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不倫裁判百選番外編 地域別不貞行為の特徴?

最近、番外編が多いとのそしりを免れません。

野島梨恵『私の愛すべき依頼者たち 10のエピソード』(LABO、2017年)186頁以下では、北海道の不貞事件の特徴を「冬に娯楽がない説」「ハードルが低い説」双方の検討をしたうえで、「北海道では不貞行為が多いのか、ばれるのも多いのか私的研究と題し、北海道の不貞行為はばれやすいのかについて考察を加えています。

人口密度、行動が車であることから所在がばれやすい、デート場所の限定などの要素をあげ、鋭い考察を展開しています。ふむふむなるほど、と思う反面、発覚しやすい不貞行為以外の不貞行為概念について、深く考えてしまいました。すなわち、

北海道の不貞行為→発覚しやすい不貞行為、この命題が真のとき、発覚しやすくない不貞行為→北海道の不貞行為ではない、ことになる(待遇の関係に立つ)。

果たして、発覚しやすくない不貞行為、はこの世に存在するのか?

それこそ、わたし個人の愛すべき依頼者たちは、東京を中心とする関東、大阪、神戸、岡山、福岡、札幌にいらっしゃいますが、あのてこのてを尽くして不貞行為を発覚させているし、発覚されてしまっている。この肌実感はいかんとも活舌しがたいが‥愛すべき依頼者たちの行動力に脱帽しています。

不貞行為が(当然のことながら)発覚し、弁護士からの受任通知と慰謝料の請求書が届いた途端に状況は一変する。つい先日まで「もう、奥様に知られても構わないの!」、「私のだんな様はあなただけ」というアツアツメールを一日に何回となく送りあっていた二人が「あなたが私を誘惑したのよ!」、「奥さんと離婚するっていったのに、いくじなし!」、「わたしの一生を返せ!」など、まさしく阿鼻叫喚の修羅場になる。野島梨恵『私の愛すべき依頼者たち 10のエピソード』192頁(LABO、2017年)

発覚しない不貞行為がこの世に存在するのかは、わからないが、証拠で立証されない不貞行為は無数にある。ここまでしか、私にはわからない。

所有と占有、どちらがよいのか。それも私にはわからない。言語化できないわだかまりを抱えつつ、私の愛すべき依頼者に連絡をとる、休日の夜。


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