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7インチ盤専門店雑記099「選曲、選曲、選曲」

我ながら「ようやるわ!」と思いますが、文字通り選曲、選曲の日々です。ご来店いただいたお客様の好みや求めているものから、適切な曲をかけるのは、なかなかの醍醐味です。もちろんその他に、ラジオ番組の企画は常に頭の中で練っているようなもので、「このテーマなら何をかけるか」ということを繰り返しているわけです。

そして、来週は砂町文化センターの「レコードの魅力」講座の今年度第1回でして、ここでも選曲しなければいけません。こちらは、話すべき内容を決めたら、それに合わせて最適の曲をかければいいわけですが、やはり簡単に決められるものではありません。例えばビートルズで1~2曲というだけでも、思い切り悩ましいではないですか。

1回90分の講座を4回やるわけですが、おそらく全部で50曲程度はかけられるでしょう。昨年はもっといっぱいかけたわけですが、今年はもう少し喋ることを求められているようで、講座の内容に関しても、細かく指定されております。…それなら選曲はラクでしょと思いたいところですが、どうも拘ってしまいます。

第1回はレコードの基礎知識ということで、「レコードの回転数や大きさの違いなど」についても語らなければいけません。初級、中級対象と考えてよろしいのかと思います。…でもどうせ、ガッツリ聴いている好き者も何人かはいらっしゃるんでしょう。もちろん全員が満足できる内容なんてあり得ないことは百も承知しております。初級と言ってもね…。

ちなみに講座案内の文言は「キャロル・キングやドナルド・フェイゲンなど、洋楽ロックを中心に講師が選んだレコードを流しながら、アーティストや曲目の紹介はもちろんのこと、ジャケットや国内盤の帯、日本語に訳された面白いタイトルなど、レコードの魅力を探ります。また、洋楽に限らず、珍しいレコードも紹介します。」とあります。…結構欲張りです。そもそも、初心者はドナルド・フェイゲンなんて知りませんよね…。まあ、そんなわけで、「タペストリー」から「イッツ・トゥ・レイト」あたり1曲と、「I.G.Y.」は当確というか、マストのようです。

昨年はレコードの歴史、洋楽史的な内容でやったのですが、概ね好評だったものの、あまり満足できなかった旨のアンケート回答もありましたから、同じというわけにはいかないのでしょう。とにかく、昨年は機材も持ち込みだったので、あまりの重労働に「もうやりたくない」とお断りしていたのですが、今年も依頼がきてしまったわけですね…。

まあ、第1回は基礎知識がてら、7インチ、10インチ、12インチあたりで聴き比べでもしますかね。音の違いがわかるほどの音源がありますやら…。そこから続いて、レファレンス盤をご紹介する予定。つまり、ここで、もうドナルド・フェイゲンにはご登場願うかと考えております。その他にもノラ・ジョーンズ、パット・メセニーもかけちゃおうかな…。ラジオと違って、フルレングスかけることにも拘らなくていいわけですからね。レファレンス盤のどの部分でオーディオ機器の評価やチューニングをするかといった解説も面白そうではないですか。

あとは、定番の曲をご紹介するだけ…じゃつまらんですから、やはり時代色が濃いもの、時代背景とどうリンクしているかなどを語れる曲を選ぶべきなんでしょう。ただ並べるだけではつまらないので、何かしらの分類は必要でしょうし、聴きたいレコードをかけられるようにストーリーを構成しないといけませんよね。…やっぱり面倒だな、コレ。

実際にSP盤からヴァイナル・レコードに切り替わった時期の音源は工夫してご紹介する必要がありますよね。SP盤や7インチでは時間的に収まらない長尺曲も例としては何かかけたいものです。さあ、どうしましょ。「レコードの基礎知識を30分語って、残る330分は好きな曲かけていいよ」だったらいいんですけどね。2回目以降も少し語るネタを残しつつ、構成を検討しないといけませんやね…。あ~ら、タイヘン…。

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