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アルジャマリといいます
墓を掘るのが仕事です
はい あんまり
いい仕事じゃないんですが
でも 誰か やらないといけないんで
わたし こどもが5人いたんですが
生まれてすぐ2人が 栄養失調で死にました
3人は上手く育ってくれて
長女はこどもを守る仕事に就きたいと
助産師になりました
次女はやっぱりこどもが好きで
保育士になりました
三女はまだ学生です

ガザの戦争が始まって
まさか病院が爆撃されるとは
誰も思っていませんでした
長女は病院で生まれた子を
20人も見ていたのに
電気が止まり
保育器は使えなくなりました
未熟児はもうどうすることも出来ず
これから生まれてくる子は
真っ暗な病室で
気が狂いそうな爆撃の下で
生むのです
こどもを

あたしは
墓を掘るのが仕事です
まさかこんなに毎日
小さなこどもの遺体が運ばれてくるなんて
毎日数十体も運ばれて来ます
もう埋葬の土地がありません
住宅の周辺に集団埋葬用の穴を掘ります
墓石もありません

小さな遺体を白い布にくるみ
袋に入れ
埋葬するのです
「わたしのこどもの遺体が届いていないか」
親たちがやって来ます
泣きながら
探しに来ます

ナシル病院に長女はいました
「小さな赤ん坊たちは保育器の中で懸命に生きようとしていた」
長女は避難しました
「胸が張り裂けそうになって」
それでもそうするしかなかった

イスラムの教えでは
亡くなったご遺体は
布に包む前に
洗うのです
丁寧に でも

頭がつぶされていたり
それはそれは ひどくて
遺体でさえ
人としての尊敬が奪われているのです

わたしはアルジャマリ
墓を掘るのが仕事です
ガザでは4710人のこどもが
無差別に 殺されました 
身元も特定出来ず
ご遺体の損傷がひどく
遺族にも会わせることなく
埋葬場所さえ集団埋葬で
誰にもわからなくなって
しまいました 

わたしは苦しくて
眠ることが出来なくています

2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します