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根暗理系のためのネットワーキング術

理系といえば、暗い、オタク、ぼっち。

イマドキの理系はそんなことない!自分は違う!と文句をいいながらも、一人で仕事にのめりこむ楽しさを知っていて、本当は立食のパーティーはちょっと苦手、という方、いませんか?私もそうです。

そこで今回は、2019年のNatureに掲載されたネットワーキングの”システム化された科学的アプローチ”をチェックしてみましょう。


<まずは準備>

なんと、ネットワーキングは家にいるときから始まっています。(家に帰るまでが遠足でしたよね!) 会議やイベントに行く前に、会場にいそうな人、キャリアを伸ばすために会いたい人やグループを探しておきます。 例えば将来協力してもらえそうな人、未来のボスや資金提供者、または今後、学会・会議の主催者になりそうな人。ほかにも 専門分野で最新の論文を書いた人、会議で印象に残る講演をした人、または大きな助成金や賞を受賞した人も候補に挙がるかもしれません。


<ネットワーキングイベントの3つのミッション>

会いたい人やグループを決めたら、次はネットワーキングの目標を立てます。あるいはミッションといった方がいいでしょうか。 イベントに参加するときは、次の3つのことを完了するまで、部屋を離れてはいけません!!(厳しいっ)

1.コアグループの全員に自己紹介をする。相手の役に立つかもしれない技術や知識をもっていないか? 相手のこれまでの共同研究者やメンター、チームメンバーと一緒に働いたことはないか?そう、目的は、相手に自分に会ったことを覚えてもらうことなんです。

2.相手に自分がどの専門分野・業界にいるかを確実に知ってもらう。自分の研究の専門知識は、腫瘍なのか?神経科学なのか?今後のキャリアはアカデミア、ヘルスケア、業界、政府、大手製薬会社、どこを考えていますか?

3.新しく広がったネットワークで、自分とどうつながってもらうか確認する。 名刺でも、お互いの連絡先でも、LinkedInでも、何かでつながっておきましょう。


<サバイバル戦略@会場>

不安なくネットワーキングイベントを乗り切るには、いくつかの戦略があります。

1.早く会場に入る。 会が始まる前に到着すると、騒々しく人でいっぱいになり、部屋の景色や音に圧倒される前にその場に慣れることができます。一人になって休憩したいときに、後退する場所を特定することもできます。

2.友人や同僚と一緒に行く。 会場の誰も知らないのはどんな人にとっても気持ちいいものではありません。友達と一緒なら、少なくとも1人は自分のネットワークを広げてくれる人がいることが保証されます。

3.イベントの途中でエネルギーチャージするす戦略を立てる。 ネットワーキングの時間制限を自分で決めてから、どこかに行って一人になってもOKです。休憩を取って棚の本を眺めたり、壁のアートをチェックしたりすることも一手ですね。ネットワーキングイベントでは顔を合わせるだけで、話を聞いてもらう必要がないこともあります。

4.会話の「きっかけ」と「締め」を準備する。 会話を始めるのは正直面倒くさいです。あらかじめいくつか最初に話すことを考えておきましょう。「きれいな会場ですね!/ここに来たことがありますか?/今のお仕事をしてどれくらいになりますか?/これまでのプログラムで面白かったものはありますか?」などなど、アイスブレイキングにちょうどいいのがあると便利です。それから、会話を終わらせるための文を用意し、優雅な幕引きを作ることも重要です。 「ちょっと電話をかけないと。」または「飲み物をもらいに行きます、何か飲まれますか?」ほかにも何か思いつきますか?今ぱっと出てこなければ、実際のパーティでもまごついてしまうかもしれません、用意周到に。


<イベント以外でできること>
学会やイベントだけが、ネットワークを作る場所ではありません。特に最近は大きな集まりがやりづらくなっているので、直接会って話す以外の戦略もより重要になってきます。

1.ソーシャルメディア  ネットワーキングをすべて直接行う必要はありません。オンラインでネットワークを構築し、自分の考えをしっかり固めたうえで返事をするのもOKです。アカデミアのメーリングリストに参加したり、ソーシャルメディアであなたの声をより大きくしたり。

2.オフィシャル以外のネットワーキング  フォーマルなネットワークイベントに疲れてしまうときは、別の方法を探してみましょう。アイデアを出したり、マネジメントやマーケティングが得意なら、強みを最大限に生かして、委員会に参加したり、職場の講演会でホストをしたりするのも効きますよ。自分の施設で講演会を担当するときは、イベントの前にその人とメールで直接連絡してみて、当日の嫌~な沈黙を回避しましょう。既にメールで連絡をとりあって慣れ親しんでいれば、イベントをもっと快適に進められます。それが難しければ、当日はおしゃべりの得意な人に一緒にゲストに話しかけてもらいましょう。

本当は皆、ネットワーキングで成功できるはず。実は少しの準備作業で誰もが少し苦手な軽減できます。きちんと準備し、時間制限を設定してしまえば、ストレスをぐっと減らすことができるんです。ソーシャルメディアやメールなど、ある程度自分でコントロールできる環境に戻ってコミュニケーションを続けてみましょう。


さて、試してみたいと思えるものはありましたか?学会の懇親会などのネットワーキングイベントで一人ぼっちになって恥ずかしい思いをしたらどうしよう、と怖くなったこと、皆さんも一度はあるのではないでしょうか?

会場で周りを見渡せば、実は自分と同じように話し相手を探している人がいるかもしれません。できるだけたくさんの人と軽く楽しく話したい人もいれば、興味が近く気の合う人を探して落ち着いてじっくり話すのが好きな人もいます。虎穴に入らずんば虎子を得ず、宝くじは買わないと当たりません。さぁ、勇気をもってまずは一歩踏み出してみましょう。



参考:https://www.nature.com/articles/d41586-019-01296-2

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