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7インチ盤専門店雑記373「カンサス・シティ」

何かビートルズについて書こうかなと思い立ち、ビートルズの販売ボックスから一枚引き抜いてみたら、「カンサス・シティ」が出てきました。リーバー=ストーラーが作った古いロックンロールのカヴァー曲ですね。ポールが師匠と仰ぐリトル・リチャード・ヴァージョンを上手くビートルズ・スタイルにしたビートルズのロックンロールでは大好きな一曲です。オリジナルには「ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ」の部分は無くて、リトル・リチャードがカヴァーしたときに自作曲とくっつけたというヤツですね。

「次のイベントで一曲かけようかな」と考えておりまして、何でもよかったのですが、ビートルズの新曲も発売になると言いますしね。買っておこうかと思ってウェブで見てみたらもの凄い値段で、どうしようかなとなっているわけですが、まあビートルズの人気は衰えることは今世紀中も無いのでしょう。いまだによく売れますし、よく聴きますし、よく流します。お客様もビートルズには反応する方が多いですし、「さっきから音がいいと思っていたけど、ビートルズをかけてくれて違いがよーく分かった」とか言われたり、とても若いお客様がお小遣いを持ってビートルズのレコードを買いにきたり、まあ他のアーティストとは別物です。

「カンサス・シティ」はハンブルク時代からのレパートリーで、1964年にスタジオで録音したときも2テイクしか録らなかったというほどにこなれた演奏ですが、レコードになったのはテイク1だとか。スタジオ・ライヴ的な勢いのある演奏はロックンロールに最適です。そのことも凄いですが、思うにポール・マッカートニーのヴォーカルの上手さとか、ジョージ・ハリスンのギターの上手さとか、これ一曲で十分にわかりますね。…実際に凄い人たちだったんですねぇ。どうもリアルタイムで聴いてないので、思い入れがない分、評価が厳しくなりがちですが、いまだに十分聴けるということはやはり凄いです。

カンザス・シティ、実際は「ザ」と発音するわけですが、ミズーリ州とカンザス州にまたがった大経済圏を形成する大都市です。大部分はミズーリ州側というのが面白くて、妙に記憶しております。チャーリー・パーカーやカウント・ベイシーが生まれた町、ギャングがはびこり治安の悪いことでも有名な町、MLBはカンザス・シティ・ロイヤルズ。一枚のレコードからいろいろ語るのも面白いものですが、こういう曲は特にいくらでも広げて行けますね。キリがないのでやめときますが、嗚呼、新盤、どうしますかね…。悩ましいですね。7インチ盤で3,000円越えはないなぁ…。まあビートルズの新規性という側面、次のイベントでも語り易い曲ではありますね。

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