フリースタイル
昨日、フリーになることを宣言した私。
朝から会社で、何をしようか考えていた。
なんてったって、フリーだからね。
とりあえず、部署の中でやるべきことはないか確認しようと思った。
すると、新規見積もりを承った商品の、過去の類似品について調べる仕事を与えられた。
それが終わり、部署の中で確認したけれど、手伝ってほしい人もいなかったので、自分の部署を中心とした工場内の見回りをしてみた。
なんともフリーっぽい、なんて感じながら。
邪魔そうな台車を移動してみたり。
乱雑に置かれた紙やペンを、ちょっと整理整頓してみたり。
そんなことをしていると、他の部署の人から私の部署の長に、溶接してと伝えて、と頼まれる。
それを聞いて、私でも出来るか?と思いつつ、部署の長に報告。
そして、なぜか聞き流される。
で、なぜか部署の長は、フォークリフトで移動してほしいと、私に違う仕事をするように言う。
私の苦手とする仕事。
やったことはある。
が、自信は無い。
だから、あえてやらせようとしている。
そうだ、やるしかない!と思った。
部署の長に依頼したのに、私がするということに対して、不安なのか、大丈夫?を連呼している依頼した人。
その人の言葉を放置し、私は集中する。
時間はかかったが、なんとか出来た。
不安そうだった依頼人も、ホッとしてありがとうと言ってくれた。
私本人が、1番ホッとしたかもしれない。
あれ?
そういえば、さっき依頼されたこと、部署の長に伝えたけどやってないみたい。
忙しそうだしな。
それに、あのまま放置しておくのは危険だよね。
そう思い、私、自ら動く。
移動式の溶接機を持ってきて、自分ひとりで、なんとか対応。
ちょっとミスったけれど、今の実力だ。
仕方ないと思っていたところで、部署の長登場。
上出来!という言葉と、フォークリフトでの移動が出来たのかを確認される。
部署の長は、私が人を頼らずに動いたことに、満足しているようだった。
それから、ガソリンの量やら雨漏りやら、依頼されたことをやりながら、幾つか気になったことを報告。
それから、今日やりたかった仕事に取り組んだ。
でも、最近会社のSNS担当になった人から、私が使っているアナログな機械について、相談を受けて話していた。
こんな感じで、会社でのフリーな1日を終えた。
仕事していたのかな?
でも、なんだか充実していた。
会社にいる時間を楽しめた気がした。
みんなそうなればいいなと思った。
会社の中の人も、社会全体でも。
働きながら働く場所で、自分を見つけ出す。
きっと私は、知らず知らずのうちにそんなことをやってきたのだと思った。
好きかもしれないこと。
苦手だと感じながら、向き合ってきたこと。
どんな仕事でも、与えられてこなして、感じ尽くした結果。
そこから仕事もプライベートも、もっと楽しくなるということを、私は知ってしまったのかもしれません。
そんなことを、誰かに伝えたいのかもしれません。
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