ぬりえ
とっても とっても おおきな
ぬりえがありました
はしからはしまで
みわたせないほど
おおきな
ぬりえ が ありました
紅いくれよん を もった
おさげがみの おんなのこが
独りで ぬりえを ぬっていました
ごしごしと ぬっていました
ひかりが少しだけ さしこみ
かげが こほん と せきをして
それ以外は 静寂のなかで
三日月が
わらいました
紅いくれよん を もった
おさげがみの おんなのこ は
わらっていませんでした
小学校2年生の
おさげがみの おんなのこ は
わらっていませんでした
「もう がっこうへくるな」
「ブス」
くれよんで書かれた張り紙が
せなかについていました
とっても とっても おおきな
ぬりえがありました
あの おんなのこ は
どこへいったのでしょう
きのう 4さいのこが あそびにきました
「ここには こわいおかあさん や おとうさんや こどもや せんせいは いないよ」
4さいのこは
わらって いました
ぬりえのなかで
たのしそうに
わらって
とっても とっても おおきな
ぬりえがありました
はしからはしまで
みわたせないほど
かかえきれないほど
2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します