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遠距離で友達以上恋人未満になった話

25歳くらいの頃の話です。

彼↓
▶︎300km近く離れたところに住む
▶︎1つ年上
▶︎営業マン

出会い方はSNS。マッチング系ではなく、自由に会話ができるアプリ。
会う目的というよりは、話し相手が欲しくてインストールしていました。
その日お休みだった私は、カフェで過ごしていました。

「よかったら今日○○駅付近で飲みませんか?」

ちょうどそのときいた場所の近く。
顔写真は載せてるけど、わざと加工アプリでぼかしてる彼。
ぼんやりとしか見えない顔写真だったけれどすごく良い笑顔なことが伝わってくる印象‥。

県外に住んでる人でした。
翌日結婚式があるからと、私がいる県に一泊しに来ていたみたいでした。
今晩は空いていて、せっかく来たから旅行気分でどこかでお酒を飲みたいけれど、1人で行くのは寂しかったからとのこと。

私もちょうど暇だったし、誰かと飲みたい。
明日も休みだし‥。
変な人だったとしても、住んでるのは県外だし
今日しか会うことはないだろうし。
人目につく場所だし危なくもない。
そんな気持ちで会うことになりました。

【初対面】

第一印象はすごくタイプで。
笑顔が素敵で爽やかで、歩いていてもしっかり顔を見て喋ってくれる人。
私は恥ずかしくて全然顔が見れませんでした。

私が予約したお店で飲んで、2軒目でbarにも。
初対面と思えないくらいいろんな話をしました。
これまでの恋愛は遠距離が多かったらしい。

お互い、今日会ったのがあなたで良かった、本当に当たりだった(言い方悪いけど笑)という話もしました。
日付もまわったのに、明日彼は朝からなのに、
わざわざ歩いて自宅まで送ってくれて、解散。

【2回目】

翌朝、連絡が来ていました。
「結婚式終わった!今夜、新幹線で戻るんだけど、新幹線乗る前に少し会って一緒にご飯食べれないかな?こっちまで来ることめったにないし、次いつ会えるか分からないし」

といった内容でした。
新幹線の駅近くで軽くご飯を食べて、
新幹線に乗るところまでお見送りして解散しました。


そこからも毎日、連絡を取り合いました。
連絡がとてもマメな人で、
おはようからおやすみまで、返せる時にお互いいろんな話をしました。

「今度はあんなついでじゃなくて、ちゃんと土日に時間作って会いに行く!次会うか会わないかで、また会えるか一生会えないか決まると思う。一生会えないのは嫌、だから次の約束もしたい」

と言ってくれました。
お互いの県に遊びに行ったらしたいこと、食べたいもの、相手が知らない自分の街のことをたくさん伝えました。たくさん写真も送り合いました。

お互いに時間がある時は電話もしました。
いつも電話し始めると、2〜3時間の長電話。
彼の、友達との写真も送ってくれました。
電話している最中には友達にも代わって紹介してくれて、彼の友達ともたくさん話をさせてもらいました。

「はやく会いたい」「一緒にいたい」
どちらからともなく、当たり前にそう言ってました。
お互いの好きなところも、いいところも、恥ずかしいくらい褒め合っていました。

【3回目】

初対面からちょうど1ヶ月後。
彼が私の県まで来てくれました。

定番のドライブスポットに行き、
人混みの中で何も言わず手を繋いでくれました。
2人の写真も沢山撮りました。
夜には居酒屋とbarへ行き、
私の家で初めて関係を持ちました。

【4回目】

そのまた1ヶ月後。再び私の県へ来てくれました。
特別なことは出来なかったけれど、
彼が観たいと言っていた映画を観て、
サプライズでホテルを予約してくれていました。
私が知っている行き慣れたお店に連れて行って、
とても美味しいと喜んでくれました。

【5回目】

私が初めて彼のいる県へ。
お互い仕事終わりで駅まで車で迎えにきてくれて。
彼の家でご飯とお酒を楽しみました。

たくさんの場所に連れていってもらいました。

最終日の夜は街へ出てまたお酒を飲んで。
たまたま友人の結婚式の話になり、
「とみーちゃんは、結婚式するなら地元で挙げたいとか、県外は嫌だとかあるの?」
という質問に対して何と答えたかは覚えてません。
どういう意図で聞いてきてるんだろう…
という疑問で頭が埋め尽くされてしまったからです。

【6回目】

また翌月。私が彼のいる県へ。
振り返ると、これが彼に会った最後のデートでした。

海沿いのお洒落なカフェ、商店街の居酒屋など
彼が連れていってくれる場所は全部楽しくて。

帰り際、私が体調を崩してしまい、
行こうと言っていたお店に到着後も、
気分が悪くて車内から1人で外の空気を吸いたいと飛び出しました。

彼も後から追いかけてきて、
またこのお店は次回にしよう、今日はコンビニでお腹に優しいものでも買って家で食べようと言ってくれて…

帰りの新幹線の時間も近かったのですが
彼の家に戻ってスープを飲み、少し体調も戻ってきたところで帰り支度をしました。
彼の優しい気持ちに安心したのと、申し訳ない気持ちでいっぱいだったのを覚えています。

帰りたくないね、と言いながら新幹線までお見送りしてもらい。
帰った後も、翌朝も、私の体調をずっと心配してきてくれました。
やっぱり一緒にいると楽しい!また次は○○にも、○○にも行こう。と言ってくれました。


次に会う予定は、決まっていませんでした。

まだコロナ禍ではなかった時期なのですが
お互いの予定をすり合わせられなかったのか、
日々の連絡が徐々に減っていきました。

彼「今日こそ電話するね!」
私「ごめん、寝ちゃってた…今日私からかけるね」
彼「飲み会で気付かなかった、ごめん」

そんなすれ違いのやりとりが何度か続きました。
彼に聞きたいことはたくさんありました。

付き合うとか、お互いに口に出したことはなかったけれど、本当は私のことどう思ってるの?

それでも彼はいつものように、
おはようからおやすみまでマメに連絡をしてくれるけれど
すれ違いの日が続いてしまい、まともに声も聞けない、次いつ会えるか分からない状況で、
なんだか私は徐々に疲れてしまったのです。

久しぶりにタイミングが合って電話した頃には、なんとなく私の気持ちは離れているような気がしました。

私「私のことどう思ってるの?付き合ってるわけじゃないじゃん、私たちって」「今までどういう気持ちだったのかなって、遊びって感じだったのかな」
彼「遊びじゃない、遊びだったらそっちの県にまでわざわざ行かない。俺、過去にも遠距離で別れてて、俺こんなことの繰り返しになるのかなって、、、」

お喋りだった彼が初めて黙ってしまいました。
でも彼とは気持ち良く終わりたかった。
また来月も会えるみたいに。

私「また、こっち来る機会でもあれば連絡してくれたらご飯でもいこうよ」
彼「連絡していいの?笑」

電話の切り際、とみーちゃん、またね、またね
って何度も言われました。
何だか心が痛かったけれど、これで良かったんだと思いました。
いつも電話を切り終わったあとに「おやすみ」、翌朝、「おはよう!今日も頑張ろうね」と連絡をくれる彼から、連絡はもう来ませんでした。

せめて近くにいれば、もっとお互いの気持ちを確かめる機会はたくさんあったかもしれない。
だけれど短い期間の中で、それがお互いはっきりとしないまま、暗黙の了解で続いていたのです。

彼が遊びじゃないことくらい、話していて分かっていました。
だけど意地悪したかったのかな…
はっきりさせよう、付き合おう、って言ってほしかったのかな。

「付き合う」それだけの交わし合いがなかっただけで、言葉がなくても通じ合っているような関係でした。
住んでいる地域は遠くても、近くに感じさせてくれる人でした。
今考えたら、ほんの数えるほどしか会っていない相手。
けれど本当に大切な時間で、私にとっては大切な人でした。

友達以上恋人未満には一言でいろんな想像をさせるけれど、私にとってそれだけの言葉だけでは表せない関係だったと思っています。

彼には幸せになっていて欲しいです。

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