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7インチ盤専門店雑記457「ソニー・クラーク」

ソニー・クラークというピアニストはどう評価されているのでしょうか。ヘッダー写真の「クール・ストラッティン」は人気ありますよね。でもそれ以外はあまり話題にもなりませんよね。しかもハードバップ好きには超絶人気なブルーノートの1500番台の永久欠番、1592番の原因になった人なんですよね…。

その1592番の音源と言われるものが、いつぞやの再発シリーズのプレゼント企画でもらえたんですよね。何でかその盤が手元にありましてね…。まあわざとらしく、「NOT FOR SALE」と書かれております。

でもこの盤のレコード番号はBRP-8049なんですね…。こんなのチョット面倒でも1592番にすべきじゃないんですかね。遊び心が足りませんね…。

ちなみに内容は「クール・ストラッティン」セッションの残りがA面ということでCDのボナトラですよね。そしてB面が完全未発表音源ということなんです。何でお蔵入りしちゃったんでしょうね…。演奏クオリティ的には全く問題ありませんけどね。

両面に共通して参加しているのはポール・チェンバースのみ、一枚の作品として世に出すにはちょいと気になる点ですかね。1940年代的なオムニバス(語源のままの2アーティスト相乗りアルバム)のような古い印象を与えそうで嫌われましたかねぇ。演奏自体は文句なしですけどね。

加えて個人的に気になるのは、Side2のドラマーはピート・ラローカと書いてあるのに、解説の中で「フィリーの短いドラミングを経て〜」とか、ミスっているところですかね。…急ぎましたかねぇ。

「クール・ストラッティン」ってジャズ・アルバムの中でも相当上位にくる大好きな盤です。フリーだのエレクトリック・マイルスだのの疲れる盤も一通り聴いた後に、「ジャズはもういいか」と思ったこともあったのですが、そんなときにこの分かり易い「クール・ストラッティン」を聴いて、「好きなものだけ聴いてればいいじゃん」と思えたことで、全部捨てずに済んだんですよね。まあ気に障って捨てたCDもありますけどね。

そもそも、ロックやポップスのように、懐かしさも伴って愛着があるものと違って、ジャズは後づけですからねぇ…、好きなのだけ聴いていれば幸せなんですよね。ビル・エヴァンスとソニー・クラークに救われたようなものです。コロナ以降、ビル・エヴァンスも全然聴きません…。何でか、聴けなくなりましたねぇ。反対にチャーリー・パーカーは随分聴くようになりましたけどね。

現状、自分にとってのジャズは、余裕があるときだけ聴くもので、特別思い入れのある音楽ではありません。マイルスは別格に好きですし、ズート・シムズのようにディグして楽しんでいるアーティストもいますが、それ以外はレコードも売りに出しておりますし、一定の距離を置いたお付き合いといったところです。



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