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愛する食事、愛される食事

ご当地グルメが好きです。


食べることが好きで、旅行も好きなので、旅行に出かけては色々なご当地グルメやその地域のB級グルメと呼ばれるものをたくさん食べます。

多くのご当地グルメにはネーミング、食材、調理法などにその土地ならではの文化背景を感じられるので、美味しいものを食べながら旅行先に詳しくなれるだなんて最高のコンテンツだと思うのです。

そもそも"ご当地グルメ"とは?と思いウィキペディアなどで検索すると

ご当地グルメは、日本の特定地域内において、地域振興活動の一環として伝統にこだわらず開発・発祥・定着した料理の総称である。「御当地人気料理特選」や「B級ご当地グルメ」などもこの一種である。

...といった記載があります。ん?地域振興が目的の料理なの?と疑問符が浮かびますが「目的が違えど結果的に地域振興につながってればいいでしょ」とゆるい考えのもと紹介したいご当地グルメがあります。それは

「馬場ホル」


こと北海道旭川市にある"馬場ホルモン"さんの塩ホルモンです。

「塩ホルモンなんてどこにでもあるでしょう」と思われるかもしれませんが、旭川は塩ホルモンの発祥の地となっており、そのホルモンも牛ではなく豚のホルモンなのです。

旭川は北海道のほぼ真ん中に位置しており、札幌の次に開拓使の第7師団の駐留した土地でもあります。旭川では古くから養豚が行われており、新鮮な豚肉が手に入りました。また保存技術も今と比べると発展していない頃ですので、正肉よりも傷みやすいホルモンは塩漬けにされて保存されることが多く、その流れで旭川の塩ホルモン文化は生まれました。

詳細は旭川市の広報で分かりやすく紹介していますので、ぜひ見てみてください。

http://www1.city.asahikawa.hokkaido.jp/koho/h24_03/p04_09.pdf


そんな塩ホルモンを明治27年ころから提供していたのが「馬場ホルモン」です。

駅から徒歩15分ほどのメインストリートから少し外れた姫小路という横丁のなかにお店があります。

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画像からわかる通り、年季の入った建物で無煙ロースターなんてものはなく、店に入ると奥でスタンバイしていた七輪が目の前にセッティングされます。冬場などアウターににおいがつくのが気になる人はビニール袋をもらえるので、それに服を入れておく以外ににおいを回避する方法はありません。今っぽいお洒落でインスタ映えするようなお店ではありませんが、非常に人気店があり、混んでる時間帯に入ると店内は煙でもくもくしています。

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お店にメニューはありません。食べ物のメニューは"塩ホルモン"のみで人数分が皿に載った状況で提供されます。ホルモン(腸)は勿論のことレバーやマメなど塩だれで味付けされたミックスです。中身はランダムなので好きな部位がなくても個別での注文はできません。ガチャ要素もあります(笑 また、ホルモンと一緒に出てくる玉ねぎは箸休めのポジションなのでこちらも別で追加することはできません。

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飲み物は店内の冷蔵庫にある瓶ビールやチューハイ、一升瓶で量り売りスタイルの焼酎や日本酒です。もしもホルモンとお酒でなくてご飯を食べたいという方は持込OKとなっています。以前はむかいにあった居酒屋さんでライスやおにぎりだけを注文することもできました(笑

肝心なホルモンはすこししょっぱめで、お酒が進む味付けですのでホルモンとお酒を口に運ぶ反復運動がとまらなくなります。自分で七輪で焼くのも良いですよね。火力も一定ではありませんし、目が離せない存在ですがこまめにひっくり返してあげて食べごろを迎えたホルモンは決して裏切りません。また、たまに口にする玉ねぎのみずみずしさと甘さがこれ以上なく気持ちよいです。書きながら食べたくて仕方がなくなっています....(笑

ビールとともに2皿くらい食べるとよほどの大食漢でない限りは満足できる量だと思います。それだけ食べてもホルモン1皿600円にお酒代...と一人で3000円以上のお会計になることはまずない良心価格となっています。

決してお世辞でも綺麗とは言えない店内ですし、男性用のトイレは店外の共有スペースにあり、仕切りがある壁にするタイプ(笑

それでもここでしか味わえない雰囲気と味を求めに人が集まってくるのです。テイクアウトもできますが、雰囲気もすべて含めての馬場ホルモン。モツ好きのん兵衛の為のディズニー...いや、ディズニーはいいすぎなので花やしきくらいにしておきましょう(笑


他にも旭川市内には塩ホルモンがウリのお店はありますし、最近ではホルモンを乗せたホルメンというB級グルメ的なラーメンもあります。

他にも旭川には酒蔵が3つありますので「地酒」を楽しんだり、「ジンギスカン」に舌鼓を打つも良し、他にも「新子焼き」という若鳥の半身焼きに、王道中の王道「旭川ラーメン」

他にも北海道民ならわかる「ビタミンカステーラ」や壺屋の「き花」、生チョコサブレの「蔵生」、旭川の伝統的豆菓子「旭豆」などパンやお菓子にいたるまで旭川には魅力いっぱいのご当地グルメがあります。



それでもいけることなら”馬場ホル"こと馬場ホルモンでの塩ホルモン、こちらをぜひ試していただきたいです。

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