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雨女の本領発揮

7月27日(木)

起きてすぐ一日のスケジュールを決めて、それから動き出した。野菜スープを作って食べて、水回りの掃除をする。3時間ほど原稿に取り組む。手ごたえ皆無。
昼に出かける。新宿紀伊國屋で本を買い、それから伊勢丹へ。沖縄のブランドYokang(バチェロレッテ1の台湾編で萌子が着ていたすてきなドレスのブランド)のポップアップストアをやっていたので実物のワンピースやドレスが見てみたくて。いいなと思ったものを何着か着てみたけれど、どれも一点ものでサイズを大きめに作っているとのことで私が着ると裾を引きずったりぶかぶかしてしまったので購入は断念。オーダー会かなにかのタイミングで手に入れられたらいいな。
それから、ビックカメラに行って目星をつけていたミラーレス一眼カメラを買う。店員さんがSDカードとか保護フィルムとかカメラ以外に必要なものを一通り教えてくれたので教わった通りに買う。
疲れたので、名曲喫茶らんぶるでコーヒーとガトーショコラを頼んでぼうっと読書。

帰宅して、説明書をにらみながらカメラの初期設定をする。宝の持ち腐れにならないようにがんばって操作方法を覚えなくては。
寝る前に爪を塗る。左手の小指と右手の親指だけシルバーにして、あとはフューシャピンク。

7月28日(金)

今日もまた起きてすぐ一日のスケジュールを決める。野菜スープを作って洗濯と洗面台掃除。昼過ぎまで原稿を書く。

最近買った白黒の半円を組み合わせた模様の柄シャツを着て有楽町へ。
外に出たら世界がキラキラしていてびっくりした。天気がいいからかなとか、昨日今日と仕事が休みだからかなと思ったけれど、たぶんそれだけではない。
交通会館ビルの喫茶店・阿蘇に行ってみる。最近は喫煙可の喫茶店に果敢に挑戦している。短時間なら、そして夏なら(服に匂いがついても洗えばいいから)なんとか乗り切れるなと思う。厚切りのピザトーストとコーヒーを注文する。店員さんが「もうすぐ出ますよ」と声をかけてくれてうれしい。

明日の読書会に持っていく林芙美子「晩菊」を久々に再読した。若いときより今の方が主人公きんの凄みがわかる。

時間になったのでヒューマントラストシネマ有楽町に移動して映画『CLOSE』を観る。花畑を走る少年たちがとても美しい映画だった。

それにしても、エゴイストもそうだけど「それ」に付随する要素をネタバレのネタ扱いするのを本当にやめてほしい。予告から予想できた展開ではあるけれど見ていて相当しんどい。

山手線で五反田へ。今日はひと月ぶりの三酒三様飲み。大衆食堂スタンドそのだに入る。19時近いので満席かもと思ったけれど二人分の席があってよかった。窓から道路が見えるカウンター席で武塙さんを待つ。現れた武塙さんは髪が赤くてシャツが青かった。どちらも似合っていてすてきだ。
カウンターを挟んで外と中に座り、エビスビールを二杯飲んだ。つまみはメキシコきゅうりと、アンチョビ煮卵ポテサラ。

外の空気が青かった

どちらも味が濃くてビールが進んだ。でも次に行くおでんの店が今日の主目的なので、ほかにもいろいろ食べたいのを我慢した。

それから小林屋へ。ナチュールワインとおでんの店。オレンジワインを注文したところで、仕事を終えた浅沼さんが合流する。ビーズの白い花が茎ごとしゃらしゃらしたピアスがかわいい。

おしゃれなかんぱい(珍しい)

各々好きなおでんを頼む。私はトリッパ・もち麩・とうもろこし・鶏団子にした。

トリッパは後から別皿で供される

商業出版の本の原稿の進捗を尋ねられ、「煮詰まってるけど来週台湾旅行に行くからきっと大丈夫! 台湾のこと書くから! ルーロー飯とか!」と伝える。最近の私は台湾に行って台湾の空気を吸えばいい原稿が書けると思っている、というか思いこみたいような節がある。スラムダンクの思い上がってた頃の矢沢か?

次回の三酒三様飲みの日取りが決まってすごくうれしい。SPEEDが「次の約束があるから生きていけるよ」と歌っていたけれど、大人になって本当にそうだなあと思うようになった。子どもの頃は、いやそんな大袈裟な、と思っていた。

これが好き、と言葉にすると、それを好きな気持ちが自分のなかに居場所を見つけてぴたっと定着するということがあると思います。だから日記にも原稿にも、好きなもののことをたくさんたくさん書いていったらいいのだと思います。

武塙さんのバスの時間が迫ってきたので小林屋を出て、五反田駅で武塙さんを見送る。全然記憶にないが、手を変な風にぶらぶら振りながら武塙さんを見送る私の写真が浅沼さんによって撮影されていた。後で見たら猫背の妖怪みたいだった。

西口に移動して浅沼さんと二次会をすることに。目黒川沿いの秀和レジデンスを浅沼さんに見せようと思ったら大規模改修中で外壁が網におおわれていて全然見えなかった。
クラフトビールの店であれこれしゃべる。閉店の時間になって追い出されたので五反田駅の改札前で続きをしゃべる。しゃべっている最中に浅沼さんは猛ダッシュして改札を通り抜けて、こちらに手を振りながら雑踏の中に消えていった。あっという間だった。

7月29日(土)

昨日帰り際に改札でしゃべっていたときのことを思い出して自分の言動を反省する。
原稿はとりあえず置いておいて日記の編集作業をやる。
正午から百年の二度寝さんで「着物で読書会」があるので、浴衣の着付け開始。2種類持っているうち、今日は紺地のほうの浴衣にした。母にもらった絽のつづれ八寸帯(なんと新品)を初めて締めた。久々のお太鼓結びに悪戦苦闘する。でも夏帯は軽くて扱いやすいな。
無事に着つけられたので江古田に向かう。ものすごく暑くて日傘をさしていても日差しが横殴りに攻撃してくるような気がする。

百年の二度寝さんに到着。参加者は店主の河合さんも含めて3人だった。着いて早々におふたりに着付けの相談を持ち掛けてる私。親切に教えてもらえてありがたかった。
読書会は、自己紹介&今日のコーディネートの説明タイム→持参した着物本の紹介→フリートーク。おふたりが紹介してくれた本や漫画がどれも気になる。大島弓子の漫画をちゃんと読んだことがなくて、着物が登場する話がいくつもあることを全然知らなかった。夏休みの課題図書に決定!読んでみよう。
河合さんが紹介してくれた着物研究家のシーラ・クリフさんの写真集は、ビビッドな色使いで髪型から靴までこだわりぬいた独特のコーディネートがとにかく素敵で、ページをめくる度にきゃあきゃあ言ってしまった。見ているだけで心が満たされて元気になる。手元におきたくてその本の注文をお願いする。気になった本をその場で注文できる本屋さんの読書会のすばらしさよ!9月末に着物で読書会の第二回をやるそうなのでそちらもぜひ参加したい。

河合さんが写真を撮ってくれた◎

江古田を出て北本に向かう。小声書房さんの向坂くじらさんの刊行記念トークイベントを申し込んでいたので、今日は本屋さんはしご!
イベント開始の17時まで時間があったので、前に小声書房店主の橋爪さんにおすすめしてもらったカフェやいちへ。焼き物のギャラリーも併設されている静かでうつくしい空間だった。奥のカフェの窓際の席に座り、アイスののったあんみつを食べてコーヒーを飲んだ。

カフェから5分ほど歩いて小声書房さんに到着。久々に来られて嬉しい。4月に来ようとしていてぎっくり腰で断念したのだ。予約していた『夫婦間における愛の適温』を受けとって、わーっと感情が爆発しそうになる。
イベントは椅子を車座に並べて行われた。くじらさんが、詩の中では嘘をつくけれどエッセイでは嘘を書かないという話をしているのを聞いてものすごくびっくりした。だって、ポエトリーブックジャムのパフォーマンスで聴いたあの詩に登場する「姉」がまさか実在しないなんて! 後半、くじらさんは参加者全員の質問に答えてくれたのだけど、「愛はどんな悪さをするか」という質問に対する答えがとても興味深かった。新刊に掲載されている詩の朗読パフォーマンスも間近で浴びることができて、サインももらえて、来てよかった。

猛暑のなか浴衣で一日移動し続けてへろへろ。帰りはグリーン車に乗った。へろへろだけど肉と野菜を買って帰って、スープを作って食べた。

7月30日(日)

午前中、コーヒーを淹れて武塙さんにもらったクッキーを食べる。

すてきなクッキー

それから原稿を書いて送る。
13時から、オンラインである人に自分の話を聞いてもらう。話し始めてすぐに涙が出てきて止まらなくなって自分でびっくりした。びっくりしながら一時間半話を続けた。今日は第一回で、来月第二回があるので、それが終わるまでは感想や振り返りは書かないでおこうと思う。

諸々のやるべきことを済ませてから麻布十番へ。長期休暇から復帰した同僚+何人かと飲み会。一次会イタリアンで二次会は焼き鳥屋だった。最初のビールの後はずっとハイボールを飲んでいた。コンビニで氷結とパスタを買って帰宅してちょっと飲みなおした。

7月31日(月)

午前中はゆっくりする。午後から出社。待ちの時間が発生したので神田桂一『台湾対抗文化紀行』を読むなどした。

明後日からの旅行のオンライン入国カードを書くなどもした。
帰宅して野菜スープを作って食べる。さっさと入浴をすませて洗濯をして、武塙通信が届いたのを見届けて寝る。読むのは明日。

8月1日㈫

起きて一日の予定を立てる。今日は長い一日だ。
まずは、つぶして束ねる作業がめんどうくさすぎて部屋のあちこちに放置していた段ボールを集めてきて束ねて捨てた。

それから有楽町へ。有楽町ビル一階の喫茶店ストーンでモーニング。ずっと来たいと思っていたけれど10月にビルが取り壊されると聞いて慌ててやってきた。茶色の石壁のそばの二人がけの席に座るととても落ち着く。

私は子どもの頃、自宅でも祖父母の家でも夏場はずっと壁にはりついて涼をとっていた。壁が触れる距離にあるのはすごくいい。それもこんなすてきな壁が。つい頬と肩を寄せてはりつきたくなる。
飲み物の値段プラス100円でバタートーストかシナモントーストがついてくる。私はホットコーヒーとバタートーストにした。皿とカップに統一感があって、それは店の雰囲気ともよく合っていると思った。

コーヒーを飲みながら、台湾大好き編集部『台湾の朝ごはんが恋しくて』を読んだ。

時間になったのでヒューマントラストシネマ有楽町に移動して映画『シモーヌ フランスに最も愛された政治家』を観る。

自民党女性局の人たちのパリ研修が話題になっているけれど、あの人たち全員、まずはこの映画を観て政治家がどうあるべきか学んだ方がいいと思う。

映画を観終わってまた有楽町ビルへ。今度はこれまた行ってみたかったカレー屋・マーブルへ。昼時を過ぎているのに10人ほど行列していた。これで行けないまま建物が取り壊されたら後悔しそうなので列に並んだ。15分くらいで席に案内される。ラムカレーが売り切れていたから一番人気らしいインドカレーにしてみた。

初めて食べるのになつかしい味がするカレー。キャベツの塩漬けと福神漬けがいいアクセントになって飽きずにおいしく食べられた。お腹いっぱい。

帰宅して、散らかりに散らかった部屋の片づけに取り掛かる。飛行機に乗る前には部屋を最低限片づけるようにしている(普段から最低限片づけるべき)。片付けをしながら、あげはさんと一時間弱通話。いつも四時間くらいしゃべり倒すのでもの足りないけれど、それでも話せてよかった。
夕方キックボクシングに行き、帰って片づけと並行して荷造りを進める。なんとか片付けも荷造りも形になった。23時半頃に家を出て羽田空港に向かう。電車を間違えていて焦って変な汗をかく。こんなことで旅行中大丈夫だろうか。
早朝便に乗るために出発ロビーの上の階のカフェで搭乗手続きの開始を待ちながらこの日記を書いている。
台風6号は結局どうなったんだろう。現地の天気を調べたら、滞在予定期間が全日潔く雨マークだったので笑った。雨女の本領発揮である。

では行ってきます!!

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