【漫画】いじわるキツネとピュアなクマ62「グチばっかりのキツネ君」
あぁ、クソ。なんで今日も雨なんだよ!
どうしたのキツネ君?
昨日散々降ったじゃねーか。なのに今日もまた雨とかマジでわけわかんねー!
本当に嫌だねぇ〜、雨。
(ククク。困ってる困ってる。どんなに心が広い聖人でも、他人のグチを聞き続けるのだけは耐えられないはず。)
(そう!今日俺がお前にするイタズラは「大量のグチ聞かせまくる攻撃」。)
(さぁ、俺の戦術でお前を地獄の底へ叩き込んでやるぞ。クマ野郎。)
あぁ、クッソ。湿気のせいで全然髪がまとまんねーじゃねーか!どうしてくれるんだクマ!
えっ!僕に言われても困っちゃうな。
いつもならワックス使わなくても、手櫛でサッと決まるのに、今日は髪の手入れにやたらと時間がかかっちまう!
このヤロ。ワックスももう空っぽじゃねーか!何でこんな日に限ってワックスがねーんだ。何かの呪いか、ふざけんな!
(キツネ君どうしたんだろ。今日は特別機嫌が悪いみたい。)
(ククク。どうだクマ。俺の余念のないもう攻撃に、もう心が折れちまいそうなんじゃねーか?だが、俺が手を緩めることは決してない。行くぜ、追撃だ!)
クソ!何でこのワックスはシトラスの香りなんだ。今の俺の気分はフルーツの香りなのに、全くこいつは空気の読めないやつだなぁ!
・・・。
(聞こえたぜ、クマ。今、お前の心が「ボキッ」っと折れる音が!)
どうしたのキツネ君。今日何か変だよ?何か嫌なことでもあった?もし、嫌なことがあったんだったら、何でも僕に相談してね。
キュン・・・!
バカ。悩みなんかねーよ!ちょっとお前に構って欲しかっただけ。
なんだ、それなら良かった!急に怒り出したから、僕ビックリしちゃったよ。
(クソ。俺のバカ。口から出任せとは言え、「構って欲しかった」とか急に何言ってんだ?)
(まぁいい。そっちがその気なら、俺も追加でグチを言い続けるだけだ。)
あぁ、クソ。何でこの世の物質は全て原子からできてるんだ。この野郎!
ムム。今なんて言ったかな、キツネ君。
だから、どうしてこの世の物質は全部原子でできてるんだって言ったんだよ!
よくぞ聞いてくれました!実は原子と行っても、フタを開けると、実は陽子と中性子から成っていて・・・
は?急に何行ってんだ?
陽子も「クオーク」いう、素粒子から出来上がっているんだよ。ふんふん。
おいおい、何の話だよ?
実は、クオークも6種類あるんだが、それは、アップ、ダウン、トップ、ボトム、チャーム、ストレンジという・・・
待て!話を止めろ、頭がこんがらがって来た。
クオークが6種類存在するという仮説は、理論によって過去に予想されていた、その論文がは・・・
くそぉ。まさか、クマが物理学マニアだったとは。こんなことなら初めから、イタズラなんかするんじゃなかったぜ、チクショー!
理論を元にそれを実際に観察して証明しようという、理論物理学の・・・
ってキツネ君。僕の話ちゃんと聞いてる?
ハイ、すみませんでした!黙ってちゃんと聞いてますぅ!
おしまい。