アーサー王伝説のガウェイン卿について
私はガウェイン卿が好きです。
誰それ?という方に少し解説。
ブリテンの伝説の王として有名なアーサー王。
あの石に刺さった剣エクスカリバーを抜いた王様として有名です。
ついでに二番目に有名なのは円卓の騎士たち。
ランスロットがきっと一番有名。
その二番手として出てくるのがガウェイン卿。
アーサー王の甥です。
ちなみにアーサー王と大きな戦をして刃を交えたロト王が、ガウェインのパパ。
アーサー王の姉にして、アーサー王と近親相姦でモードレッドを産んだモルゴースが、ガウェインのママ。
波瀾万丈な両親を持っていますが、ガウェイン卿とアーサー王との仲は。
アーサー王伝説史上随一!!
(伝説に史上とつけるのはアレですが、なんとなくそんな感じだったので)
(ちなみに微妙に歴史ラインの可能性もある)
(異論は各自ご自由に語りたいだけ語ってくださいあなたのその語りが!アーサー王伝説の!活力となるのだから!!!)
かっこ書きが死ぬほど多いですが、適当に飛ばしてくださって結構です。
大事なのはアーサー王とガウェイン卿の間に愛があるということ!!!!!
実子のモードレッドには反逆されてます。
でも。
ガウェイン卿とアーサー王は仲良し!!!!!
尊い……
大丈夫ですか?ついてこれてます??
ちょっとペース落としましょうか。
理性理性。
私がガウェイン卿を明確に意識したのはそう。
『ガウェイン卿の結婚』
ちまたでは推しが誰かと結婚したらショックを受ける方々が少なからずいますが。
もう意識した途端、結婚してますからね!!
ショックも何も、最初から!結婚!してる!!
ちなみにガウェイン卿が、物凄い怪物みたいな女性と結婚するんです。
そんな女性と結婚する理由、ご存知です?
アーサー王の命を守るため!!!!!
ですよ。いや本当に。
アーサー王のためなら喜んで!ですよ。
ちょっといい子過ぎませんか。
泣きたくなりませんか。
そして、さらに、次の作品。
『サー・ガウェインと緑の騎士』
ご存知ですか?
ざっくりご説明します。
アーサー王宮廷にとつぜん乗り込んできた、緑の騎士。
全身緑の、異界の存在にしかみえない危険そうな騎士。
緑の騎士はいいます。
「わしの首を切れるものはあるか!?」
と。
加えて
「ただし、わしの首を切った者。そやつの首を来年わしが切る」
と。
え、何言ってるのこの人。
自分の首切られたら、ふつう死ぬよね。
死んだ人がどうやって来年首切りにくるの?
え、幽霊になるの?それとも魔法?
なんにしても関わらんとこ……
ふつうそう思います。
実際、アーサー王宮廷の人々ドン引きで、誰も応じませんでした。
話長くなってきましたのでスピーディーにいきましょう。
その緑の騎士の挑戦にアーサー王が応じてしまい、さらにアーサー王をかばって……そう。
我らがガウェイン卿が挑戦に応じます!!!
いや、そんな挑戦、死にませんか?
死にますよね?!
しかしそこで挑戦をするのがガウェイン卿。
まあガウェイン卿が挑まなかったら、アーサー王死にますからね。
それを防いだわけです。
自分は死ぬけどね。
どうです、ガウェイン卿、尊くないですか……
自己犠牲の話ではなく。
アーサー王への愛なのですよ。
なんなの天才なの。
愛の天才?
(そろそろ理性が崩壊してきましたね)
極めつけはアーサー王物語の最大手公式!!
(おそらくその表現が感覚的に正確)
サー・トマス・マロリー作『アーサー王の死』
ガウェイン卿は、親友であるランスロット卿に弟を殺されて、怒り狂います。
戦いの火蓋が切って落とされ、ガウェイン卿はランスロット卿と二度決闘します。
ちなみに元々はアーサー王とランスロット卿の戦いでした。
しかし、ランスロット卿はアーサー王と、とっっっっても仲直りしたそうだったので。
アーサー王は「もうランスロット許してあげよう……」としていました。
だがしかし、ガウェイン卿が許さなかった。
絶対に自分とランスロット卿で決着をつける。
どちらかが死ぬ以外の終わりはない。
結局、
あれだけ、あれだけ、命かけてまで。
大切にしてきたアーサー王を!!
引きずり回す勢いで!
ランスロットと戦う!!!
熱い。
かつ悲壮。
しかし、途中でモードレッドの叛乱が起きたので、決闘はお預け。
ガウェイン卿はモードレッド側の軍勢との戦いで、傷を負って、それが元で、死にます。
しかし、死ぬ前に、根性で、ランスロット卿に手紙を書きます。
自分が悪かったから、アーサー王を助けてほしい、と。
最期にそれ……!!!!!
最期にアーサー王への忠誠に戻ってきたよ!!
ガウェイン卿、尊みが烈しい……!!!!!
冬だと心臓止まりそうなので、夏にやってもらっていいですか。
5月の話ですけどね。
私が書いてるの12月なので。
ちなみにアーサー王との関係の話ばかり書きましたが、ランスロットとの関係もとてもエモいです。
私、ガウェイン卿とランスロット卿との関係にちょっとおかしくなった結果、
アーサー王学会に、二人の決闘話を持っていって、吟遊詩人活動、すなわち公演してきましたからね。
ちょっと狂いすぎなのでは。
とはいう、これ以上語ると、
そろそろ心臓が心配なので……
気は狂ってるが命は惜しい
なぜならもっと狂っていたいから
(ああ、トリスタンよ!)
というわけで、本日のところはお開きとさせていただきます。
最後までお聴きいただきありがとうございました。
興味を持ってくださった方は、
『サー・ガウェインと緑の騎士』
をお手にとってみてください。
ロード・オブ・ザ・リングのトールキン先生絶賛!中世ヨーロッパの傑作!!!!!
最初からガウェイン卿好きで読んだよという方は、
あなたも是非布教を!!
いや、ガウェインの尊みに気づく人が増えたら。人気でたら。市場が潤ったら、、、
中世ヨーロッパの文学で、未邦訳のガウェインものが訳されるかもしれないじゃないですか!!
あと、尊みに気づいた人自身が研究者になってくれるかもしれないじゃないですか!!
大事です。とても大事。
今とても翻訳してほしいのは中世フランスの流布本サイクルの『ランスロ本伝』です。
ランスロットでは?!と突っ込まれそうですが、ガウェインの出番もとっても多いんですよ。
英訳は出てるんですが、わたくし、まだまだ英語勉強中なので……!!
日本語訳あった方が!嬉しいな!!
というわけで。
わたくしのガウェイン卿への狂気のお話でございました。
ご静聴、ありがとうございました。
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