦、山下洋輔
1999年3月25日 @新宿Pit Inn


近年、多くの吉田美奈子作品が復刻されている中、特に大きな話題を呼んだのが、2016年にリリースされた『TOWN / 恋は流星』の12インチ。
大人気の「恋は流星 Part II」が復刻されたのですから。

吉田美奈子
『TOWN / 恋は流星』 12"

side-A
1. TOWN

side-B
1. 恋は流星 Part I
2. 恋は流星 Part I

『TWILIGHT ZONE』収録のアルバム版とは異なる2つのテイクを収録した『恋は流星 Part I / 恋は流星 Part II』のオリジナル盤7インチは現在入手困難で、私も長年探していました。

1995年にVivid Soundから出た再発7インチを所有していたものの、レコードの溝の深さにまでこだわって制作していた吉田さんの名曲です。なんとかオリジナル盤を手に入れたいと思っていました。

願いが叶ったのは2007年。


皆さんは、年末年始やゴールデンウィークといった大型連休はどのようにお過ごしですか?
きっとご家族や恋人、ご友人と一緒に楽しい時間を過ごしていらっしゃることでしょう。

私の場合は大抵、首都圏に多くの店舗を構える某レコード店の廃盤セールで連日、百戦錬磨のディガー達と争奪戦をくり広げています。
朝から並んで目当ての獲物をゲットしてから、他ジャンルのフロアをのぞいたり、電車で移動してみたり。物欲まみれの戦士達に休息はないのです。

しかし、この年のゴールデンウィークは違いました。国内アーティストの放出リストに『恋は流星』の見本盤が載っていたからです。
チラシを見た瞬間、この1枚に集中。他のセールには並んでいません。

セール当日。予想に反し、店内は意外と空いていました。各店舗で様々なセールを開催していたので分散したのでしょう。和モノを掘っている人間も現在に比べると少数でしたし。

おかげで、入店直後に面出しされていた『恋は流星』をあっさり手に取ることができました。
値札を確認すると、なかなかのお値段が付いていましたが、10年以上探し続けていたレコードなので迷わず購入。それでも現在の相場を考えると、かなりお買い得でした。

(その7年後に、サインもゲット!)

吉田美奈子
『恋は流星 Part I / 恋は流星 Part II』 7"

吉田美奈子
2014年6月27日 @高円寺Jirokichi


*     *     *

【追記】2022年3月25

『ドーナツマガジン』にこの記事が公開されたのが、2018年10月2日。
当時も吉田美奈子のレコードは高値で取引されていましたが、ここ数年のシティポップ・ブームの影響により、さらに高騰。困ったのもですね。
優れた音楽が評価されることは、非常に喜ばしいことなのですが・・・。

20年くらい前に1000円以下で買ったこの7インチも、すっかり高額盤になってしまいました。

吉田美奈子
『BLACK EYE LADY / TOWN』 7"


数年前に復刻されたアナログ盤もレア化必至でしょう。
買えるうちにぜひ!


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