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詩)岩漿帯《まぐま》でぬたうつ

奇妙奇天烈きみょうきてれつ喉仏のどぼとけ化物ばけものごとき
極太きょくだい行燈あんどん頭上おかしらからぶら提げ探照灯さあちらいと燦燦さんさん

地球誕生このほしのうまれ以前の如きいぜんのごとき 地獄じごくの底 劣情の焔れつじょうのほのお岩漿帯まぐまとなって ぬたうつ そのなかを

のたりのたりと
我が物顔わがものがおで泳ぐ
邂逅わくらばしたる亡者もうじゃども その遺骸なきがら蓄積ちくせき想起そうきする

およそ人は
奴隷船どれいせん底部そこ鉄亜鈴てつあれい足枷あしかせにしながら  短く  在るものだ

のたりのたりと
黄金色こがねいろ背鰭せびれ翻しひるがえし
大きなおならをぽわんと放つ


そんな悠然ゆうぜんたる
最期おわり迎えてみたいむかえてみたい




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