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発達障害特有の「こだわり」で困ること

学生時代は問題意識を持っていなかったのに、社会人になって現れてくる問題のひとつに「こだわり」があるのではないでしょうか。

「こだわり」とは広い意味で経験の偏りと捉えて欲しいのですが、これが社会人になって特に問題になってくると感じています。

具体的に言えば、①チームワーク ②想像力 ③判断軸 の3つの点で問題が出てくるのでは無いかと思います。

会社員として必要なこと

会社員になれば、当然のことながら組織人としての振る舞いを求められます。その振る舞いとは次の3つだと思います。

①会社全体の業務の流れを理解する
②自分の業務や行動が関係者の行動にどのように影響するか予測する
③コミュニケーションを取りながら分業を効率的に進めていく

小売業であれば、商品を仕入れて売るまでの業務があります。建設業であれば、建材を仕入れて売るまでの業務があります。

会社はその業務を分業で行っています。要はパッチワークでつなぎ合わせているのです。

そのためにはまずは全体の流れを知っている必要があるのです。
そしてパッチワークをつなぎ合わせるために、相手の行動を予測して常にコミュニケーションを取り続けることが必要となります。

経験の偏りが何に影響するのか

こだわりがあるとどのような影響があるでしょうか。私は以下のような影響があると思います。

それは、
こだわりがあるものは想像力が豊かな一方で、こだわりのないものに対して想像力が欠如するというものです。

これは私が会社員をして痛感したことです。
私はASDで緘黙の症状が強かったため、学生時代は買い物で店員さんと話すことも一苦労でした。そのため、社会経験が乏しいまま社会人になりました。

また、私は書籍を読んで勉強をすることが何より好きでした。学生時代は勉強以外のことには全く興味がなかったほどです。

そのため経験不足・経験の偏りが著しい私はチームワークが取れず、報・連・相などのコミュニケーションも全くできなくてとても苦労しました。

社会経験が乏しくて、自分の行動が関係者にどのような影響を及ぼすのか行動の予測ができなかったからです。

このように経験の偏りが行動の予測や想像を難しくしているのです。

想像力の欠如が判断力の欠如へ

仕事をしていれば、何かを決定したり・判断する機会は多くあると思います。想像力の欠如は決定や判断も難しくする一因となっていると感じています。

何か新しいこと行うのは、課題解決のためです。
会社に経営上の問題があり、それを解決することが目的です。そのため会社にプラスの影響がなければ決定に意味がありません。

決定や判断には2つの想像力が必要となります。

①業務の流れを理解して、会社や業務の変化を予想すること
②その変化に対する個々人の価値観・感情を推測すること

物事の判断は論理的な思考を必要とするものですが、その根底には想像力が必要となるのです。

その根底にある想像力が経験が偏りで欠如していると、判断軸のおかしいクレイジーな論理的思考になってしまうのです。

特に日本企業では様々な環境に投じられても臨機応変に対応することが求められます。そのためには少なくとも1点突破の経験値では足りないのです。

経験の偏りをどのように強みにもなります。しかし変化が激しく、他者への想像力が必要となる状況でどのように経験値を広げていくか考える必要があると感じています。




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