マガジンのカバー画像

詩 大切なものたち 記憶の中で

178
形象化と現実は、少しズレていて、本当の出来事より印象に残ったりします。
運営しているクリエイター

2024年7月の記事一覧

詩)優れた詩を思う朝

詩)優れた詩を思う朝

今日の朝
母が少し不機嫌な顔で起きて来て
朝起きる時 ベッドから落ちたとか言う
えらいこっちゃ 大丈夫だったかとか聞くと
大丈夫 大丈夫という
でも ベッドと降りるところの隙間が狭くて降り辛いようなことを言うので それならと
ベッドと壁の隙間を一生懸命広げる
ベッドがけっこう重い 右を先にずらして次に左をずらし 曲がったベッドを直して とにかく広げてみる
女房からは ベッドの下 ゴミがあるから動か

もっとみる
詩)途中の旅

詩)途中の旅

87歳の母とのふたりくらし
まあこんなものかなとは思っていたが
まあこんなものだった
一日はそんなにすうっとは流れてくれず
こまごまとスケジュール表のようにやることがあったりするが
なんだか眠くなったりして
すっと流れてしまったりすることもあり
一緒に見ていた大リーグ中継が大谷が三振するからといって
「いっちょんおもしろーない」と言い 
いつのまのかワイドショーに切り替えられていたり 
そうかと思

もっとみる
詩)不肖の息子

詩)不肖の息子

母が朝から他所行きに着替えて
どこかへ行こうとしているので
どこへいくの?と聞くと
薬が切れたので今から内科へ行くと言う
予約は?と聞くと
してないと言う
いきなりいくとすごくまたされるよと言うと
大丈夫 まえもそうだったからと言う
スマホで調べると
ネット予約となっていて
土曜日の枠は全部埋まっている
きっと混むから来週にしたら?と言うと
もう薬がないから今日行くと言う
どうして今日になって

もっとみる
詩)りせっと

詩)りせっと

87歳の母と毎日一緒に暮らし始めた
朝 僕はご飯で母はパン
洗濯物を干す
朝ドラが終わると洗い物
「電気つけっぱなし」と母
台所の電気がもったいないから消せとの指示
わかったわかったといったりいわなかったり
9時15分 大谷の出る大リーグの中継
母のスポーツ評論が始まる
大谷がホームランを打つと「大谷はすごい」いうのに
「ここでいつも三振するんだよ」とか手厳しい
11時ころに母も一緒に買い物に行く

もっとみる