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7インチ盤専門店雑記429「What About Now」

京都で手に入れた7インチ盤の1枚です。ザ・バンドのギタリスト、ロビー・ロバートソンの1991年リリースのセカンド・ソロ・アルバム「ストーリーヴィル」収録曲「ホワット・アバウト・ナウ」です。ビルボードのメインストリーム・チャートで15位まで行っておりますから、大ヒット曲と言っていいでしょう。

このアルバム、一説にはジャズ発祥の地とも言われるニュー・オリンズの売春街ストーリーヴィルをタイトルに持つわけで、ニュー・オリンズの有名ミュージシャンがこぞって参加して作られたということですが、…ミーターズとかネヴィル・ブラザーズあたりですね。そういったことも含めて、アナログで聴きたいものではあります。そして、当然ながら素晴らしい鳴りです。

まあ1991年にリリースされた曲ですから、そもそもアナログで聴けるというだけで嬉しいわけですが、もう一つ嬉しい事情があります。この盤のB面が「The Far Lonely Cry of Trains」という曲でして、これがアルバム未収録曲なんです。ただし、日本盤CDにはボーナス・トラックとして収録されております。そしてこの曲には坂本龍一教授が参加しているというわけでして、この辺からもマニアのコレクターズ・アイテムとして有名な盤となっております。

しっかり「Previously Unreleased」の文字が入っております

こういう盤は、もうなるべくしてなったコレクターズ・アイテムですが、時期的なものに加えて参加ミュージシャンという王道の理由からそうなっておりますから、ザ・バンド・マニアやロビー・ロバートソン好き、アメリカーナやニュー・オリンズあたりがお好きな方は探していらっしゃることでしょう。

7インチ盤専門店的には、ザ・バンドは鬼門です。全然手に入りません。お分かりでしょうが、知名度のわりに売れてませんからね。どう考えても、プレス枚数が多いとは思えません。どの曲もすべてレア盤です。そして中には人気曲というものがありまして、「ラグ・ママ・ラグ」「ザ・ウェイト」「アップ・オン・クリップル・クリーク」といったあたりですね。状態が良ければ1万円越えでしょう。

「アップ・オン・クリップル・クリーク」はB面が「ザ・ナイト・ゼイ・ドローヴ・オールド・ディキシー・ダウン」だからという理由だと思います。そして、彼らが65年頃にリリースしたアルバム未収録曲というのもありまして、まあ10万円とかいったお値段かと思います。オークションでも見たことありません。そんな状況であることを早くから知っておりましたから、探してみましたがお安く手に入るわけはなし、ご縁がありません。畢竟ザ・バンドとは疎遠になってしまいました。…アナログ盤LPはある程度買いましたけどね。

さあ、この京都で入手したロビー・ロバートソンの7インチ盤、どういったお値段になるでしょうか。今となっては、坂本龍一関連音源という付加価値まで上乗せになりますからね。しかもこの時期特有の深いエコーがいい感じに広がって、アナログ向きな曲ですからね。…コレ、お宝箱行きかなぁ。…どうしてもという方がいらっしゃればお譲りしますけどね。…嗚呼どうしようかな。

ちなみに、この2曲、ロビー・ロバートソンが音楽を担当した1994年のコメディ映画「ジミー・ハリウッド」にも使われているようですね。ジョー・ペシとクリスチャン・スレーター主演で大コケだったようですが、観ておりませんから何とも申し上げられません。ただ、こういうところに使うということは、御本人お気に入りの曲なんですかね?

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