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2011年に書かれたエッセイを2021年に読む。

10年前に書かれたエッセイを、"今" 読むことの面白さったらハンパない。

手元にはたった今読み終わった2011年のエッセイ。

なんだろうこの優越感たるものは。

当時話題になったモノや人物など、ちょっぴり懐かしく感じる、それがまた心地よくって。この10年、色々あったけどなんだかんだ平和で生きていれていることに感謝する。

当時は21歳で、目の前の世界にゾッコンで遊ぶことしか考えていなかったけれど、その2011年の出来事を2021年にエッセイと共に振り返る。

私も大人になったな〜と思いながら、10年前のエッセイを "今 "噛みしめながら読む。

「やんちゃな時代」著 林真理子

ちなみにこのエッセイで振り返るアラウンド2011年は・・・・

・「iPad」の登場

・「海老蔵事件」

・「鳩山総理」

・「チリの落盤事故」

懐かしい!!!!

そういやテレビで話題になってたな〜と懐かしく思う単語ばかりでしょ!

もう触れてはいけないタブーのようになっているワードもありますが、ここで私が注目したのは「iPad」の存在。

本書の中では、iPadの登場により電子書籍が普及されて、本がこれから無くなっていくことを心配する著者の林さん。

iPadの登場から10年が経ちましたが、恐らく本が無くなることは今のところ無さそうです。

老舗の本屋が潰れてしまうケースは確かにありますが、例えばウォークマンやMD、レンタルビデオ屋のようにいきなり無くなったものに比べると、本屋が一気に街から無くなったということはありません。


逆に私の地元には、そんな人口も多くない小さな都市の駅前に、喫茶と本が読めるおしゃれな施設ができたり、今の時代でも本は立派に私たちの生活の中に存在しています。

10年前のエッセイを読みながら、消えるモノ・消えないモノの決定的な違いを考えてみたりもした。

めっちゃくっちゃ私の予想ですが、これからは本が消えるよりも、

iPadやタブレットで本を読む機会の方が減るのではないかと感じています。

美容院での雑誌は定番ですが、映画や大量の雑誌が読めるタブレットをポンっと置いているお店よりも、紙媒体の雑誌を数冊用意してくれるお店の方が、親切さとセンスの良さを感じるんです。

タブレットを置いた方がきっとコストも安く、美容師さんが雑誌をいちいち変える手間も無くなり、効率はうんと良くなります。

ちなみに私はiPadもKindleも持っています。

タブレットで本・雑誌を読む機会も多いです。最初は確かに便利だなと思いました。

海外で日本の本が読めたり、新刊の本がすぐに読めることはありがたいですし、ですが実際に手に取って本を読む感覚にはどうにもかなわない気がする。

電子書籍のレビューや評価は、今っぽい言い方をすると時間の無駄がなく、大事なポイントをインプットできる。

でもそのレビューや評価によって、自分の世界を狭めることがある。

全てのものがインターネットに繋がれる時代になればなるほど、手で触れる感触・匂い・味などに魅力や特別感を感じるようになるのではないでしょうか。

聞いた話によると、4Gから5Gの変化は、1~4Gの変化を抜くらしい。

2011年〜2021年の変化は可愛いもので、これからの10年は今までの10年よりも丸っきり違う感覚になるかもしれません。

日本人がアメリカから謎の新兵器iPadに心を踊らされた10年前。

新しいものにワクワクする感覚って本当に幸せだなって思う。

なんだか今はもう全てに満足しすぎて、これ以上新しいものが出てくることに恐怖さえ感じることがある。

なんとなーく、逆にワクワクさせてくれるものが、私の場合は今度は古いものに変わっていく気もしている。

本やレコードのように、古いアナログなものに触れることでホッとしたり心が安らいだりするんじゃないかって。

図書館で借りる年季の入った本に、誰かがこぼしたであろうコーヒーの染みがあって、汚いけれどそれもアジになって、そこにあるストーリーを勝手に想像してみる。

そんなこと電子書籍では絶対に起こらない。

ゴーカイな私生活や、歌舞伎などの芸術鑑賞の趣味、ときには時事問題に毒を吐いたり、時代を越えて受け継がれる本を世に送り出せる人はそう多くない。

最近はYouTubeでの発信も行なっており、「林真理子は普通のおばさんすぎる」というネットの声に私は喝を入れたい。

ずっと文章を書き続けること、いくつになっても新しいことに挑戦する姿勢

これがどんなにすごいことか分かっていない。

ご本人は稼いだお金を激しく浪費しているとよくエッセイに書いていますが、それもまたこんな時代に新鮮な風を吹かす。

10年前のエッセイを読んで、本が無くなることを心配していた大好きな作家に向けて、本はしっかりと10年後も存在し、あなたの書く文章に今でもしっかりと影響を受ける人がいると伝えたい。


2021年も林真理子に大好きが止まらない!


#読書の秋2021

#林真理子

#やんちゃな時代

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