見出し画像

GLAP在学生インタビュー Vol.2(後編)

先日お届けした前編に続き、GLAP在学生のインタビュー後編をお届けします。後編は、留学から帰国した後、3年生~4年生を振り返る内容になっています。GLAPでの学びが、自身のキャリアや将来にどうつながったのか、ぜひご覧ください。

【自己紹介】

GLAP4年生(取材当時)の小池です。※専攻分野は「Citizenship」を選択しました。2年生秋学期から3年生春学期の「Study Abroad」はオランダのライデン・ユニバーシティ・カレッジに留学していました。これまでの海外経験としては、幼少時に4年半アメリカに住んでいました。日本への帰国後は、国際的な環境の中学・高校で過ごしていましたが、その後は特に海外経験はありませんでした。

※専攻分野
GLAPは、1年~2年春学期までは幅広い分野を学び、「Study Abroad」から帰国した3年秋学期~4年までの1年半は、「Humanities」「Citizenship」「Business」の3分野から自身の専攻分野を選択するカリキュラムです。

取材当時の小池さん


【コロナ禍での留学 ~3年生直前での緊急帰国~】

ー年が明けて、留学期間が折り返して少し経った2020年2月末くらいから、新型コロナウイルスの感染拡大で世界中が混乱し始め、留学についても現地滞在が難しくなっていきました。オランダもかなり混乱した状況だったと思うのですが、当時のことで印象に残っていることはありますか?

小池さん:大学の授業もすべてオンライン形式になってしまいました。ライデン・ユニバーシティ・カレッジの授業の特徴として、すべての科目の定員を20人以下とするルールがあって、定員を超えると絶対授業には参加できないような厳格な人数制限をしていました。そのため、ディスカッションがかなり濃密でかつ深いものになったり、コミュニケーションを密にとることができたりといった授業が多かったです。ただ、オンライン形式になったこと、特に帰国後は、様々な国から現地の時間帯でクラスを受講していたこともあり、人によってはwi-fi接続が不安定だったり、コロナで親族が大きな影響を受けて不安な中授業に出ていたり、色々な状況が重なったこともあり、対面では活発だった授業が、先生が主に話して、たまに受講生に発言を求めるような、本来の授業とは異なるスタイルになりました。先生も学生もみんながオンライン慣れしていない状況下で、色々工夫していた面もあるんですけど、特にオンライン形式のスタート時期は、本来の対面授業の良さがなくなったというのもあって、受講生としても大変でした。でも、それはそれでいい経験だったと今は感じています。

ーオランダに限らず、日本でもこの時期から試行錯誤しながら始まったオンライン形式の授業では、学生だけでなく、教員、そして大学としても色々と学びがありました。

【専門分野の選択 ~3年生秋学期から4年生の学び~】

ーさて、※日本に帰国して「Study Abroad」の後半の授業をオンラインで受けつつ、3年生の6月末には、専門分野を決める時期を迎えました。小池さんは「Citizenship」を選択しましたが、選択の決め手はなんだったのでしょうか?

※日本に帰国
小池さんたちの代は、新型コロナウイルスが全世界で猛威をふるい始めた時期に留学していたため、各大学と相談のうえ、全学生が2月~3月に日本に帰国し、オンラインで授業を受けることになりました。帰国してからのオンライン授業は、時差もありかなり辛かった・・・と多くの学生からコメントがありました。

小池さん:決め手は、新型コロナウイルスの感染拡大前に受講していた授業で学んだ様々なフレームワークについて、実際にフィールドワークで活用してみようというものがあり、その影響は大きかったです。背景や先行研究のリサーチ時に、これまで学んだフレームワークを活用し、チームでリサーチクエスチョンを決め、自分が実際にフィールドに出て調査、結果をレポートにまとめるという授業でした。その授業で、フレームワークにあてはめて、社会と自分を関連させ、観察するという経験をして、それがすごく面白かったということもあり、この学びをさらに深めたいという想いもあり、「Citizenship」分野を選びました。

ーまさに、「社会」を考えていくという学びに小池さんの問題関心が一致したのですね。

【卒業論文 ~4年間の学びを形にする~】

ー専門分野を決定し、3年生の秋学期を経て4年生へと学びを進めていきます。小池さんも4年生の1年間の中で、色々なことに挑戦していたと思います。まず学業では、卒業論文に向けた研究を進め、卒業論文を完成させることが大きな課題だったと思います。
卒業論文はどのようなテーマを選びましたか?

小池さん:卒業論文のテーマは「家庭科の授業と家庭科の授業が学生に与えるキャリア感やジェンダー感に関しての関連性」というものです。

ー卒業論文の研究を進めていく中で、工夫したことや、大変だったことはありますか?

小池さん:大変だったことは、卒業論文は12月中旬に提出期間が決定しているので、スケジュールを組んで、研究を進めようとしたのですが、どんどん対象や範囲が広がっていって、論文としてどのような内容をまとめ、どう組み立てるかを考えるのに、長い時間がかかってしまったことです。最終的に内容を組み立てて、よし書こう!となってからあまり時間がなく、時間管理が大変だった記憶があります。

―論文執筆に向けては、調査も実施されていましたが、調査項目、インタビュー項目を小池さんはとても工夫していた印象です。いわゆる社会学、「Citizenship」分野の王道をいっていたと感じています。分野の研究・調査などベーシックな部分が小池さんにとても合致していたのだと思います。

【※Final Year Seminarについて ~4年生での学び~】

ーGLAPでは、専門分野での学びと、リベラルアーツでの学びの双方のバランスを取りながら学んでいったと思いますが、4年生必修科目「Final Year Seminar 1・2」について少しお話を聞かせてください。この科目は「Humanities」「Citizenship」「Business」の分野ごとにクラスが分かれるのではなく、学生が分野関係なく混ざり合って同じ授業を履修していました。※学際的な授業スタイルの中で、良かったこと、考えさせられたことがあれば教えてください。

※Final Year Seminar
GLAPの4年次生必修科目。学年を2クラスに分け、卒業論文の執筆に向けての考え方や知識、スキルを修得することを目的とする。科目の特徴として、選択した専門分野は関係なく、様々な分野の学生が学際的に分野横断しつつ、互いの研究テーマや手法について共有しながら学ぶ、GLAPらしい科目の1つ。

※学際的
複数の異なる専門分野にまたがり、教育研究を行うこと。

小池さん:異なる分野の同級生とは、研究・卒業論文に関する進め方も違いましたし、もともとの興味・関心も個々人で異なっていました。それぞれ、自身で研究や執筆を進めていく中で、自分の進捗状況を同級生たちとシェアしたときに、こういう観点からの見方はないのか?と考えたり、他の人のプレゼンを見た時、自分ならこういう観点を入れるかもしれないなど、互いにアイデアをやりとりする機会が多かったです。また、「ここはどういう意味なの?」と、自分はあまり意識していない点でのコメントやフィードバックをもらえることはプラスだったし、お互いの論文を深めあうことができました。そういった意味で、分野が混ざり合うことで、良い意味での議論が年間通してできたと感じています。

小池さんのこれからの様々な挑戦も応援しております!


【課外活動について ~立教型リーダーシップでの学びと実践~】

―授業以外で、小池さんの学生生活で一番自分にとって大切だと感じていたこと、ハイライトだと思うことがあれば、ぜひお願いします。

小池さん:学業以外で力を入れたことは、※立教の特色であるリーダーシップ教育(GLP)での、学生スタッフ(※SA Student Assistant)としての活動です。
留学から帰国して、3年生・4年生と、GLAPのリーダーシップ必修科目  ※「GL111」のコース運営を担うSAとしての活動に力を入れていました。3年生でのSA担当1年目は、自分がオランダで学んだフレームワークや考え方を、※クライアント企業から与えられたビジネス課題に対して、色々細かくブレークダウンしたり、修正したりして活用出来るのではないかと思って、授業内でこれらを提示したり、授業内容に反映したりして、自分が学んできたことを他の人に伝えるようになりました。
GL111は、GLAPの学生だけでなく他学部の学生も参加していました。コロナ禍という状況だったので、なかなか国際的な交流はできない中、画面上でしたが、国際的な志向を持つ他学部の人たちと交流できたことが自分にとっては大きな意味がありました。GL111を通して、人と人とのつながりの重要性を認識したということ、GL111という授業の中で、多くの方と出会えたこと、一緒に学び合えたことは自分にとってとても大事だったなと思います。

※立教の特色であるリーダーシップ教育(GLP)
立教では、グローバルな環境下で必要とされる、世界標準のリーダーシップを身につけるプログラムを全学で展開しています。GLAPは、このリーダーシップ教育を、コース必修科目(GL111、GL202)として導入しています。
https://www.rikkyo.ac.jp/education/glp.html

※SA(Student Assistant)
立教のリーダーシップ教育の特徴、根幹の1つとなる仕組み。リーダーシップ教育を受けた学生が、各科目のスタッフとして授業開発、運営、実際の授業のファシリテーションを行う。ピア・ラーニングとしての効果も大きく、GLAP内でもSAを担う学生が各代におり、コース内でのSA育成・継続を進めている。

※GL111
英語で展開される、リーダーシップ基礎科目。授業に企業が関わり、課題を提示し、その課題について解決策を考える中で、リーダーシップの発揮の仕方を学ぶ。2021年度は、セールスフォース・ジャパンと連携した。

※クライアント企業
授業の目的(リーダーシップ開発)に賛同した企業や自治体、NPO/NGO等の協力を得て、実践的な課題を授業内で提示してもらい、その解決策を考える。小池さんがSAを担った2年間は、外資系企業がクライアント企業であった。

ーGL111のSA活動、充実していたのですね。楽しかったですか?

小池さん:楽しかったですけど、大変なことも多かったです。

【小池さんにとっての「GLAP」とは】

ー最後に、少し漠然としているのですが「小池さんにとってのGLAPとは?」という答えを聞かせてほしいです。

小池さん:GLAPはすごく自由に挑戦できるところだと感じています。挑戦して、失敗しても、その失敗から学べることもたくさんあって。「失敗」という言葉から連想されることはポジティブではないかもしれませんが、うまくいかなくても、そこから学べることはたくさんあるし、大学でのチャレンジは、失敗しても問題ないような、教職員、GLAPとしてのサポートがあります。自分が手を伸ばそうと思えば、様々な機会に自由に手を伸ばせる環境にあります。そういう環境が身近にある大学生活というのはすごく恵まれていると思うので、ぜひうまく活用して、今後の学生生活、または自分の将来のためにどういうことができるか、ということを、少しずつで良いので、学生時代に意識してやってくれたらいいかなと思います。

小池さん、インタビューありがとうございました!!!