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7インチ盤専門店雑記384「洋楽扱いの邦楽」

11月は月初からレコードの売り上げが好調で、3日で8月の一月分に届いてしまいました。ウェブ通販であれ、実店舗であれ、動く時は動くようで、データのアップロードや品出しに追われています。ただ残念なことに、LPの外袋がまさかの品切れで、売りボックス投入を決めてクリーニングも済んだ盤がいっぱい待機している状態です。

LPの売りボックスは、7インチ盤以上に盤質に拘っておりまして、普通に聴く分には全く問題なし、ポツもあまり入らないようなクオリティの盤に限定して投入しております。何故なら、ウチの場合、ヴェテランの音楽好きさんが中心ですが、カフェであることも関係してか、アナログを始めてみたいという若いお客さんも多いんです。ヴェテランさんは「この盤ならこの程度のポツは許せる」とか、「50年経っているんだから、ある程度のノイズは当然」といった感覚を共有できるのですが、若い方はそういった部分の免疫力がないので、あまり盤質のよろしくないレコードを買って、ノイズの多さにメゲてしまいがちなんです。だから、若い方には普通以上に丁寧に盤の状態も説明しますし、「古い盤ですから、それなりにサーフェス・ノイズはありますよ」ということをお伝えします。

その一方で、邦楽のLPはオール500円ですから、ある程度の盤質のものばかりです。サザンオールスターズはそれでも結構状態のいいものが常に置いてありますが、その他のJ-POP的なものはそこそこです。これはせっかくきたから何かしら買っていこうかなというお客さん向けという意味合いもありますし、アナログ初心者でもこういったものなら、お気軽に挑戦できるかといった考えでやっております。それなりに選んだタイトルしかありませんから、オール500円はかなりお安いかと思います。

ヘッダー写真のシーナ&ザ・ロケッツの「レモンティー」の12インチ・シングルですが、これは邦楽の箱ではなく、洋楽の箱に入れる予定です。流石にこれを500円でというのはあり得ません。どうもシーナ&ザ・ロケッツやBOOWYあたりは、自分の中では洋楽と同等に扱われております。世の趨勢としては、山下達郎、竹内まりや、YMO、大瀧詠一、松原みきといったあたりが高額で取引されているようですが、特に海外のお客様は「あれば全部売ってくれ」状態です。入荷もしませんから投入のしようもありませんけどね。投機目的かと思うほどです。

そういう意味ではウチ独自でプッシュしているようにすら言われるシーナ&ザ・ロケッツ、AB's、奥田民生、尾崎亜美、クリエーション、ダンガン・ブラザーズ・バンドといったアーティストは別格なんですよねぇ…。相場もさほど上がってませんし、純粋に個人的な好みの問題なのですが、洋楽扱いの邦楽ということになってしまいます。


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