見出し画像

ピルをやめてから生理がこない? ピルの副作用に悩む女性たち

生理の周期には個人差があるうえに、
同じ人でも毎月きっかり同じ日数でやって来るわけではありません。
だけどこれだけは全員に一貫していることがあり、
それは「生理が始まるのは排卵日の2週間後」ということ。

生理前っぽいなって思ってから、
いつ来るのかと今か今かとソワソワするのが嫌いなので、
これを知ってから自分の排卵日を把握できるようにするために、
毎朝体温計で体温を測るようにしています。 
のだけれど、なかなか習慣づかなくて、
いまだに自分の完全な体温カレンダーの完全な記録がつくれてません。
(ちなみに排卵日は体温が一番グッと下がっときの翌日らしい。
詳しく知りたい人はぜひ調べてみてください。)

けれど、ピルを使えば話はもっと簡単。

いつ生理になるのかが正確にわかるのはもちろん、この週には大切な予定があるから生理きてほしくないなと思ったらズラすことができる。

生理痛も軽減するし、PMSなども個人差はあれど気にならない程度になるし、肌もきれいになっていいことづくめ。

生理周期を安定したいことに加え、ひどいPMSに悩まされていたこともあり、わたしも10代から20代半ばまでピルを愛用していました。

のだけど、 どうやら世界では最近、一周まわって「ピルを飲まない」時代へと突入しつつあるらしいのです(?)。


日本では生理諸症状やPMSについての認知度はだいぶ上がってきているものの、婦人科への受診や、ピルの服用はまだ超メジャーというわけではないですよね。

とは言ってもオンライン処方が可能になったりとか、以前よりはずっとピルを選択肢として捉えるようになった人も増えたように感じるし、

ようやくピルの避妊以外の効果、というかそもそも避妊以外の目的で使用する人の方が多いということも認知されはじめています。

私もピルにすごく救われた1人で、
日常生活をPMSや生理に煩わされないで過ごせるってこんなに楽なんだってはじめはすごく感動しました。

だからもちろん、ピルの普及は喜ばしいこと。

のはずだったのですが・・・。


最近こんな本を読みました。

「Beyond the Pill」

「Beyond the Pill(ピルの先): ホルモンバランスを整えて自分の身体を取り戻し、ピルの危険な副作用を治療するための30日プログラム」。

この著者のジョリーン・ブライトン医師はピル服用中止後のホルモンバランスの乱れの治療を専門としているそうです。

そう、タイトルでも示唆されてますが、
ピルの服用を「やめた」ことによって治療が必要になる女性たちがいるそう。

わたしはこの本で初めて「ポスト・ピル(バースコントロール)・シンドローム(PBCS: Post Birth Control Syndrome)」という言葉を知りました。
ポストピル、つまりピルをやめた後ならではの症状が存在するんです。



実は私もここで紹介されていた症状にひどく心当たりがあって、
これを読んだ時にすごく驚きました。

私は17歳くらいから5年くらい服用したのち、
あるタイミングでピル服用を中断したのですが
(理由は金欠 笑)、
それから3年以上生理が来なかった経験があります。

どこを見てもピルをやめたら大体3ヶ月くらいで生理が来るようになると書かれているし、婦人科に言っても満足する答えを得られずで、
当時は本当に不安でした。

で実はこの「無月経」も、
ポスト・ピル・シンドロームのひとつなんだそう。

絶対これってピルのせいだよなと思いつつ、
どこにもそんな情報はないし、ただ自分がそう思っているだけなのかな、
自分の体質や生活習慣のせいなのかなと思っていました。

ピル中止後の無月経に悩まされている人は本当はすごく多いらしくて、
ああこれ当時の自分に読ませたら安心しただろうなぁ、と。



ちなみにPBCSでは他にこんな症状が現れることがあるそうです。

・生理痛
・不妊
・甲状腺機能低下
・気分の落ち込み
・にきび
・抜け毛
・高血糖や低血糖
・不安感
・ガスだまり
・免疫機能の低下
・生理不順
・PCOSと同じ症状(けど本当はPCOSじゃない)


通常の体調やサイクルに戻るまでだいたい9ヶ月はかかるという研究結果も。(そして生理痛や不順、ニキビなどなどを相談すると、またピルの再開を勧められるというスパイラル…)。
本では上記の症状別に、必要な栄養素などのアドバイスも書かれています。


ピルは身体を妊娠状態にあると錯覚させる、
なんて説明、聞いたことあるかもしれないけど、
それについても著書は「カラダはそんな馬鹿じゃないっつーの!」と一蹴。

あとピルでは太りません、ピルでPMSは治りますって
お医者さんは言うけど、
実際ピルで太った人や、
ピルでPMSが治らない人、逆に精神状態が悪くなったって人も
ネット上ではいっぱい見ますよね。
そういったあまりに実際の患者さんの体験にそぐわない説明の数々についてもちゃんと批判されていたり、病院では教えてもらなかったピルの副作用についてもちゃんと書いてあって、とっても信頼できると感じました。

たとえば2016年の研究によると、
ピルを6ヶ月以上服用していると、
閉経後に糖尿病になるリスクが大幅に高まること。
糖尿病ではない使用者もインスリンレベルの高さが指摘されていて、
これはインスリン抵抗性、そして糖尿病や心臓疾患の原因になりうるということ。またコレステロール値と血圧が高いことも指摘されています。

これらを理由として著者は、インスリン抵抗性が認められるPCOS(多嚢胞性卵巣)への治療としてピルを用いることにも懸念を表明しています。

またピルを中止した後にPCOSの様な症状が見られるケースがあるのも、
ピルによるインスリン抵抗性のせいだとか。
(そしてそれは実際にはPCOSではないのだけれど、
PCOSと誤診されているケースが多いらしいのです。
ピルを飲む前には正常の月経周期がありインスリン抵抗性のサインも見られなかったという場合の多くは、偽PCOSだそうです)。

他にもコレステロール値の上昇や、血栓症リスク、心筋梗塞、乳がん(特に家族に乳がんの人がいる人)、うつ病、自殺率(なんと3倍)、不感症などなどなど・・・・。

無月経に関しては、
ピルには(種類にもよるけど)
合成されたエストロゲンとプロゲステロンもどきが含まれていて、
それが身体に入ることで、これ以上はホルモンはいらないからと脳がホルモンを分泌する卵巣に信号を出すのを辞める、そして排卵が止まる。
つまりこの間、
卵巣と脳とのコミュニケーションはずっと「中断されてる」状態。
なのでピルをやめて、長年コンタクトしてなかった脳と卵巣が再接続するためには、それなりの問題が発生したり、時間がかかるものらしいのです。 

そして結局、
ピルは「症状に蓋をしている」状態であり、
PMSやPMDD、生理痛や生理不順の根本的な治療をしてくれない、
ということが大事なポイントでした。



私もアンチ・ピルになりたいわけではありません。
ひどいPMSに悩まされていた身としては、
ピルはたしかに根本的な改善にはならないとしても「救い」でした。

けどかといって「ピルがいい」という風潮を、
やみくもに推し進めることにはNOと言いたいなと思います。
ピルの副作用についての周知があまりに追いついていないような気がするし、医療機関からの説明は不足している気がするから。

だって、もし私がピルを飲むのをやめた後、
無月経に悩まされる可能性があると知っていたらピルを飲んだかな?

もし知っていたら、ピルを飲まないで済む方法、
PMSを根本的に治す方法を苦しみながらも探っていたかもしれない。

今私は遠回りしてようやくそのターンに入ったところです。

この本でも、
生理前や生理中の諸症状は身体や心からの何らかのメッセージ」
と書かれています。

ピルを飲むと確かに一時的でも体が楽になるから、
たとえば学校に行ったり、外で働いたりといった環境に
当時うまく適応できる様になりました。

けど最近、生理以外のことを省みても感じているのは、
私は外部の環境にうまく適応しようとするあまり、
PMS含め、あまりに多くの身体や心からのメッセージを無視し続けていたのかもしれないな
、と言うことでした。
また奇しくも、私がピルをやめてから無月経を経て、生理が来るようになったタイミングは、自分の感情を表現する方法を自分なりに意識し行動しはじめた時期でした。

生理前や生理中の症状を通して、心身の調和を図ること
これが私の最近の目標のひとつ。
生理をそういう機会だと捉えると、
自分自身と丁寧に向き合う「特別な期間」のような気がして
以前より嫌なものだと感じなくなってきました。


日本語には翻訳されていないのが悲しいですが、
気になった方はぜひ読んでみて欲しい本です(また私の英語能力のせいで間違った情報があれば教えてください)。
ピルの諸症状に悩まされている方だけでなく、ホルモンバランスに悩んでいる全ての人におすすめの本です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?