ずっと憧れていたCHANELに、手は届かないけれど。
あなたにとって、「良い買い物」と「悪い買い物」はどう区分けされていますか?
思い出による?使用頻度?衝動買いかどうか?
人によって判断軸の振れ幅が大きそうで、エピソードを聞くのはとても楽しそうだなぁと妄想が膨らみます。
まずは私から、「噛めば噛むほど美味い」スルメ式の良い買い物をした経験についてお話しさせてください。
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バブリー感のある私立中学・高校出身の私には、コンサバティブな洋服が定着している東京に生息していることがびっくりな同級生がいます。
web発信ではそのぶっとびキャラとファッションで人気白熱、アメブロ大学生ランキングで1位を獲るほど。
純粋にブログは面白かったし、Instagramの写真もかっこよくて投稿を楽しんで見ていました。
そんな彼女のお気に入りブランドは、CHANEL。
投稿には私の見たことのないヴィンテージシャネルが溢れ、彼女の本気の愛が伝わってくるコメントがついています。
愛って、伝染するんですね。
Cマークにはそこまで感情を揺さぶられませんでしたが、いつの間にか私もシャネルのシンボル的存在のハンドバッグを欲しいと感じるようになっていました。
こうなると、つらい。
ショッピングサイトをぐるぐるまわって、値段にため息。
手が届くはずもない。
そんなある日、夢をみました。
ものにあふれた、決して小綺麗とは言えない初めて訪れたお店で、私は3万円にまで値下げされた中古のシャネルバッグを見つけます。色は薄いピンクで、私の好みじゃないし、角はすりむけている。状態としてはかなり悪いからここまで値下げされている。
私はその場ですっごく悩んで「いくら欲しくてもこれはやめたほうがいい」と決断して、その場は帰ります。
それでも後日欲しくなって、ひたすら後悔する。
...という夢。
起きた時本当に驚きました。
まさかそんなに欲しい気持ちが高まっていたなんて。
所有欲の実感に驚きすぎて、シャネルに対する所有欲は急激に落ちました。
あれから約7年。
そんな恋い焦がれた日々のことも忘れるほどの時間が経った先日、ぷらっとヨーロッパ旅行へ出かけました。
ヨーロッパ4都市を訪れたその旅で最後に訪れたのは
”The heaven of shopaholics”
と評すweb記事があがるほど、ショッピングにことかかない町、ベルリン。
そこで私はKARL LAGERFELD の商品に初めて出会いました。
ファッションに疎い私は「きいたことある名前だな」と思っただけで店舗を1度スルー。
が、翌日掘り出し物を探し歩いていたデパートで同ブランドに再会。
バックグラウンドは何も知らないまま、デザインに一目惚れして、値下げされていたハンドバッグを購入しました。
(サムネイル画像に大きく写っているバッグです。
出典元:KARL LAGERFELD 2018 SSカタログ)
帰国後、彼がシャネルのデザイナーとしてあまりに有名であることを思い出しました。
((遅い))
時差ボケが治った週末、ヨーロッパのシャワーでオレンジ色になった髪をどうにかしてもらおうと、学生時代から通い慣れた美容室へ。
連れていくのはもちろん今1番お気に入りのKARLのハンドバッグ。
着くなり
「そのバッグ超かっこいい!!」
「あっカールって書いてある!」
「シャネルっぽい!!!!」
「えっ、、、高くなぁーーーい!!?」
ベタ褒めの嵐。
ですよね!!!超かっこいいでしょこの子!!!!!
と心の中ではこれ以上ないくらいドヤ顔をしながら
「値下げしてたんで全然高くないですードイツに行ってきたんですよー日本にカールの店舗ないんですよー」
なんてことや旅の思い出話をして、帰路につく。
道すがら頭の中にこびりついたのは「シャネルっぽい」の一言。
帰りの電車の中で、当たり前かつ的確な一言を反芻しながら、
私は、知らないうちに学生時代に夢にまでみた、欲しかったバッグを手に入れたことに気づきました。
Cのマークじゃなく、凛とした佇まいに惹かれたあの日々。
あぁそうか、忘れていた憧れは、今も残っていたんだ。
掲げる冠(ブランド名)は異なっても、そこにある佇まいや姿勢は変わらない。
時が経っても、知識がなくても、同じ一人の人間が手掛ける精神に魅せられていたんだ。
ファッション素人の私は単純なもので、
この素敵なことに気付いて以来、そのバッグを持つ度に、
今の自分を、昔の自分ごと、少しずつ愛せるようになっています。
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あなたにとっての「良い買い物」は、どんなエピソードですか?
#良い買い物 たくさん聞いてみたいなぁ。
PS. シャネルより安価で、セール時ならば手がとどくことに気付いた私は、すっかりKARL LAGERFELD のファンです。
サポートありがとうございます!値段のないところにお金を出してもらえるって、本当にありがたいことだなぁと感激しています。大切に使って、そこから得たものを書いて恩返しさせてください。