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食品輸出の中級知識③:食品を輸出するための海外売掛体制を作る

~食品輸出用英文売買契約書を作成し国際売掛取引体制を構築する~
今回は、自社で直接海外に食品を輸出する際に必要な仕組み作りの話です。

海外に継続して自社商品を直接売るには、国際売掛取引体制を作る必要があります。それにはポイント2つがあります。それが、『①国際売掛取引を可能にする低コスト保険加入』『②売手が圧倒的に強い売買契約書の作成』この2点です。

ここを乗り越えることができなくて、自社で直接海外に売ることをあきらめる食品メーカーが多いです。自社輸出をすれば、国内の物流コストやコンテナ詰め替え作業がなくなることでディストリビューターの仕入コストが下がり、大量に販売できる可能性が高くなります。非常に重要なポイントとなりますので、ぜひ最後まで読んでください。

海外の食品ディストリビューターと直接取引をする際に、先方が普通に売掛取引を求めてきたら、どうやって国際売掛取引をする意思決定をしますか?その会社の与信審査をどうやって行い、どんな会社には売掛取引をして、どんな会社には、LC取引を求めたり、前金を入金してもらうか決めますか?

そんな判断ができない食品メーカーの方向けの文章を作成しました。なお、このnoteを購入された食品メーカーの方限定で、当社の食品輸出用売買契約書のひな型(実践でそのまま使える版の英文と日本語訳)の印刷版を販売しますので、購入を希望される方は、本文内に記載する連絡方法で連絡をください。

※①国際売掛取引を可能にする低コスト保険加入
海外企業と商談する際に『売買条件や売買契約について事前に何も決めていない』という食品メーカーの方が大勢います。これは不思議な話です。そんな食品メーカーも国内で小売や卸や飲食店と普通に売掛取引をされています。その際には取引条件を普通に合意されています。売買契約書(小売と直接取引の場合は買手である小売が圧倒的に強い契約書)や支払い条件、など普通に文書で合意されます。

食品輸出商社や食品メーカーで自社輸出している食品メーカーも海外のディストリビューターと普通に国際売掛取引をされています。海外で一定規模で事業をしている食品ディストリビューターは当然海外の輸出商社や食品メーカーと売掛取引をしています。

『商品を納品する前にお金を払って欲しい。』食品メーカーであるあなたは国内の小売や卸にそんなことは言えないと思います。海外でも全く同じです。日本の食品メーカーが、そんな先払いの話をした瞬間に、多くの優良なディストリビューターは逃げていってします。

海外でも普通に国際売掛取引をやっていかないと、輸出売上は伸びません。しかし、海外企業の与信管理をどうすえば良いか分からず、直接貿易に取り組むことができない食品メーカーが多いのです。そんな国際売掛取引に安心して取り組むための方法を説明します。それは保険を使ったスキームを導入して対応します。

食品輸出に関係する保険は5種類あります。国際売掛取引だけでなく、様々なリスクヘッジを考えて保険の加入を検討する必要があります。ディストリビューターに見積もりをFOB価格かC&F価格で出し、ディストリビューターがPO(Purchase Order:発注書)を発行する前のタイミングで、支払い条件について合意をしておく必要があります。

支払条件は、前払いか、銀行保証のLCを条件にするのか、後払いを認めて売掛取引をするのか、という点を決める必要があります。

ここを最初に決めておかないと、商品で合意できても、肝心の支払条件の交渉で最後の段階で条件が決裂してしまい、それまでにかけた時間が無駄になってしまいます。そういうケースが実は多いです。

完全前金にすれば食品メーカーにとっては一番良いでしょうが、ディストリビューターにとっては魅力のある話ではありません。LCで取引しようとすると現地の輸入者にコスト負担が発生するだけでなく、コンテナを通関するのに不便なため、LCでは取引しないというディストリビューターがほとんどです。

実績のあるディストリビューターになると、BLの日付45日後払いか月末締め翌月末払い、というのが普通です。金利の高い国では、支払サイトを一定期間持たないとなかなかビジネスを拡大できないので、どうしても有力なディストリビューターほどそういう条件を出してきます。その場合、LCに固執すると取引のチャンスそのものを失います。日本は金利が安いので、日本で資金調達して、その金利分価格を上げるというのが良い方法です。

しかし、国際取引には資金回収と国際訴訟という2つのリスクがあります。ここを考えずに輸出して痛い目に合うと、後々とんでもないことになります。そのため保険と契約でリスクヘッジをする必要があります。

海外企業と直接輸出取引をする場合は、契約の前に保険によるリスクヘッジをします。売り先が見つかり、すぐに売り渡すことになってあわてて契約せずに売ってしまい、あとで資金が回収できなかったり、現地で商品事故が発生して訴訟になってしまうこともあります。

そこを保険でリスクヘッジをする必要があるのです。商品輸出に関する保険は5つあります。その5つの保険を組み合わせてリスクヘッジします。ビジネスフローに沿って5つの保険を説明します。

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食品輸出の中級知識③:食品を輸出するための海外売掛体制を作る

山崎 次郎

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イオンで31年勤務し海外業務に28年関与。2か国9年海外駐在。海外業務・海外商品開発・品質管理のスペシャリスト。食品輸出事業の責任者経験から海外営業・海外商品開発を多数コンサルティング。2020年業界紙「食品新聞」1面最上段で食品輸出ノウハウを20回に渡り連載。食品海外展開支援。
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