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7インチ盤専門店雑記392「再発盤もしくはEP盤」

ダイアナ・ロスを擁するザ・シュープリームスですが、やはり60年代の音楽シーンを語る上では必須の存在です。個人的にはリアルタイムで聴いておりませんし、さほど思い入れがあるわけではありませんけどね。お店には少し置いてあります。…でも結構好きで、よく聴いてはいるんですけどね。

60年代のヒット・シングルは二極化が進んでおりまして、高いものは猛烈に高く、それ以外は300円程度といったところでしょうか。実際にもう50年以上、ヘタすると60年といった月日が流れておりますから、総じて状態のいいものは手に入らなくなっております。

80sはある程度状態がよくて当たり前、60sは状態が悪くて当たり前、…60sの状態がいいものはお宝です。ビートルズやローリング・ストーンズも状態のいいものは段々見かけなくなってしまいました。モータウン系も同様です。むしろ状態のいいモータウンの方がレアかもしれません。

まあキンクスのように人気があるわりに玉数が少ない連中の盤は当然のように5ケタに届いてしまいます。ブリティッシュ・インヴェンション恐るべし。

シュープリームスなどMOTOWN/Victorは有り難いことに、再発盤や4曲入りEP盤が結構な数リリースされております。オリジナル・リリースはもう手が出せないお値段になっている曲も、再発盤なら何とかというヤツです。

しかもヒット曲がカップリングされているので嬉しいです。まあ「ラブ・チャイルド」と「キープ・ミー・ハンギン・オン」のカップリングはオリジナルと比肩し得るお値段ですけどね。再発盤はオリジナル・リリースより遥かに状態のいいものが手に入るんです。50年以上も経てば、再発モノでも十分に価値は有るように感じますけどね。

「恋はあせらず You Can Hurry Love」はフィル・コリンズがカヴァーしてくれたおかげか、オリジナル・リリースはもう手が出ません。でもEPはまだ行けます。…カップリング曲は少々見劣りしますが、とても貴重ですからねぇ。

シュープリームスとかテンプテーションズとか、60年代の魅力的なヴォーカルものを聴いていると、もしブリティッシュ・インヴェイジョンといわれる英国ロックのブームがなければ、ソウル・ミュージックももっと違った展開を見せたのかな?などと考えてしまうんですけど、アメリカにおけるリスナーは別でしたかね?私のようにどちらも愛聴している人間には分かり難い部分ですが、ブリティッシュ・インヴェイジョンは単にマーケットを押し広げただけなんですかね?

70年代に入ってさらに巨大化していく音楽産業の中にあっても、モータウンをはじめとしたソウル・ミュージックも相当頑張ってておりましたからねぇ。あらためてアメリカのマーケットの大きさを感じております。

如何にアメリカで売れるかを画策したというジミー・ペイジとか、ミック・ジャガーとか、よく分かっていたんでしょうね…。


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