見出し画像

君も伝説的STG『Hellsinker.』をプレイして伝説となれ

note公式さんがこんなお題を出してきた。

好きなゲーム、ハマったゲームは数多くあれど、いま超絶に推したいゲームといえばこれ。

『Hellsinker.』。2007年にコミケで頒布され、熱狂的なファンを生み出した知る人ぞ知る伝説的な縦シューティングゲーム......らしい。

らしい、と付けたのは私がこのゲームを知ったのはつい最近だから。去年にSteamで配信がされたのがキッカケだ。当時の熱狂も分からなければ、語り合う友人もいない。過去数回オンリーイベントが開催されたらしいが、今となってはすべてが遅い。ただひたすら孤独にプレイするしかなかった。

それでも『Hellsinker.』は今まで遊んできたゲームの中でトップクラスに面白い。自信をもってそう言える。

複雑なシステムと全能感

本作は2D縦シューティングゲーム、いわゆる『東方Project』などの弾幕ゲーと言われるジャンル。この時点で苦手だ……と渋る人もいるだろうが、安心してほしい。STGジャンルのなかでも、ゲームのクリアまでならばそう難しくない設定になっている。

……のだが、まずゲームを起動してユーザーネームを入れると、チュートリアルが始まる。

画像1

いきなりゲーム内の用語で操作説明が始まり、困惑することだろう。ここでつまずくユーザーも多い(Steamの実績取得率をみるとマジで低い)。だがこのチュートリはスキップできるのでとりあえず後回しにしていい。自分もスキップした。

スクリーンショット (13)

チュートリを終えると、なんか文字がいっぱいあるメニュー画面が表示される。(上の画像はある程度ゲームを進めてから撮ったので多少背景が違いますが)
初めて見ると、この独特のフォントや情報量の多い表示物に「見づらい…」と感じますが、意外と慣れます。信じてください。

メニュー画面で左右キーを押すと使用キャラを変更できます。初めは「MINOGAME」というキャラがおススメです。とある宗教機関が製造した両性具有の即身仏、オッドアイで少女のような長い髪と少年のような服装(タンクトップにハーフパンツ)、出自ゆえにどこか尊大な印象の口調といった具合で属性モリモリ。
もちろん、単にキャラ設定でおススメしているのではないです。ザックリ言うと、チャージ攻撃で無敵フィールドが出せるので滅茶苦茶強いのです。

画像3

画像はMINOGAMEの操作説明(手引きと概要から抜粋)。もうわけわからんと嘆く方もいるでしょうが、なんとかなります。トラストミー。


初めに「シューティングゲーム」と言いましたが、このゲームはどちらかというとアクションゲームに近いです。
STGといえば敵の攻撃を細かく避け続けて遠距離から攻撃を当てるイメージですが、Hellsinker.では接敵しつつ武装を使い分けて敵を倒すことを推奨しているゲームデザインになっています。
余計難しそう…と思いますが、近づけば敵が攻撃してこなくなる「弾封じ」、敵の弾を遅くしてくれるバリア「サプレッションレディアス」などなど。様々な防御システムがあるので割と死にません。ガンガン攻めていくのが吉です。

最初は複雑な操作と大量の敵弾の速度に圧倒されて、何度もやられると思います。しかし、キャラの特徴や武装の特性、システムを理解し始めるとどんどん敵を倒せるようになってきます。そしてキャラを自由自在に動かせるになった時の全能感。これをぜひ体験しえt欲しいです。

徹底して作りこまれた世界観

操作を覚え始めたらストーリーや世界観も気になってくるところ。

大決壊と呼ばれる大災害により地上が分断された世界。そんな世界で過去の遺物を蒐集する集団『GRAVEYARD』に所属する『EXECUTOR』が本作のキャラクターだ。彼らはとある亡国の洋上に建造された人工島に聳え立つ塔『カーディナルシャフト』に、遺物の調査のため内部に侵入する……

というのが本作の大まかなストーリー。更に詳しく書かれている購入時に読める説明書「概要と手引き」に書いてあるので見てみよう。

画像4

なるほど、分からん。読むほどに分からん難解な用語、製作者Tonnor(トンノル)氏の独特な文章が理解の行く手を阻む。ファンからは「説明書がラスボス」と言われてるほど。
でも最初だけです。このゲームしていくうちに、この文章群が極上の考察材料になります。嘘じゃないですってば。

ここまで読んで、いわゆる設定や世界観だけ過度に詰め込んでる系のゲームってことでしょ?と思った方。たしかに間違いではないです。
ですが、これらの過度な情報量は全て、一本の作品の強度を上げるために必要なものなのです。
例えば「自分の弾は倒すのに何発も打ち込む必要があるのに相手の弾に当たると一発で死ぬの?」という疑問や「残機(LIFE)」の概念など、ゲームによくあるお約束を作中の世界観設定に落とし込んですべて説明しているのです。しかも、その設定同士が密接に繋がっているのです。それ故に概要と手引きは膨大な量となったのです。

作品の強度の高さはそれだけではとどまりません。
鎧のような、メカのような敵メカの最高にカッコいいデザイン。
敵が放つ弾幕とBGMがリンクしている演出は映画を体験しているよう。

画像5

一番好きな見た目の7面ボス『王たる騎士』。カッコいい。

シューティングゲームというジャンルは基本的に、ステージが強制的にスクロールするため「寄り道する」という概念がほとんどない。
それは逆に一つの物語をノンストップで魅せることができる、ということでもあります。このゲームはシューティングゲームの1プレイという中に、ゲームらしさと映画のような物語性をどちらもぎっしりと詰め込んでいるのです。

全能感を味わえるアクション体験、奥行きあるストーリーと考察材料の塊である設定群、それを補強する超カッコいいBGMと演出。それが一体となって『Hellsinker.』という作品となっているのです。

とにかくやってほしい

シューティンゲームというちょっとニッチでとっつきにくいジャンルで、さらにその中でも知る人ぞ知るという立ち位置なため、いまTwitterとかで検索しても話題にしてる人もあまりいなくて正直すっごく寂しい
だから、一人でも多くの人がHellsinker.をプレイしてNoteなりTwitterなりで話題にしてほしい。
Hellsinker.を、そしてあわよくば、他のシューティングゲームもやってほしい。


参考資料

Vtuberの千羽黒乃さんの動画にて、ゲームの操作説明から世界観の説明までしているのでこの動画がおススメ。


この記事が参加している募集

#コンテンツ会議

30,854件

#全力で推したいゲーム

13,905件

いただいたサポートはお菓子に変化します