雑念と憧れの土地
【海外写真放浪記】 Nepal 4 ルンビニ
ルンビニ行きのバスは人気がなかったのかガラガラのままポカラを出発した。
旅の移動中は水、お菓子を必ず買い込んでからバスに乗る様にしている。時間通りにバスが到着する事が少ないからだ。駄菓子屋のようなお店がアジアには沢山あり、敢えてパッケージが面白い物をチョイスして買っていた。
実際どのパッケージのお菓子を買っても同じ味な事が殆どだったけれど。
ルンビニはネパールとインドの国境近くにある小さな村で、釈迦(ゴータマシッタルダ)が誕生したとされる遺跡が出た場所だ。世界中の仏教の寺院が建てられているが決して各国の仏教の代表と言う訳ではないらしい。
ただ、初めは何も無かった村に急に大きく新しい寺院が乱立したためテーマパークの様になってしまっていた。
僕は取り立てて熱心な仏教とではない。むしろ無宗教だ。家に仏壇があり、家のお墓があって、お葬式にお坊さんが来る位である。
日本は本当に宗教的に面白いと思う。お葬式はお坊さんが来て、結婚式は神父さんで、お願いごとは神社でする。それで無宗教の人が殆どではないだろうか?もちろん信仰がある方は別として。
生活に形式だけが残り、信念は存在しない。
僕が正にそう。
それでなぜルンビニに来たかったと言うと、手塚治虫のブッタが大好きだったというただそれだけの理由で、知っている人は分かると思うがカピラバストゥを肌で感じたかったのだ。
仏典を元に手塚治虫が書いたフィクション漫画でもちろん賛否両論あるが僕は楽しく読む事が出来た。無宗教だから。
それに読んでいた事によってインドのカースト階級や王朝の名前、登場人物などの予習が出来たため旅が何倍も面白くなった。
ルンビニの滞在は主に二通りあり、各国のお寺に泊まるか村の安宿に泊まるかの二択になる。ここでおもしろいのがお寺に泊まる場合、各国のお寺によって宿泊プランが違うのである。
詳しくは覚えていないのだけど、韓国のお寺は有料でドミトリー(相部屋)があり朝ご飯にキムチが出ていたそう。人気があり泊まれない場合もあったとか。
僕は日本の寺を訪ねようと決めていたのでバスを降りて真っすぐ向かった。
荘厳な日本寺・世界平和仏舎利塔
着いて直に住職の方にお話を聞く事になるのだが、2011年当時の住職の方、大変申し訳ないのだがお年を召していたため滑舌が悪く話が半分位しか理解が出来なかった。
とりあえず理解出来たのが、この仏舎利塔を建設したのが一級建築士の丹下健三だと言う事。そして三食タダで食べ寝床を提供するかわりに御勤めをする事。この2つ。
一泊2日で滞在時間にしては一日も居なかったのだけれどお経を唱え、田植えをし、掃除をしたりしながら滞在させてもらい、悟りを開いた人の産まれた土地で悟ったのは僕場違いですねって事だった。お経を唱えるより写真が撮りたいと言う雑念しか無いから。
悟った僕は次の日朝一で村の安宿に移った。遺跡自体は自由に見る事ができ円柱や石碑があったけどイマイチ僕には響かなかった。それよりも釈迦の産まれた土地で生活している彼らを見れた事の方が僕は十分満足できたのだ。
ブッタの物語はフィクションで関係ないのだが、その登場人物の末裔と勝手に自分で思い込んで。
村の宿で働いていた子いつもキビキビ働いていた。
村で働いていた少年。
バスを待っている間に仲良くなった少女。
思っていた感じではなかったが満足してバスに乗り込み奇抜なパッケージのビスケットを食べながらカトマンズへとまた戻った。
次回 nepal 5
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