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パン職人の修造 150話〜 江川と修造シリーズ

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30代に入り何もかもに充実感を抱き日々を家族と共に生きる修造だったが、、、 運命は先に先に準備を進めている。その事に気がつくのはいつも過去を振り向いた時。気をつけろ修造、希望に満…
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パン職人の修造 156 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

パン職人の修造 156 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

お菓子の販売経路を増やして忙しくなってきた麻弥は、時々しかリーベンアンドブロートに行けなくなった。

それでも抜け目なく修造が空手の試合に出るのを店員の立ち話から聞き、こっそりその日空手の大会に出かけてオペラグラスで修造だけを追ったりした。

たまに仕事を抜けてパンを買いに行ったが修造の姿をちらっとでも見る事は出来なかった。

『きっと奥の工房でパンを作ってるんだわ』テラスに座って店の方を見ていた

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パン職人の修造 154 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

パン職人の修造 154 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

佐山歩(さやまあゆむ)という青年が、求人募集を見て面接の為にやって来た。

レジ横の、店と厨房の間のスペースにはドリンクを用意する冷蔵庫やエスプレッソマシンなどがある。2人はそこに立って話しをした。

佐山は眼鏡の奥から真っ直ぐ麻弥の目を見つめていた。

「佐山さん、うちは女性しか雇ってないのよ」

「それは性差別ではありませんか?」

「そうかしら、、」

「僕がここにいる事で何かトラブルが起こ

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パン職人の修造 153 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

パン職人の修造 153 江川と修造シリーズ 赤い髪のストーカー

麻弥に残されたのは自分も一刻も早く修造の跡を追ってコンデイトライの試験に合格して日本に帰る事だった。

生活は相変わらずだったが、麻弥には目標が出来た。

勉強を怠らず真剣に打ち込んだその道の先に修造が光り輝いていた。

麻弥の心にはありもしない妄想を繰り返したり、実際に会ったらまたバッサリと振られてしまうと言う恐れが交互にやって来た。

麻弥はやっとゲセレの試験に合格した。
もうこれで日本に帰っ

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