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病気や障がいを持つ子どもと家族を描いた絵本


病気や障がいを持つ子ども、家族の背景は様々です。治療、入院中の困難はもちろん、病気によって子どもを失うことの悲しみは、周囲の人々の想像を超えています。

それでも、その子と家族の歩んだ日々が、私たちに大切な何かを語りかけ、時に教えてくれることもあります。受け取る中身は本当に、人さまざまだと思いますが。今回紹介する2冊の絵本、「はしれ江ノ電ひかりのなかへ」と「6さいのおよめさん」は、そうした子どもたちと家族を描いた絵本です。

読みすすめるうちに、悲しみがあふれてくるのですが、亡くなった子どもたちの人生が、絵本を通じて、こんなふうに続いていくこと、そして絵本にならなくても、周りの人たちの記憶の中で生き続けているのだと思うと、亡くなることですべてが終わってしまうということではないのだと、つくづく感じさせられます。

病気や障がいを持つ子どもや家族を描いた絵本

(1)はしれ江ノ電ひかりのなかへ

①絵本の内容

ともくんは未熟児で生まれ、お母さんと同じ心臓の病気がありました。走ったり、長く歩くと苦しくなるので、家の中で電車で遊んでいました。

ともくんが9歳の時、お母さんはなくなりました。

中学生になると、ともくんの病気が重くなり、入院します。ある日面会に来たお父さんは、先生から、ともくんが3か月持たないかもしれない、と告げられました。

先生とおとうさんは、江ノ電のうんてんしゅになりたいという、ともくんの夢をかなえられないかと、ボランティア団体に相談します。その後、いつでも病院に運べるように、先生が電車と一緒に、ドクターズカーをはしらせることにし、この計画が実行されることになりました。ともくんをのせた江ノ電はコトンコトンと川の鉄橋を渡り、海越えて鎌倉駅にむかいました。

②ともくんの夢の実現を支えた、メイク・ア・ウィッシュ


3歳から18歳未満の難病と闘っている子どもたちの夢をかなえ、生きるちからや病気と闘う勇気を持ってもらいたいと願って設立された公益財団法人です。1980年にアメリカで発足し、世界では39か国(カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、オランダ、ベルギー、アイルランド、チリ、台湾、日本など)で活動しています。国内では6つの支部を置き、全国的に活動をしています。ホームページでは「実現したウィッシュ(ねがいごと)」が紹介されています。子どもたちの様々な願いと喜びあふれる笑顔がとても印象的です。

(2)6さいのおよめさん

①絵本の内容

ケイコちゃんは小児がんで入院しています。お薬のために髪の毛がぬけて、保育園では「どうしてかみのけないの?へんなの」と言われてしまいます。それでも、けいこちゃんは「わたしは痛い注射も頑張って、つよいんだよ」といいかえしました。

病気が進むと、車いすで学校に行くことになりましたが、それでも学校が楽しいと、笑顔でいうのでした。そして、ケイコちゃんが天国に旅立つ日、ケイコちゃんの夢がかなうのです。

②ケイコちゃんのお父さんの活動について

この物語はケイコちゃんのおとうさんが書いたものです。ケイコちゃんが亡くなった後、会社を辞め、「いのちの授業」をはじめました。そして、いのちは当り前にあるのではなく、奇跡だということ、無駄な命など一つもないことを学校などを回って伝えています。以下がケイコちゃんのお父さん、鈴木中人さんの活動を紹介した、ホームページです。ぜひご覧になってみてください。


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