男塾法律相談100選⑥
いま何をすべきか
子供の留学費用を要求されている
留学費用?養育費?
離婚をすると、お子さん2人分の養育費を負担することになります。これが調停などで成立していると『病気進学事故その他』に関する特別の出費は双方協議して決する、とされる条項が入ります。
ここでの問題は留学費が含まれるのか?ですが、こういったことはさておき、大学生になる息子さんお2人は妻側が育てていた状況で、急に長男が、アメリカの大学に留学したいと言い出した事実を聞かされています。多くは『話と違う』『自分は財布でしかない』『相談もなかった』『目的意識もなく留学を言い出している』などと相談されることがほとんどです。『とにかく自分を排除されていたのに』とも言います。
何をするべきではないか?
妻から突然200万円ほしいと要求され、200万円の内訳をきいてみるとホストファミリーへの謝礼やらドレス代、現地での食費など、到底養育費の範囲を超えているものをあれやこれやと請求しているように感じられるかもしれません。しかし、ここで、自分は排除されていたんだ、自分に何の相談もなかったんだ、子どもはなついていないんだ、と主張をしても、お子さんとの距離を遠ざけてしまう一方です。実際、調停中に、思春期の女の子のお子さんから『パパなんて大嫌い』と言い渡された手紙を受領したケースもあります。もちろん、海外の大学の学費や生活費も高額であることや、私は留学に合意などしていませんというきもちもわかります。しかし、少し立ち止まって、元奥さんに200万円を渡すのではなく、お子さんに投資する観点を持ってみるとよいかもしれません。
何をするべきか?
お子さんの真意の確認は必要だと思われます。たとえお金を渡す相手が奥さんだったとしても、本当に長男さんは留学にいくことについて乗り気なのか。単に奥さんがいかせたがっているだけなのか、それとも日本の大学ではできない勉強をしたいと欲しているのか。その見極めが重要なのではないでしょうか。子との関係は離婚をしても、継続しているのです。しかし、一度感情的に『俺に相談はなかった』『元妻はほかの男がいるくせに』などと感情的になってしまうと、それが元妻経由でも、直接でも、間接でも、お子さんに伝わってしまいます。そうすると、お子さんとの関係を取り戻すことができません。そうなる前に、立ち止まる勇気が必要なのではないでしょうか。
※留学費用を渡すなら、できれば大人になったお子さんの姿を見て、直接振り込んであげるなどをすれば、少しは心理的な圧迫から解放できるかもしれませんね。
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