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書けるときに日経日記 2021年7月26日

■全体感
オリンピックとコロナ、それに合わせて内閣支持率などの世論調査。
フィンテックの低所得者への恩恵や米中のデカップリングの記事などが目を引く。
個別の企業で言えば、ニトリの動きが活発。ブランドと販売力を生かして提供サービスの幅を広げている。


■今日の数字
・4→ 25日に日本が獲得した金メダルの数

・17億人→世界で銀行口座を持たない人の数

・34%→内閣支持率。7月23日から25日の世論調査。

・70%→ 4度目の緊急事態宣言で効果があると思わないとの回答の割合。酒規制は厳しすぎた39%、適切は38%。

・1763人→東京都の新規感染者数の数。新規死亡者はゼロ。重傷者は2人減り72人。着目するべき数字をシフトさせたほうがよい。

・37%→ 2030年度の温暖化ガス排出量46%削減目標の内訳で、工場などの産業部門は37%削減を見込む。家庭部門は66%減らす。再生可能エネルギーの大量導入などで。

・2億円→バイデン政権が医療機関を対象に、医療費等のコストを事前開示しない場合の罰金を最大2億円に上げる。米国は診療ごとの報酬が日本のように決まってはいない。

・4倍→ニトリホールディングスが家電製品の取り扱いを4倍に増やす。PBで大手メーカー日に比べて4割前後安いファミリー向けの白物家電を充実。

・72%→中国の太陽光パネルの生産シェア

・51社→アップルの2020年のサプライヤーリストにおける中国勢の数。200社中51社で1位。

・4500件→労働者の不当解雇が確定しても、労働者本人が同意していれば金銭で労働契約が解消される流れになってきている。労働裁判などで年間4500件もの金銭解決が実質的に行われている。


■所感
日本の金メダルラッシュがすごい。兄妹で同じ日に金メダルを取るなんて信じられない。
いろいろな課題はあったものの、オリンピックはやってみるとやはり勇気づけられるし盛り上がる。
オリンピックがなければこのような感動も奇跡的な快挙もなかったわけで、このような気持ちは忘れてはならないと思う。
選手が努力し続ける甲斐のある場所を提供し続けることも非常に重要なことで、その点日本は大変な時期に一応の義務を果たしたとは言えるのではないか。


キャッシュレス新世紀(上)塗り替わる世界金融地図
フィンテック、決済席巻 低所得層に恩恵大きく

フィンテックの必要性について、私のような一般的な人間にはあまり実感がわかない部分がある。

しかし、この記事を読むと世界には銀行口座が持てない人口が17億人もいると言うことがわかる。

そもそも銀行自体がないまたは少ない新興途上国においては、銀行口座を持つ事は難しい。そのハードルを簡単に超えられるようにするフィンテックは社会的な意義がとても高い。

そもそもSDGsは、誰1人取り残さない。をコンセプトにしており自分たちの生活圏内にいない銀行口座を持てないほどの低所得者の方々に貢献できることの価値は見過ごされる傾向にある。
ウイグルの人権の問題や環境問題については、結局は豊かな日本でビジネスを行う上でのサプライチェーン上のリスク認識でしかなかったりする。

私自身、自分自身の実感できる範囲を超えた人たちの状況についてもっと理解を深めなければならないと思った。そのためには、実際に旅をして肌に触れることによって実感を深めたいと思うのだが、今はコロナもそうだし、米中覇権争いの中で、国家安全維持法の適用対象となる地域に行く事はリスクが高い。
なかなか実感を得るためのリスクが深い。


企業の気候変動リスク、開示を義務付けへ
金融庁検討

企業の有価証券報告書に気候変動リスクの開示を義務付ける検討が行われる。

事業運営上のリスクについては、もともと開示の義務があったがそれを気候変動に特定させて、また改めて開示をするということは、社会の変化を如実に表していると言える。

自らの事業が気候変動によって受けるリスクの開始もさることながら、自らの事業が気候変動の要因となる温暖化ガスを排出することによってもたらす可能性のあるリスクについての言及もなされるのだと思う。

電気やガス、鉄鋼、自動車など特定の産業によってCO2排出の過半数以上が行われている。
そのため、それ以外の事業における企業が自らの事業の温暖化ガスの排出について過剰に事細かく調査をし開示をすることの費用対効果がどの程度あるのかはよくわからないが。

金融の観点からも、気候変動に対する前向きなインパクトを与えたいと言う思惑もあるのだろうが、必要以上に縛る必要は無いようにも思う。
我々消費者が、環境への影響を軸にもっと商品サービスを選ぶようになることで、選別は必然的に行われていくはずなのでそのような意識の変革が必要なのだと思う。

ESG投資において、投資判断のために有価証券報告書等における気候変動リスクの開示が重要であると言うことであれば、投資家からの要請として実施する必要があるのだと思うがその必要がある会社は、必要に応じた開示を既に行っているようにも思う。

ただ、このような気候変動リスクの開示は世界標準になるつつあり、外国人投資家の割合が30%程度で、今後もさらに伸びていく可能性があることを考えると世界標準に合わせた開示ルールを実践することは必須であるのだろう。

ニトリ、家電取り扱い4倍 PB中心
イケアも拡充 機能両立、低価格志向に的

ニトリもIKEAも家電の取り扱いを拡充させる。
もともとは家具中心のビジネスを行っていたが、家電の取り扱いを加速させることによって消費者に対しての提供価値、カバー範囲を増やす。

ニトリもIKEAも、認知度が非常に高まりその店舗に行く事によって顧客により広い範囲の価値を提供する意識が高まっている。ニトリでは外食を始めたりもしている。
IKEAはもともと店舗内で食事を提供していた。非常に安くクオリティーの高い食事でうちの家族もよく使っていた。

PBによって、本来メーカーが得られていた利益がなくなってしまい、その分消費者側が価格の安さによってその利益を享受する構造になっている。
メーカーとしては厳しいが、ニトリやIKEAなど販売力のあるところに利益は少なくとも商品を供給し続ける状況になってしまう。

これはGAFAを始めとした巨大IT企業のビジネスにおいても言える。Googleの提供するニュースの記事の提供本はほとんどGoogleからの利益を得ていない。
コストをかけて作った記事が、安価に提供されGoogleの利便性を助ける手段となってしまっている。
また、アマゾンマーケットプレイスでは商品供給者側の利益の1部が手数料としてアマゾンに支払われ、そして消費者側には一定以上の安価な商品が提供されるため、やはり商品供給者、メーカー側の利益が消費者やプラットフォーマーに渡っている。

ニトリもある種プラットフォーマー的な位置づけにあり、家電販売を取り扱うことによって得られる利益の一部を新たに得ている。そしてそれは家電販売を取り扱うに値するブランドやチャネルを獲得したことによって実現できることでもある。

強いところがさらに強くなり、その強さとブランド力のために販売力を持ち、周辺のメーカーから安価に商品を集めて消費者に提供する。辛いのはメーカーばかりと言うような状況があらゆる業界で起きているように思う。
忘れてはならないのは、どんな商品も実際に提供するメーカー機能がなければ成り立たない。
GAFAと比べればニトリは規模が大きくないため、産業全体に与える影響はそれほどではないだろう。

とはいえ、メーカー機能を過剰に搾取してしまうと、優良な商品サービスを提供する大元がなくなってしまう可能性がある。
そのような観点からも、リナカーン氏がトップとなったアメリカの反トラスト機関の取り組みは注目に値する。


米中新冷戦の行方 中国封じ込め、不発の公算大
唱新・福井県立大学教授

米中覇権争いの中で、中国の経済を切り離すでカップリングは難しいだろうと言う記事。
以前の記事にもあったが、アップルなど米国の優良企業の利益の上げ方がファブレス化しており、サプライヤーとの関係を切っても切り離せないと言う状況がある。

ファブレス企業が個別にサプライヤーを選択するときの基準は、地政学的リスクよりもコストが優勢になる傾向があり、米国など企業への圧力が限られる国家においては、サプライヤー選定は個別の企業の基準に任せざるを得ない。

競争と協調と言うコンセプトを掲げながら、米中は適度な距離感と協力関係を保ちながら進んでいけるのだろうか。
先日も日立が、EVの部品工場を日本と米国と中国に新設すると言う記事が載っていた。
中国はサプライヤー拠点としても、市場としても無視できない規模まで成長している。
ここまでの中国の成長を許してきた米国、そしてその成長に依存してきた米国を始めとした世界各国としては、今更中国を切り離すと言う事は難しいのだろうと思う。

今後AIやIOTがあらゆる商品に搭載される。そのような状況になると、今では通信の基地局など一定の部分だけがリスクとしてファーウェイ等の企業の切り離しを行っているが、地政学的リスクが及ぶ商品の数が飛躍的に増加することが見込まれる。

経済のデカップリングが進まなければ、地政学的なデカップリングも進まない。
経済の相互依存関係が今後も継続する以上は、米中はその人にかかわらず民間も含めて密接なつながりを持ち続けざるを得ない状況になるのだろう。


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