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7インチ盤専門店雑記557「トニー・バンクス」
えー、トニー・バンクスについて書きます。ご興味ない方は飛ばしてください。大好きなジェネシスのキーボーダーですが、この人が好きというと、大抵のプログレ好きでも表情が曇ります。フツーにジェネシスが好きと言っておけばいいのでしょうが、どうも大衆化したプログレの音が好きという部分とも違いまして、この人の妙にクセのあるフレーズが含まれた美メロが好きだったりします。店ではあまり話題にはしません。嫌がられるのがオチです。(人生は川のようなものさんは嫌がらずにいてくれそうですが…)
トニー・バンクスの1979年のアルバム「A Curious Feeling」からカットされたシングル「For A While」が手元にあります。個人的にはジェネシス絶頂期と考える70年代後半にリリースされたファースト・ソロです。何故「For A While」がシングルなんでしょうね。…何でB面4曲目に入れるような曲をシングルにしますかね。まあ、その辺、まったく理解に苦しむようなこともしてくれる人なんですけどね…。
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正直言ってB面曲にされている「From The Undertow」の方が遥かに好きな曲です。こっちはA面1曲目なんですけどね。こっちがA面でしょう…。そもそもfrom the undertowって逆流ですか…。そして3人が残った時期の自分のことですかね?…ああ、この曲は大好きなんです。このシングル、いい音で鳴るんです。もの凄い音の広がりで、針をおろすと2回3回と聴いてしまいます。
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アルバムとしては1983年のセカンド「The Fugitive」の方が好きです。何はともあれ、美メロと好きなリフ、フレーズの宝庫といったアルバムです。ヴォーカルのひしゃげた音が快感です。世の中の評価はそれほど高くないのかも知れませんが、私的には大名盤です。実に聴き易いメロディを散りばめておきながら、佇まいはプログレです。これができるのは、彼か、メカニクスを率いたマイク・ラザフォードか、「In The Air Tonight」期のフィル・コリンズくらいでしょう…って、みんなジェネシスやん。
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こちらはA面1曲目「This Is Love」がシングルですね。…そうあるべきでしょう。…実はですね、ESOTERICから出たアナログ盤 ↑ ですが、音質はまあまあなんです。満足できないかというとそうでもないのですが、100点の音ではありません。拘る人でしょうから、ダメダメは出してこないと思いますが、高額盤のわりにはまあまあな音質です。
ところがこのアルバムは83年リリースですから、時期的に12インチ・シングルが存在するんですよ。嬉しいではありませんか。そして、これがいい音で鳴るんです。こうでなくっちゃ…という音質です。しかもExtended Versionです。…家宝です。1万円でも売りません。…売るか。
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B面は「Charm」です。こちらも当然ながら鳴ります。…まあいい音で鳴らしたい曲かという問題はありますが、こちらもExtended Versionです。やるべきことはやっているというか、こういうのを時々出してくれるから、トニー・バンクスは好きなんです。
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…ついでに書いておきますけど、サントラも含め、ちゃんと全部フォローしているんです。「The Wicked Lady」とか、以前お客さんに見せたら、「腰抜かすからやめてくれ」という、面白い驚き方をされまして、どれだけレアかはご存知のようでした。有名バンドのキーボーダーのわりに、ソロは入手困難なんですよねぇ…。フィル・コリンズも、マイク・ラザフォードも、それからジェネシス本体も、レコ屋の皆さんはお分かりでしょうが、凄い玉数なんですけどね。何でトニーさんは出回ってないんでしょうね…。
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えー、ちなみに忘れていたわけではないのですが、…忘れていたんですけど、ヘッダー写真はサード・ソロと位置付けられるバンクステイトメントというバンド名義でリリースした唯一作です。これが1989年リリースですから、アナログ盤は超絶レアでして、私もリアルタイムではCDで購入してしまいまして、その後随分苦労して入手しました。…300円とかいったお値段でしたけど。ただし、期待したほどの音質ではありませんでした。トニー・バンクスだし、1989年だし、メチャクチャいい音で鳴るかも、なんて期待はしますよね。…まあフツー以上では鳴りますけどね。溝が細いのかなぁ…。
ただねぇ、…ポップ過ぎるんですよ。美メロが書けるのは分かる。分かるんだけど、あなたはジェネシスの中心メンバーでソングライターのトニーさんなんだ。何故プログレ臭ゼロのアルバムを作るかなぁ…。お付き合い程度でいいから、マーキング程度でいいから、プログレ臭を嗅がせてくれ、と言いたくなるんですよ、コレが。
…いい曲はいいんですけどね。↑ MVの気持ち悪さはプログレしているかもしれません。
※補足=蛇足
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