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なぜ展示へ足を運ぶべきなのか?

こんばんは。
神戸で学生フォトグラファーをしているGo Mitarai @otearai0312 です。

先日KYOTOGRAPHIEへ行ってきました。
ご存じの方も多いと思いますが、KYOTOGRAPHIEとは京都市内の様々な会場で同時開催している写真祭のことです。

私は普段それほど写真展を見に行くわけではないのですが、今回行ってみて「展示に足を運ぶ重要性」が見えてきました。

最近ではSNS上でも、「インプット先はSNSだけに偏らないほうがいい」とか「写真集や写真展を見るべきだ」とかいう声を聞くことが多くなりましたよね。
確かに、直感的にそれらは正しいのだろうということは分かるのですが、論理的に説明している文章を見たことはありません。
そこで今回はなるべく論理立てて「展示に行ったほうがいい理由」を紐解いていこうと思います。


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写真の表層と深層

まずは前提です。

私は、写真には表層と深層が存在すると考えています。
表層とは主に視覚を通して得られる情報のことで、例えば色や構図、撮影場所などがあげられます。
一方深層とは視覚以外から得られる部分のことです。イメージしやすいよう具体例をあげます。

今回のKYOTOGRAPHIEでは瀧本幹也さんの展示を見に行きました。京都の外れにある妙満寺という所での展示だったのですが、なんとそこに瀧本さんご本人がいらっしゃって、お話させていただくことができました。
展示内容としては雪の写真をお寺の屋内に配置しているというものだったのですが、瀧本さんいわく妙満寺の枯山水の庭園からインスピレーションを受けて、写真を石に見立てて室内に枯山水を再現するという表現を行っていました。
また、お寺は壁が少なくふすまや障子が多いため、写真を壁にかける展示が難しいのですが、それを逆手に取ってふすまに写真をプリントするという大胆な表現にも挑戦されていました。

話をもとに戻しましょう。ここでいう深層とは、瀧本さんとお話して得られたことや、展示している空間を観察することで得られる部分のことです。
つまり深層とは、視覚だけで得られる平面的な情報ではなく、コミュニケーションをとったり五感全体で感じたりすることで得られる情報のことです。


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SNSと展示

いよいよ本題です。

ここまで読んでくださった方で勘のいい方はお分かりかと思いますが、SNSは表層へのインスピレーションに向いていて、展示は深層へのインスピレーションに向いています

SNSは空間軸を超えてたくさんの作品に触れることができるという強みがあります。それによって例えばこの色味を真似しようとか、この場所で自分も撮ろうとか、この構図をやってみようとかいうアイデアが生まれてきます。

しかし、表層を模倣しようとしたところでやはりどうしてもそれを超えるものを生み出すのは難しいです。SNSに同じような写真が溢れてしまう罠はここに存在すると考えています。(自分もまだまだこの罠に苦しんでいます笑)

そこで有効になってくるのが深層部分の成長、つまり展示へ足を運んだり写真集を観たりすることです。
ネット上では二次元の平面的な情報に収まってしまいますが、展示ではそれが三次元に広がり、また作品単体のアウトプットだけでなく、作品同士の繋がりやその場所との関係性などにも表現が広がります。(写真集は物質を伴うが展示ほどの広がりや双方向性がないという点から、ネットと展示の中間に位置すると考えています。)
これは仮に自分が展示をやらずネット上で表現し続けていくとしても、より高い視点と広い視野を持つことで、前述したSNSの罠を打破することができると考えています。10を知って10を出すのは難しいけど、20を知って10を出すことなら可能になるのではということです。


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最後に

今回のKYOTOGRAPHIEは友人であり映像クリエイターでもあるTomoki Kawa @t.k.rad と一緒に回ってきたのですが、彼がポロッと放った一言がすごく本質を突いていたので紹介します。

「時々展示へ足を運んで五感で体感することで、普段SNS社会で生きている自分の中の偏りをリセットできる。」

SNSがもたらしてくれた恩恵は紛れもなく存在していて、現に私もSNSでたくさんの素晴らしいフォトグラファーの方々と交流したり、様々な写真を見たり、逆に見てもらったりしています。

しかしそれと同時に、実際に展示や美術館へ足を運び五感をフル活用して深層を磨くということも大切にしていきたいものです。

今回も最後までご覧いただきありがとうございます!


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@otearai0312

◆Instagram

@go_mitarai

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