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カサンドラ・アサートンの詩

 ボンズ

 昨夜、あなたはボンズの白いTシャツを着ていたね。無地の白、質素なボンズのTシャツを着ていた。私は恋が終わったと知った。断末魔の鐘が聴こえた。
 エミリーディキンソン?と聞かれて私はうなずいた。
 孤。ソリティア。独我論者。鐘は誰のために鳴るの?その日の午後、あなたが尋ねた。カンパノロジスト(明鐘師)?2つのカンパーニャ?鐘楼?
「あなたのための音」
 R.I.P. 私の恋人。RIP、リップ・ヴァン・ウィンクル。私の心を引き裂いて。その白いTシャツに包んで床板の下に埋めるわ。ああ、まだ鼓動している。私の小さなドラマーの男の子。
 あなたは私を倒すことはできるが、私はあなたの悪魔のような女王にはならない、私の料理人。あなたのTシャツについた私の血は、スカーレットの文字になるの。汚れるわ、忌々しい汚点。
 昨夜、あなたは白いTシャツを着て寝ていた。私はあなたの背中にくっつきたかっただけ。私が頼んだことは、朝、あなたから身を剥がし、あなたの勃起したコンパスの針を取り付けることだけだった。でも、今、私たちは終わった。
 そして、あなたは私の皮をむく。ぶどうのように。 私は私の皮膚から滑り落ちる。スキナーみたいに、生きたまま私の皮を剥ぐ。
 私たちは結ばれていると思った。中心で再会し芯を見つけるまで、ぐるぐる回る運命にあったんだ。しかし、ナボコフの林檎のように、繰り返し私を誘惑することしかできない。私があなたのディストピアの前触れにすぎないとき、ここに別れはあり得ない。だから今、私たちの生活は綿。綿は呼吸するが、それはまた、私たちの関係の石棺でもあるのよ。防腐処理された記憶。でもね、私はあなたを掘り起こすことを約束する。ヒースクリフのように。またはロセッティのように。
 あなたの縛りを解き、私の腕に抱きしめると約束する。肌と肌。私の汗が接着剤になって、あのTシャツを剥ぎ取り、最後にもう一度結びつけてみせる。

cassandra atherton HP poem 'Bonds'

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