息子 むーちゃんのこと①

一人息子のむーちゃんは現在小学2年生の通常級に在席している。そして週一回の通級を利用している。

むーちゃんは産まれてから5歳まで、検診では何も引っかからなかった。歩き出したのは1才と2ヶ月頃と決して早くはなかったが、言葉は早く、1歳半には「ニャーニャー」、「わんわん」、「ブッブー」、「まんま」等の単語が出てたし、2歳になる前には、「これむーちゃんの」「母ちゃん好き」なんて二語文でしっかりお話してた。2歳まで通っていた保育園のベテラン保育士さん達からも、「むーちゃん何も問題ないですよ!」と
太鼓判を押されてたので私もすっかり安心仕切っていた。

世間では数年前から、「発達障害」というワードが広まりを見せ、もちろん私もその言葉は知っていた。と言っても、ただニュースやネットなどで目にしたり、たまたま取り上げていたのを見たり聞いたりする程度で、「発達障害」がどういうものかなんてそれ以上の事を積極的に知ろうとは思ってもいなかったし、「そういう人達がいて、こういう症状があるんだな。」という思いにとどまっていただけだった。むしろ、大人が持っている特性であり、子供には全く関係ないなんて勝手に思い込んでいたのだ! あぁ…無知って怖い…。とにかく私はそんな状態だった。

安心仕切っていた私だったが、むーちゃんを育てるにあたって何も苦労がなかったと言えば、それはそんな事は全く無かった。むーちゃんは手先や、試行錯誤して組み立てていく遊び、例えばパズルなどが極端に苦手だった。パズルは5歳まで興味さえ持たなかった。
気も散りやすかった。なので、何かを教えなきゃいけない時は大体すんなりいかなかった。何度も何度も経験して、定着した。
例えばズボンや服を脱ぐ→履く、靴下を履く→脱ぐ、靴を履く→脱ぐ と、いった一連の動作の習得がなかなか上手くいかないのだ。出来ない、というより意識が途中で逸れたり、最初からそこにむいてない。「むーちゃん、靴はこうやって履くんだよ。お母ちゃんここ持ってるから。」と、靴を押さえてやってもなかなか足を入れてこない。ふと目を上げると違う方に気を取られている。足元なんて全く見ちゃいない。なんとか意識を向けさせてやり方を一緒にやってみてもいざ一人でやろうとしたら出来てない…なんて事がしょっちゅうだった。そして室内で一つの遊びに集中してる時間が短く、座ってじっくり遊びに向き合う姿が圧倒的に少なかった。これは、むーちゃんが産まれた翌年の3月に産まれた姉の子が、むーちゃんがちょこまか動き回っていた月齢時にじっくり座っている甥っ子を見て気づいた。
だけどそう言った事を除けば他に心配な事は見当たらなかった。人見知りも月齢通り来たし、月齢に沿ったコミュニケーションも取れる。都度の検診でチェックされる項目は全てクリアして来た。偏食もなくこだわりもない。癇癪だって激しくなく、オムツも幼稚園入園前に卒業した。おねしょも殆どなかった。初めての子育てだったので私が勝手に余裕がなくなっていたが、一般的には多分「育てやすい子」だったと思う。
年中までは…。

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