謹賀初投稿。さてどうして不貞行為は違法なのでしょうか。

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0 謹賀初投稿

  はじめまして。弁護士の齋藤 健博と申します。銀座でとある法律事務所を経営しています。その名は銀座さいとう法律事務所です。そう、画数がやたらと多い名前の割には、さいとう法律事務所を名乗っています。LINEで24時間相談を受けている稀有な・・弁護士であろうと自負しています。

1 不貞行為は違法?

 さて禁断の話を致しましょう。不貞行為は、犯罪なのか?(一応弁護士なので)この問いに対しては、現行法上、NOです。

 でも、何がどうして、それは”いけない”行為だよと(一応)皆さんは理解して生きてきたのでしょう。。。誰が教えてくれたのでしょうか?どこで学んだのでしょうか・・私の記憶では、、、なんとなくわかったようなわからないような、この先タブーでドキドキしたりしなかったりする話、それでもって不安と焦燥と添い寝するイメージの話でありました。弁護士をしていると、これは法律上適法か?などと聞かれるのですが、不貞行為は違法行為か?と聞かれたことは一度もありません。なぜか、違法行為であることを前提としている相談が目の前に広がります。一度広がると、後戻りはできない、やはり禁断の話だからなのでしょうか。。。疑問は深まるばかりです。

 気を取り直して。現行法上、不貞行為をすると、民法709条や710条を根拠とする不法行為責任が成立します。不法行為責任が成立すると、慰謝料請求(≒損害賠償請求)の対象となりえるのです。その根拠の性質は、民法上の分類では法定債権といって、自分の意思によらずに発生する金銭の支払い義務が生じる関係にあります。誰も、恋敵(!)にお金を払いたくないでしょう。だから、契約なんかとは違って、自分の意思によって発生した権利義務関係ではないのです(逆のケースでは、ごくまれに、慰謝料をもらったら恵まれない子たちに譲渡すると豪語する相談者の方がいますが、これが実現されているケースはゼロと言い切ります)。

 いい加減に話を戻して、365日毎日毎日毎日、不倫や離婚の相談を聴いていると、どうも、慰謝料請求をうけるのはもちろん嫌だ、でも、悪いとは思っている。褒められた行為と思っている加害者もいなければ、悪であることを理解をしていない方もまずいません。不思議なことに、(数ある法律分野の中でも)この分野ではあまり、ビジネスライクにとらえ、慰謝料をたくさんとりたい”だけ”ですとか、慰謝料をとにかく減額したい”だけ”の相談者はまずいません。

2 慰謝料”だけ”?

  被害者から加害者に対して責任追及する相談を念頭に置くと、慰謝料”だけ”しか、民法には、残念ながら書いてありません。しかし、この魅惑の世界の住人たちが、”だけ”で済むことはあるのでしょうか?答えは絶対と言ってよろしいですが、”NO”なのです。絶対にうちの旦那に近づくな、わたしの面前で土下座しろ、旦那がみついだブランド物の商品代を返せ、その分で私に新品を買え、いますぐ自宅から100キロ以上離れた場所に引っ越せ、会社辞めろ・・・。慰謝料”だけ”書いてある法律は、ある意味で冷静沈着ですが、弁護士も、(多少は)ヒートアップしていきます。なんとかこの依頼者を護りたい・・・!モトイ、さもないないと・・・明日は仕事がないかもしれません。。。なんとかして、接触禁止条項を設定したり、機密条項と言って、口外しない旨の合意をしたり、工夫を凝らして事件を解決していくのが私の仕事です。

3 疑問に答える

 私は今回、判例を100個分析する命題を設定しました。不倫はいけない行為であるのか。この問いに答えるため、裁判例をひたすらに分析する『不貞行為判例100選』を打ち立てます。研究の手法は、単なる分析ではなく、自分にしかできないこと、すなわち、朝から晩まで不貞行為の相談を受け続ける私が、自分自身に回答を与え、、、モトイ、魅惑の世界に足を踏み入れようとするあなたに有益な情報を!いや、正しい法律知識を知ってもらうため、このnoteを打ち立てたのです。ちなみに、学説には、いかなる不法行為責任も生じないとする立場もあるくらいなのです(商売が上がったり・・)。      

嵐の後の静けさの夜に 弁護士 齋 藤  健 博

     






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