銀足車道

いつか詩集を発表したいと思っていましたが、無料でもこのようにして創作したものを発表でき…

銀足車道

いつか詩集を発表したいと思っていましたが、無料でもこのようにして創作したものを発表できるなら、それで良いのではないかと思いはじめました。詩を投稿していきますのでよろしくお願いいたします。

最近の記事

ROCK POPS YOU

 夜に潰されて、干上がったミミズのような俺をからかう風は上昇して、空を駆ける四輪バギーは無人探査機とすれ違った。眩いLEDライトを浴びながらよたよたと、地球が俺を運んでいった。もう明け方になる。  俺の描いた設計図にいつも君はいた。心の隅っこから、隅っこへ駆けていく君の足音を聴いてきた。  千枚のA4用紙にグッドバイ。竜巻の渦の中で舞った。これをプラスチックケース(あるいはガラスケース)に閉じ込めて、君と眺めたらどんなに素敵だろう。って。  トースターの音が鳴って朝が目を覚ま

    • 星のキャンディ

      恋人よ 傘をさして 星のキャンディが降るよ 今すぐに そして深呼吸をしたら 味わってみて それは涙の結晶だって

      • サン

        サン サン と照るお日様のまぶしさ サン サン と歩く君の家へ続く道 露の蒸発しきった緑のナイフのような反射 途切れない 君への想いを背に 柔らかい風に撫でられて ああ うっとうしいわ もうってね リン リン と鳴るミケ猫の鈴 リン リン とした僕の心の先端に 触れる君のカーディガンの繊維 これが きっと恋のかたち 君と僕がそれを知って ほどける緊張の糸 そして芽生える気持ちにも サン サン と照るお日様のまぶしさ

        • カサンドラ・アサートンの詩

           ボンズ  昨夜、あなたはボンズの白いTシャツを着ていたね。無地の白、質素なボンズのTシャツを着ていた。私は恋が終わったと知った。断末魔の鐘が聴こえた。  エミリーディキンソン?と聞かれて私はうなずいた。  孤。ソリティア。独我論者。鐘は誰のために鳴るの?その日の午後、あなたが尋ねた。カンパノロジスト(明鐘師)?2つのカンパーニャ?鐘楼? 「あなたのための音」  R.I.P. 私の恋人。RIP、リップ・ヴァン・ウィンクル。私の心を引き裂いて。その白いTシャツに包んで床板の下

          ギターVS俺

          丑三つ時 寂しい三日月の雲間から覗く光 カーテンを閉じると TVタレントの爆笑 それをかき消す 君が弾くギターの和音 ぼおん ぼおん 僕の丑三つ時の密かなルーティーン チーズバーガーを咀嚼しコーラで流し込む そして 君のスカートから覗く太腿を見ながら 食欲と性欲の渦に巻き込まれた 和音の移行に合わせて口ずさむ君のメロディは TVタレントの爆笑にほとんど埋没していた それを そのメロディを つまんで 無感動の眼 こすりながら 絶対 「いいね」 と 言う つもり

          ギターVS俺

          ライトポエムについての考察

           出版業界における紙媒体の売り上げが減少している。一方で、電子書籍、電子コミックの売り上げが増大している。現状を鑑みるに小説はコミカライズ、アニメ化、ドラマ化、映画化といった複数メディアとの親和性が高いものが売れ行きを伸ばすと想像できる。  では、現代詩はこの低迷する業界の中、どのようにして生き残るべきか。このまま無策が続けば、詩集は詩が好きな人だけに流通する商業規模の非常に小さいジャンルとなる。また、そのような状況が続けば、新しい詩人は誕生、育成されず、規模はますます縮小し

          ライトポエムについての考察

          わっ 恋(わっしょい的な響きをもって)

          窓から注ぐ太陽の光を いっぱいに浴びた子 集まった光を纏って笑う 教室のカーテンはスカートのようで 風を受けて膨らむ あの子の笑い声が 僕に向けられたもので それが暖かな笑いと 知ったとき 宇宙の中の僕が 宇宙を丸ごと飲み込んだようで 破裂しそうになる あのね 一陣の風が言葉をさらって 僕は聞き返す なあに 僕とあの子を切り離すように 学校のチャイムが鳴った ほどけた糸 あの子の目配せ そして アイスクリームみたいに アイスクリームみたいに 陽光に溶けていく僕の

          わっ 恋(わっしょい的な響きをもって)

          アディオス富士見

          富士見の分厚い手のひらに ぶん殴られて染まった頬 しびれた皮膚と悔し涙 氷の教室 富士見は今日も殴る 殴る 殴る それは たこ焼き屋の店主が 鉄板にうずくまるたこ焼きを ピックでひっくり返すのと同じ 殴ることは 富士見にとっての ルーティーンであり 生産 深く空気を吸い込む 俺は富士見にやられて 緊張症になって ああ めんどくさー この性質 苦しかった 重たい息を吐き出す 富士見にとらわれてると あかんなー ほ 一息 安らぎの 訪れ 空調の効いた部屋で アイスク

          アディオス富士見

          富士見

           すたたたた、すたたたた。ランニング。マイナスイオンとのたわむれ。本質、ダイエット。日に四食。朝昼夜の食事アンド夜中にうどん。これを三ヶ月。で、10キロの増量。これはいけねえ。ほんで今朝からダイエット。すたたたた。空気がおいしー!って、顔もほころぶわーって笑顔。あっ、おはようございまーすって挨拶した瞬間、一気に曇ったマイハート!貴様は富士見先生では?中学の頃に僕をさんざん殴ったあの先公殿ではないか。富士見は僕をチラ見して、どたどたどた、どたどたどた。小走り。まてまて。あなた様

          はっぴぃ

           まあまあ。暴力はいかん。暴力は。握れば拳、開けば手のひら。か?ばちんってビンタされた僕は。おい。やめーや。もう一度言う。握れば拳、開けば手のひらって言ったた直後、顔面を掴まれて押し倒されたその先は池であった。古池。しんとした古池。ばっかやろう。猛然と立ち上がった僕を、二人は顔を見合わせて笑った。「かえる」と声を揃えて言うので、二人の目線の先、僕の頭に手をやるとなるほど、蛙がのっかていた。古池やー、かわづ飛び込むぅー、水の音つって僕は笑ったが、二人はクスリともしなかった。そこ

          遠雷

          どおん どおん とどろく遠雷に 悲しそうな顔をする娘 皿に沈んだ豆腐に醤油 垂らしての一言に 稲光 ライトアップされた僕の言葉 「心配無用や」 それを切り裂く雷の音 ずおん! 亀裂の入った桜の木 それを見て泣き出す娘 「去れよ 雷」 どおん どおん ザアザアと勢いよく 降り出す雨に 土砂崩れが心配で 祈るだけ祈る 君は元気かい 君の手紙を今読んでいるところだ 昇進したそうではないか いいなあ いいもん食ってるか? あっ 豆腐のかけら 箸から零れた 明日は娘の誕生日 アマゾンか

          路上

           朝日に照らされて光る石垣に生えた苔、雨上がりの道を歩きながら僕は思った。このまま、この場に仰向けになって空に向かって叫びたい。「おいらは人生の敗残者!!」そんくらいみじめな気持ちだったから、歩道の先で泣いている少女も無視して通り過ぎようとしたけれどもやはりできなかった。「どうしましたお嬢さん?」と無理矢理作った笑みも「・・・」無言の少女の「お母さんは?」「死んじゃった」という問答に粉砕されてしまった。可哀相な子どもだった。他に身寄りはあるのか。お父さんは健在か。いなかった場