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現代日本人の異世界は日本っぽい
小さい頃、海外文学の翻訳ばかり好んで読んでいた。
わたしが好きなものはファンタジーである。異世界を扱ったものが好きだ。
日本人の書いたものにももちろん異世界を扱うファンタジーはある。
しかし、日本人の彼彼女たちの書く異世界ものはどうも日本らしくて読む気が失せるのだ。
どうも触感がベットリしているのである。
当時はわけもわからず嫌っていた。
大人になり、そのベットリした嫌な触感の正体がわかってきた。
わたしに合わない日本の価値観もろもろである。
(もちろん「悪い」というのは私の私見だし、他人から見れば長所になりうるものだったり、心地良かったりするものであることくらい先刻承知で言う)
個性を重んじない。
不文律の押し付けがどぎつい。
話し合いで言葉を尽くそうという努力に著しく欠ける。
女性蔑視がえげつない。
輪を乱したやつは処刑感強い。
ここが息苦しくてファンタジー読んでるのに、なんでファンタジー読んでるときまで息苦しい思いをせねばならんのだ。
例えばトールキンやエンデを読んでいてそういうものは感じない。
欧米に問題がないわけではないが、少なくとも日本と価値観が根本的に違うのは確かだ。
ちがう世界が見たくてファンタジー読んでるのだ。
今の世界での閉塞感があるから読んでいるのだ。
もしかしたら打開策があたらしい世界にあるのかもしれない!
という希望をあわく抱いて。
同じものをずっと摂取し続けていれば、人間は飽きる。
それが好きなものであっても飽きるのに、合わないものであれば何をか言わんや。
……こうまで言ったが、大人になってみて、それなりに日本人の書くものも読めるようになった。
好みではないところはあるにしても「好みなところもある」からだ。
今もそういう観点で小説やアニメや映画などを見ている。
あとは中世や古代のものを読んでいて「バッチバチに私の知らない感覚で書かれたもの」(国どころか、時も超えている)がいかに読みづらいのかを痛感したのもある。
中世ヨーロッパのものを読んでいると「一体なんでこの人物はこんなムーブを?!」というのがちょいちょいあるし、わけがわからなかったりする。
そこを解明させるのは大いなる喜びではあるが、同時にめちゃくちゃ負担で疲れるものでもあるのだ。
大人が、道を踏み外す若い者に顔をしかめる気持ちが、大人になるとちょっとわかる。
その逸脱具合を受け止めるには、精神力の余裕と体力の余裕がいるのだ。特に体力。
大人は体力を仕事でバカスカ喰うため、仕事をしてない若者の無軌道な言動には付き合えないのだ。
体力の問題で。
付き合ったら体力枯渇で死ぬのだ。
話を戻してまとめといこう。
まとめ
①日本人の考える異世界は日本っぽくて「異世界み」が減殺されるので、海外の人の異世界がみたい。
②海外の昔の人の異世界ならなおのこといい。新しい発見がある。
③でも新しいものばっかりだと疲弊するので、たまには国産ものも食べよう。ホッとするよ。
お読みくださりありがとうございました。
吟遊詩人の妙遊でした。
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浮き沈みはげしき吟遊詩人稼業を続けるのは至難の業。今生きてるだけでもこれ奇跡のようなもの。どうか応援の投げ銭をくださいませ。ささ、どうぞ(帽子をさし出す)