野球部の女子マネが
二人で大きな水筒を担いで歩いて行く
二人でなにか話しているのを
みている
電車に乗った
クーラーがガンガン効きすぎて寒い
弟が座っていた
死んだ弟だ
二人で並んで座っていた
電車は動き出す
電車はいつもよりスピードをあげる
二人は黙っている
向かいの窓に二人の顔が写っている
窓をみつめている二人
彼は私をみない
私は横を向けない
電車は急にスピードを落として止まる
私は立ちあがった
何か言おうとした時
彼は私を追い抜いて1人で出ていった
そういえば あまり話しない兄弟だったな
いまさらだけど
風が吹きこんだ 気がつかなかったんだ
あっという間 お別れも言えず
2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します