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【report後編】8/26「What is Life?」武井さんと語る公開スタッフ研修(Vol.2)

おまたせしました!前回はいいところで終わっていました。インターン生の三谷です。

📝前編記事はコチラ

(続)全体セッション

【Q】とはいえ、今できているシステムはものすごい強固であって、手放していくことの変革はどれくらい時間がかかるのだろうか。また、武井さんが言う「徐々に」という言葉の内容が気になる

【KO-ZO】そもそも経済や貨幣という資本が変わらないと、動ける範囲が変わらない...

<可視化される資本範囲の拡大>

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今後、エコノミックキャピタルに加えヒューマンキャピタル、ソーシャルキャピタルの最大化の必要性についてお話しいただきました。(改めてこうして眺めてみると、全て繋がっていますね・・・)

高度経済成長期は、エコノミックキャピタルが目覚ましく発展していて尚且つ幸福だった。発展しすぎた影響で今お金が余っているのになくて困ってる人がいる。ヒューマンキャピタルやソーシャルキャピタルの範囲まで考えることができるとお金だけに捉われている人のマインドも変わってくる。

<貨幣経済の特徴>

つながりや影響を考えながら少しずつアプローチをしていくとバランスが取れてくる、国が介入して欧米のようなベーシックインカムなどの制作を取り入れると行動力学が変わっていく。貨幣経済の特徴としては、不安と恐れを増長させてしまうことが挙げられる。不安と恐れを刺激して競争させることで、増大、成長してきた仕組みが資本主義である。

<個人のアクションと社会>

【Q】個人レベルで行えるアクションはなんですか?

【KO-ZO】
社会は人間関係が集まってできたもの。自分がどんな関係を持っているかが社会そのものであり、自分がどれだけ良い関係を作れるかが社会を良くしていくというアクションになっていく。
次の社会の変わり方は、インターネットが普及して自律分散型のコミュニティが変わっていくと考えている。
🌠自律分散的に自分がそこで何かアクションを起こすことが未来のことにつながるという実感をもつ。
🌠自分の手触り感があるように生きていくこと

全体性という意味では、まず個人で仕事とプライベートが分かれすぎてしまったことが人間性を失わせていっている。アプローチとして、意図的に仕事とプライベートの分断された部分を混ぜていく。子どもも大人が参加しているコミュニティに入っていくことで共同体感覚が芽生える。

<顔が見えるまちのサイズ感>

街に対する愛着と満足度と知り合いの数は比例するという研究がある。街とは建物ではなく人間関係のことで会社も学校も同じこと。(例えば学校では建物が先生ではない)どうやったら良い人間関係が築きやすくなっていくのか?それを気付けるヒントも、「開放性、透明性、流動性」である。
人間は見えないものと知らないものに恐れを生んでいく。


【Q】学校やマンションなどで開いていないような物理的に閉鎖された空間を解放させていくのにできることはなんですか?精神的に開放する以前に物理的に武井さんがやっていることはなんですか?

【KO-ZO】物理空間とIT空間という分野で情報の透明性や力の流動性は組織論でよく話されている。透明性が高い方が、組織の健全性は高まる。
〇流動性:その人が最適な意思決定をすれば良い
〇開放性:多目的と無目的が偶然性を生む(一番足りていない)
例)武井さんの家は開放性のデザインを埋め込んでいる。実際に子ども部屋を小さくして居心地の悪い空間にして、占有スペースではなく共有スペースに来たくなるような設定を組み込んだ。

<いまの社会は、"中間領域"が少ない>

昔は、銭湯など公共の場が偶発を生むものであったが今は少なくなっている。偶発的に人が繋がるような仕組みが存在するのは「中間領域」街やカフェではテラスが外と内の中間領域となっている。いまの社会は中間領域が少ない。昔の日本家屋の縁側は外と中の中間領域。縁側に座っていると近所の人と挨拶や会話が自然と生まれる。経済合理性で考えると中間領域は無駄である。今の家は利回りを上げるために廊下や収納をなくしている。
偶発性を求めると経済合理性がどんどんなくなっていく。偶発性を保ちながら生活をしようとすると余白がなくなる。庭のような空間が地域の関係を作っていたのに、今は隣の家に壁が作られている。

☆グローカルの学生拠点を構えるQUESTIONは、余白が沢山あり人と人が出会える場所となっているデザインとなっていると武井さんに絶賛いただきました。

5階パース

4.チェックアウト参加者の声

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・ずっともやもやしていたことが、自分の中でつながりました。
・楽しかった!中間領域がひびきました。学生も先生も社会人もみんないたのが自然
・最後の中間領域の話、交流とか物の交換とか私のじいさんばあさんの時はあったなと。なくなったのはプライバシーとか個人情報とか壁ができたためだなと思いました!
・自分には「こういう生態系で生きたい」というイメージはぼんやりあって、やろうと思ったら出来る環境というか設備は整っているのに動き出せてないだけなのかなということを思いました。
・武井さんに惚れる。
・具体的にたとえをあげて説明していただき、分かりやすかったです。
・多目的と無目的が偶発性を高めるという話をもう少し、詳しく聞きたいです!
・自然経営を久しぶりに聞いて、ティール組織なども少し思い出しました。
・今日の中間領域の話を聞いて、デザインについて深堀ができそうに感じました。
・カフェテラスに行きたくなりました。
・コミュニティは「誰」がつくるか、、というのがポイントだなぁと思った。
・過去の経験の中で、言葉に表したかったことがつながり、充実した時間でした。また開放性がある生活を送りたいなと思いました。
・中間領域、偶発的な出会いのお話とても興味深かったです。ありがとうございました!

5.武井さんから一言「楽しいことをしていきましょう!」

これからの世の中の動きは多様になり確立的な答えがないものになっていきます。楽しいところに人が集まっていく。いままでは抑圧的なものがあったが楽しみながら働いていても良いのではないでしょうか。ぜひ、楽しいことをしていきましょう!

一旦閉会をし終了後1時間ほど雑談が続きました。そこではイデオロギー、コモニング、非営利型株式会社などなど色んなトピックでお話しが展開されていました。上記のキーワードや今回のことを含めてもう少し詳しく知りたい方はグローカルセンターへお問い合わせください。また、武井さんの「自然経営(JINEN)」という本をお読みください。そして、10月※日は調整中!にGLOCAL SHIFT ACADEMIA Vol.4 で武井さんが再度京都へリアルゲストとして来てくださるので、是非参加をしてください。

▼「自然経営」リンク
自然経営 ダイヤモンドメディアが開拓した次世代ティール組織 | 武井浩三, 天外伺朗 |本 | 通販 | Amazon

6.インターン三谷の感想

初めて武井さんにお会いし直接お話を聞くことができました。「自然経営」を読んだ時と話を聞くとは全く世界観が違うように感じて良い意味でもっとわけが分からなくなりました。しかし、武井さんの例えがわかりやすかったり話の一貫性がクリアになっていて理解しやすかったりしてすごく良かったと思います。特に、「マーケットとコミュニティ」の対比のお話しがすごく印象的でした。なぜ、コンビニやスーパーだと少しでも安いものを買う意思決定をしてお金を失うという感覚があるのに、友人の商品や生産者のストーリーがあるものには高くても買ってしまうのだろうという場面が自分が納得いくような言葉で言語化されたことがかなりスッキリしました。
 私は周りの大学生より比較的マーケットよりコミュニティの場面で消費活動をしているなと改めて気づくことがあり、「個人から地球まですべて調和できる一貫性を保つことが"経営"」という感覚の近くに自分が位置していてこれからの社会のヒントが身近にたくさんあるということも知ることができました。自然(ジネン)のような全体感を理解して活動することはまだまだ足りていない部分が多々ありますが、今回の会をきっかけに整理をすることやもっと勉強をして自分の中での自然(ジネン)という意義を考えアクションへと移していきたいです。武井さん本当に有り難うございました!


📝行元編集後記:
今年のはじめに、きのPからビジネスの語源を教わった。

"「care(ケア)」や「anxiety(心配事)」というところに「自分という存在の日常を埋めている物事」という解釈が生まれ、現代の「business(仕事)」になったらしいです。" 

あらためて、すごくすごく腑に落ちました。。

前編で書かれていた、経営の語源。ビジネスの語源。
心のありようで、ケアしてること(大切にしていること)とリンクすることの割合が増えたらいいなと思う。全体を眺めて、ナチュラルに変わりながら。今の社会は、人工的に心配事がつくられてるものも浮かぶ、心が反応するものをよく観察したい。

ーGLOCALがケアしたいこととは?
ースタッフがケアしたいこととは?
ー私がケアしたいこととは?
ーあなたがケアしたいこととは?

KOZOさんtalk soooooon!みなさんありがとうございました⚘

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