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渡辺薫がGSCに参画した理由その2=「TOCには、もっともっと可能性がある」

こんにちは、ゴール・システム・コンサルティング&リ・デザイン研究所です。2021年7月より私たちの会社にジョインする、渡辺薫さんの連載第4回です。これまでの連載は、以下のリンク先のマガジンからご覧いただけます。

渡辺薫がゴール・システム・コンサルティング(GSC)に参画した理由
その2は、「TOCには、もっともっと可能性がある」です。

故エリヤフ・ゴールドラット博士が開発し、有名なビジネス書「ザ・ゴール」で幅広く知られることとなったTOC(Theory of Constraints=制約理論)は経営改革、業務改革のための強力な理論であり、かつ実践的な手法です。

TOCの日本での最初の大きな成功例は、当時は日立グループの一員であった日立ツール株式会社(現:株式会社MOLDINO)のケースであり、このプロジェクトをリードしたのがGSCです。このプロジェクトの成果はゴールドラット博士が自身の論文で紹介し、世界中で幅広く知られることとなりました。
日本では日立製作所の様々な事業所・関連会社をはじめ、多くの製造業で劇的な成果を上げています。グローバルでもTATA、ABB、ボーイング、GE、マイクロソフト、P&G等の巨大企業が採用し大きな成果を上げています。

成功事例を見る限り、TOCが「強力かつ有用な理論であり、かつ実践的な手法である」ことを疑う余地はありません。一方、プロジェクトマネジメントの理論、KANBAN方式、シックスシグマ、リーン、SCRUM等と比較するとまだまだ十分に知られているとは言えないことも事実です。また情報が公開されたり共有されたりする機会は少ないものの、TOCにも多くの失敗事例があります。またTOCに対して強い抵抗や反感をもっている人々が少なくないことも事実です。

私はTOCの可能性を信じています。だからこそ現在の普及の状況に満足することはできません。私自身、こうした状況「なぜ、TOCは私たちの期待しているようには普及しないのか。阻害要因は何か」について、国内外の多くのコンサルタントやプラクティショナー(企業内の実践者)と議論をしてきました。その結果、状況は世界中で同じであること、そしてその原因を作ってきたのが「私たち(TOCコンサルタント)自身である」との認識にいたりました。

故エリヤフ・ゴールドラット博士から直接指導を受けた、イスラエル在住の著名なTOCコンサルタントであるYaniv Dinurは次のように表現しています。

 “We can build a tailored solution based on the TOC applications. So many times, I see project fails because TOC consultant forced reality to fit what they understand as TOC applications. This brings to failures and to the wrong perception on TOC.”

私たちは本来、TOCのアプリケーションに基づく解決策を、顧客の環境や状況に適合させて構築することができる。しかしながら、「TOCのコンサルタントが『自分なりに理解しているTOCのアプリケーション』に現実を合わせようとした」ことで失敗したプロジェクトを、私は何回もみてきた。こうした多くの事例が、プロジェクトの失敗と、TOCへの誤った認識をもたらしている。(訳責:渡辺薫)

TOCの可能性を解き放つために必要なこと、それはTOCのコンサルタントがYanivの指摘するような状況に陥らないように努力することだと思います。私は日本で、そういう姿勢でTOCに関するコンサルティングを提供してきた会社をいくつか知っています。GSCはその一つであり、また「TOCだけで改革ができるわけではない」「お客様のリアリティに基づいて必要な他の手法も上手に組み合わせる必要がある」という柔軟な姿勢を持っている会社です。これが、私がGSCに参画することを決めた第二の理由です。

渡辺 薫 (わたなべ かおる)
ゴール・システム・コンサルティング株式会社 
チーフ・カスタマーサクセス・オフィサー(CCSO)※2021年7月より就任予定

プロフィール
ハイテク企業でR&D、経営企画、マーケティング等を経験したのち、90年代のデジタルマーケティングの黎明期にはエバンジェリスト&コンサルタントとして活動。その後、外資系ITサービス企業等でITサービスのマーケティング、コンサルティング等に従事し、2010年日立製作所に入社。超上流工程のコンサルティング手法の開発と指導にあたるとともに、日立グループ内でのTOC活用に尽力。2018年からは日立製作所社会イノベーション事業推進本部エグゼクティブSIBストラテジストとして、日立グループのデジタルトランスフォーメーションの戦略策定・実行のサポートと人財育成に注力し2021年3月に退任。
TOCICO認定Jonah(思考プロセス)
TOCICIOからThe TOC Company of the Year を受賞(2018年)
TOCICO理事(2018年~)
日本TOC推進協議会顧問(2018年から2021まで理事長を務める)
(TOCICO=Theory of Constraints International Certificate Organization)

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