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ヘッドハンターの意識と行動、成果を大きく変えたグローバルウェイの「研修」とは? 企画者と受講者に聞く

グローバルウェイには「リクルーティングパートナー事業本部」というヘッドハンティングの部門があります。外資系コンサルティングファームや有力外資IT企業などをクライアントに、ハイクラス人材に絞った人材紹介を行っています。

この部門で最近、若手から中堅のコンサルタント(ヘッドハンター)を対象とした研修が行われました。どのような趣旨で、どのような研修が行われたのか。研修を企画した事業本部長の根本勇矢さんと、受講したシニアコンサルタントの那須正さんに話を聞きました。

業界屈指の講師が3ヶ月にわたって“問いかけ”

画像2グローバルウェイ取締役CHRO兼リクルーティングパートナー事業本部長根本勇矢

――根本さん、今回の研修はどのような趣旨で企画されたのでしょうか。

根本 2022年3月期の第3四半期決算では、リクルーティング事業の売上高が前期の3倍近くに伸長し、会社の業績をけん引しました。これも各メンバーが主体的に業務に取り組み、成果を上げてくれたおかげです。

リクルーティングパートナー事業本部のコンサルタントは、ノルマはないものの、一人ひとりが高い目標に向かって日々業務に邁進してくれています。各メンバーの働き方には大きな裁量が与えられており、成果さえ上げれば自由度の高い働き方が可能です。

その一方で、会社としては数字面だけでなく、個々のメンバーにキャリアコンサルティングなどの業務の質を上げ、独立も見据え、素質を磨いてもらいたいと考えています。そのためには、個人任せではなく、組織として教育研修を充実させていく必要があるという課題認識をもっていました。

そこで業界屈指のトップヘッドハンターに3ヶ月にわたる「ヘッドハンティング講座」の講師をお願いし、若手から中堅のメンバーに受講してもらいました。その結果、受講者の行動が明らかに変わり、すでに成果にも現れているところです。

――那須さん、受講者として何が一番変わったと思いますか。

那須 講師からさまざまな問いかけをされて、本当にいろんな意味でで役に立ちました。一番大きく変わったのは、ヘッドハンターとして仕事に向かう「覚悟」ですね。特に、自分がなぜこの仕事をしているのか、といった「Why?」の部分を掘り下げていったことが、その後の仕事のやり方や候補者に向かうときの意識を変えたと思います。

以前も人材関係の仕事をしていて、人材をお金稼ぎのコマのように扱うやり方に疑問を抱き、いまの会社に転職してきたのですが、日々の業務の中で「この仕事をやる目的って自分の中でなんだろう?」という部分が薄れてきていた点を、今回の研修であらためて明確にしてもらいました。

候補者の「Why?」を一緒に掘り下げていけるようになった

――意識が変わったことで、行動や成果に影響はありましたか。

那須 実は研修以前は、面談を継続して実施している期間に、途中で連絡が取れなくなってしまう方がよくいましたが、研修後は一人もいなくなりました。候補者と信頼関係が築けるようになったのかな、と感じています。

これまでは、ただ自社が持っているクライアント企業を紹介するだけで、候補者の方が「自分は本当はこういうことがやりたい」と考えている本質を、深いところまでつかめていなかったのだと思います。他のエージェントと同じことをやっているだけだな、と思われたら離れられても仕方ありません。

自分の中での「Why?」が掘り下げられたからこそ、候補者の「Why?」を一緒に掘り下げていけるようにもなったし、場合によっては自分の「Why?」を先に開示して、候補者の話を引き出すこともできるようになるなど、面談の質の向上にもつながっています。

先日の面談でも「エージェントさんからここまで話してもらえたことは初めてです」と言われ、その後で「他のエージェントさんには話していないのですが」といった情報をもらえたことがありました。まずは私とのやり取りに集中してもらえるようになると、途中で連絡が取れなくなるということが減るんだと実感しています。

――面談の仕方も、より丁寧になったのでしょうか。

那須 一人あたりの面談の回数が増えました。初回の面談では「こういう会社がこういう方を探しています」という背景をお話しし、その後は候補者の方が中長期的なキャリアとして、そもそもどういうことがやりたいのかをお聞きしています。

そのうえで、転職しようとする背景の本当のところが明確にならない限りは、基本的に企業に候補者を紹介しないようにしています。以前は、数を送れば一定確率で採用される人が出る、といった考えがありましたが、いまはきちんと納得している候補者の方を紹介すれば、採用確率も上がるという考え方に変わっています。

クライアント企業に関する情報収集の姿勢にも変化

画像3グローバルウェイ リクルーティングパートナー事業本部 シニアコンサルタント 那須正

――他に、研修後でこう変えたというところはありますか。

那須 面談前の事前準備に、かなり時間を使うようになりました。候補者の方のプロフィールをじっくり読むだけでなく、自分なりにシートを作り、その人の人生のイメージや、どういう違和感をもって転職しようと思ったのか、などについて自分の中で想像してから実際に会うようにしています。

候補者だけでなく、クライアント企業についても、事前準備シートを作って情報収集をするようにしました。この会社がどういうビジネスモデルなのか、どういう成長フェーズにあるのか、組織課題は何なのか、といったことを整理したうえで、求人を見るようにしています。

そうすると、ヘッドハンターの行動が一歩遅れることで、クライアントの経営目標が達成できないおそれが生じることも理解できるし、いつまでに何をしなければならないのかを明確に考えられるようになりました。

このほかにも、営業計画のシートを作ったり、それによって日々の行動管理をしたりすることで、これまでフワッと雰囲気でしかやっていなかったことを、きっちりできるようになりました。いままでもやってきたつもりですが、フワッとじゃダメだなというところが、研修を通じてすごく考えさせられました。

――かなり細かいところまで行動が変わってきたのですね。

那須 そうですね。話を候補者のことに戻すと、当社にお金を支払ってくれるのはクライアント企業なので当然ではあるんですが、これまではクライアントのポジション(求人)中心にモノを考えていたところがありました。

しかし研修後は、候補者との中長期的なパートナーシップ中心の視点に変わりつつあると思います。

視点が変わることで、クライアントに紹介する人材も厳選することになりますし、仮にあるクライアントのポジションの募集がなくなったときでも、候補者との関係性ができていれば、別のポジションで募集がかかったときに、すぐに合った候補者を紹介できます。そういう候補者との関係性を管理するようなシートも作るようになりました。

研修で学んだことを「組織の力」に

――根本さん、行動や成果が明確に改善されたということは、研修の意味がありましたね。

根本 那須さんの行動がここまで変わったのであれば、会社としてはもう「元を取った」と言い切れます(笑)。ただ、今回お願いした講師はかなり多忙な方なので、今後も同じような研修をお願いすることは難しいと思います。

今回受講した那須さんたちやマネージャーが、研修で学んだことを実行に移して定着させながら、新しく入社する方にも伝えていって、組織の力にしていくことが必要です。

特にこの部門は、成果を上げていれば自由な働き方ができるところが特長のひとつなので、行動管理をきちんとやってもらうことが前提になります。管理をきちんとすることで余力が生まれ、それが他のエージェントとの差別化を生む行動につながればいいと思います。

ヘッドハンティング事業は労働集約型で、人を増やしただけ売上利益も増える、と言われますが、人数だけ増やしていると組織が崩壊します。また、転職を検討されているハイクラスの候補者様に対してよりレベルの高いキャリアコンサルティングの提供を実現するためにも、コンサルタントへの教育投資は重要ですので、引き続き企画していきます。

なお、リクルーティングパートナー事業本部では、ヘッドハンティングの経験者・未経験者を募集していますので、興味のある方は「ハイクラス転職エージェント」からカジュアル面談にぜひ応募してください。

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