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男塾法律相談100選①

妻と子がいなくなった?

結婚して6年、4歳と2歳の子供にも恵まれ、専業主婦の妻も家事、育児もしっかり任せて、私は仕事に没頭する毎日でした。
ある日、いつも通り自宅に帰ると、妻と子供たちの姿はなく、部屋の荷物もなくなっていました。置き手紙には、毎日に耐えられないので、離婚したい、家を出る、弁護士から連絡する、とだけありました。
ボーゼンとしています。私はいま、何をしたらよいのでしょうか。

ある日の相談から抜粋

どうするのが正解なのか?

 弁護士のもとには、毎日、こんな相談の電話やラインが来ます。実際の相談はもう少しリアリティがあって、前日まで家族4人でファミリーレストランに行っていた、前日まで自分の親を家に呼んで、食事をしていた。前日に子どもたちがお母さんに怒鳴られてかわいそうだったから守ってあげた。。など、経緯は千差万別です。結論からいうと、正解はありません。

それでも解決しなければならない

 弁護士に相談をする依頼者は、複数の弁護士に話をして、相談をして、事務所巡りをする方が少なくありません。ある事務所の先生から、鼻で笑われた、という方もいれば、あきらめなさいと言われたとおっしゃる方まで、千差万別です。しかし、私が離婚ロイヤーとして毎日仕事をしていると、一つの法則に気づきました。それは、離婚相談の局面において男性は弁護士探しに苦労することです。ここには、様々な原因・理由があるでしょう。
 ただ、相談者、依頼者の方はそれでも解決しなければならない問題を抱えているのに、軽くあしらわれるようでは糸口がつかめません。
 少しでも適切な情報提供をすることで希望をつかんでいただきたい。そんな気持ちを込めて『男塾』1つめの記事をお贈りいたします。

どう解決することがあり得るのか?

 ここで問題となるのは、解決に当たってご相談者様がどうしたいのか、どうしていきたいのか、ここに軸・標準を合わせる必要があることです。
 婚姻生活が6年にのぼり、お子さんが4歳と2歳であれば、これからが男の見せ所、甲斐性だと相談者様も決意を新たにしていたはずでしょう。一方、専業主婦であった奥様の家事、育児にしっかり任せ、仕事に没頭する毎日であったとのこと、とても幸せな家庭に見えます。
 しかし、ある日、妻と子供たちの姿はなく、部屋の荷物もなくなっていました。置き手紙には、毎日に耐えられないので、離婚したい、家を出る、弁護士から連絡する、とだけあった事実に向き合うことから回避できません。

まず絶対にやってはいけないこと

 やってしまう人が多いのですが、『いまどこにいったんだ』『男がいるんだろ』『前から浮気していたんだな』『怪しいと思ってたんだ』『早く帰ってこい』(一変して)『ごめんね』『さっきのは反省するから帰ってきて』…etc こういったラインを大量に送ること、これは絶対に控えてください。

やっておいたほうが良いこと

 今後、弁護士でも、そうでなくても必ず連絡が来ます。いわゆる連れ去り別居を完璧な形でできる人はほとんどいません。簡単な事務連絡、たとえば学校周りのこと、置き忘れた保険証のこと、家の近所のクリーニングのこと、、、最低限の家事にはしっかり協力してあげましょう。その際間違えても、大量のラインとメールは控えるようにしてください。
 そのうえで、日記をつけておけるようになるといいと思います。

法律的に解決するかどうか、法律的に解決するのであれば、①離婚を回避する方法②子の引き渡しを直ちに求める保全処分をする方法(監護者指定・子の引き渡し請求を一緒に申し立てる必要があります)③とにかく子に会う方法(面会交流)⑤意を決して離婚をして整理する方法⑥損害賠償請求をする方法、、、など法的解決の方法もありますが、法的解決にもデメリットはもちろんあるわけです。
 このご相談では、一番は子どもが帰ってくること、奥さんが帰ってきてくれることに主眼がありました。そうすると、弁護士が大きく関与するより、まずは奥さんに気持ちを伝える必要が生じてきます。正直に気持ちを伝え、修復の可能性を探る手紙をつくってもらいました。
 法律に拘泥しない解決はいくらでもあると思うのが、男塾を支える一つの支柱です。弁護士ではありますが、本気でそう思っているのです。


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