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女性のライフイベントとキャリアについて ~前編~

気が付けば駐在生活ももうすぐ五年。
日本にいた頃は自分が海外で駐在妻として暮らすなんて思ってもいなかった私が、自分の仕事人生を振り返りつつ、女性のキャリアについて考えてみます。

DINKSで気ままなSE生活

日本にいた頃は、東京でSE(システムエンジニア)をしていました。
元々、高校生の頃にSEになりたいと思うようになり、その知識を学ぶために工学部へ進学、卒業後は希望通りSEになりました。

SEとしての仕事は想像していたよりももっと面白く、「この仕事を選んで良かった!」と思いながら過ごしていたので
IT業界にありがちな「土日出勤」「深夜までの残業」「朝方に鳴る業務用携帯」なんかもあまり気にならず、とにかくバリバリ働いていました。

入社三年後に結婚し、二人暮らしを始めたものの
特に私の生活が変わることもなく、残業残業の毎日。

対して主人は定時上がりだったので、晩ご飯はいつも別々・ゆっくり話をするのは土日くらいという毎日でした。

第一子の妊娠、そして産休・育休生活へ

そんな感じでまさに生活のほとんどを仕事に捧げていたわけですが、妊娠をきっかけに自分のキャリアについて考えるようになりました。

幸い、働くママを支援する施策は整っている会社でしたので
周りにも子育てをしながらキャリアを築いていっている先輩社員の方が多く、自分も「子育てと仕事を両立しながら、これまでと同様に頑張るぞ~」とぼんやり考えていました。

ところが、妊娠中期になってお腹が大きくなり始めた頃、少し変化が訪れました。

私が、いついなくなってもいいように、単独で大きな仕事をまかされることがなくなりました。
もちろん、妊娠中はいつ体調が悪化するとも限らないし、出産が近づけばしばらく会社にこなくなるわけなので、会社としては当然の措置です。
(むしろ、きちんと考えて準備してくれたことに感謝しています)

ただ、気づいてしまったんですね。

わたしと、同期の男性社員とのキャリアマップは、完全に違うものになってしまった、と。

私はこれから、少なくとも一年半ほどは働くことが出来ない。戻ってきたとしても、時短勤務だったり、残業ができない制約があったりするんだろう。
そうなったら、私が休んでいた時期も変わりなく仕事をし続け、いつでも自分の時間を自分でコントロールできる同期とは、やらせてもらえる仕事に差があるのは当然のこと。

仕方ないことだと頭では分かっていても、気持ちが沈んでいく自分を自覚せずにはいられませんでした。

出産後、徐々に変わっていった気持ち

産後のキャリアにうじうじ悩んでいたのも出産前までで、いざ第一子を出産してみると、怒涛の育児生活に追われそれどころではなくなりました。

「出産は痛い」というところしか注目されていないように思いますが、実は産後の方が色々痛いことが多いし、新生児との生活はブラックSE生活で鍛え上げてきたメンタルをいともあっさりボロボロにしてしまう破壊力だったので。。。

まぁこの部分を掘り下げると、更に話が長くなってしまうのでそれは置いておくとして、
「仕事9:プライベート1」くらいだった私の生活は、「育児8:家事2」という真逆の生活へと変化したわけです。

子どもを産んで”お母さん”になり、育児をしてみて思ったのは
『育児には、そこでしか得られない経験と価値がつまっている』ということ。

仕事をする中で経験するトラブルや大きな仕事をやり遂げた時の達成感、人との関わりや技術の習得といったものとは異なるタイプの成長がそこにはありました。

・テレビを見る時間どころか、トイレに行く暇さえもない新生児育児。
・片手で子どもを抱きながら、時短で料理。食べるのは冷めたものを立ちながら。
・腕によりをかけて作った離乳食は最高のオモチャ。にぎにぎしてボールにしてポイッ
・出せるものは全部出す。本棚の本も、米びつの中のお米も、うっかり手の届く場所にあったティッシュも。



今までの人生には存在しなかった経験が、わたしを少しずつ少しずつ『親』へと成長させてくれました。

この、とことん子どもに付き合う生活と、そこから得られる日々の喜び、悲しみの積み重ねを、会社で多くの時間を過ごす男性社員は同じようには経験できないのだなぁと。

そう思ったら、
女性でいることも悪くないな。
仕事も育児も経験できるのはしあわせなことかもな。

そんな風に考えられました。

その境遇から何を得るのか

人生にいくつか訪れる転機は、その先の景色を大きく変えてしまうことも多々あります。
ただ、その転機や自分の置かれた状況をどう捉えるか、
どういう気持ちで過ごしていくのかは自分次第なんじゃないでしょうか。

また、その新しい状況になってみなければ気づかなかった新しい視点・自分の気持ちに気づかせてくれることだってあります。

出産前は「育児もこなしながらバリバリ働くスーパーSE」を目指していたわたしは、初めての育児を通して「親として成長していくこと」の面白さを知り、復帰後は技術メインの仕事ではなく、人事部や営業サポートなどをやってもいいかもしれないなぁなどと考えたりもしました。


そして、実際はというと、育休中にアメリカへ渡り、ファッションバイヤーとして起業することになるのですが…笑


いまのわたしの状況と、現在のわたしが思い描いている未来像は、出産前には想像もつかなかったようなものです。



長くなってきてしまったので、ひとまず前編はここまで。

後編にて、どうして育休中のSEがファッションバイヤーになったの?という部分を掘り下げていければなと思います。
(続きが気になる…!という人がいたら嬉しいw)



最後までお読み頂いてありがとうございました!

記事だけでなく、こんなところまで目を通して頂いてありがとうございます^^ 普段は肝っ玉母さんを演じていますが、こんなわたしをサポートして頂ける方の前ではごろにゃん甘えたい欲望が抑えきれません(:Д:) 何よりも、応援したいと思ってくださったそのお気持ちに感謝いたします