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7インチ盤専門店雑記515「The Adventure of a Space Cowboy」

産業ロックのイベント(1回目)が無事終了しまして、さて何か他のタイプの音楽が聴きたいなと考えたところで、先週あたりはスティーヴ・ミラー・バンドなんぞ聴きまくっておりましたから、どうも目新しいところに手が伸びません。スティーヴ・ミラー・バンドに関しては、まだまだ書きたいことがいっぱいありますが、ヴェトナム反戦運動の歴史などをもっと読み込んでからにしようかと思います。ま、それでも、どうでもいいような話題でもう一つ書いておきたいことがありました。

ヘッダー写真のLPはスティーヴ・ミラー・バンドの「The Adventure Of A Space Cowboy」というコンピレーション盤でして、「The Joker」と「Fly Like An Eagle」の間にリリースされたオランダ盤です。正直なところ「ヘンな選曲だな」と思うわけです。リカット・シングルも出た「アメリカ万才 Living in The U.S.A.」やら、ポール・マッカートニー参加曲「マイ・ダーク・アワー」やら、おそらく最新シングル「銭は紙くず Your Cash Ain't Nothin' But Trash」も入っておりませんからね。

「Kow Kow Calqulator」も「Kow Kow」に縮められております。オランダ人の趣味に配慮するとこうなるのかと思い、裏ジャケを眺めていたら、書いてありましたよ。これオランダのOORという音楽新聞で開催された人気投票の結果による選曲なんですね。まさにオランダ人の趣味だったんですね。

何だか日本のアイドルみたいですね。こういう企画はありがちかとは思いますが、ベスト盤を1枚作ってしまうのはなかなか凄い経費を割いてますね。人気があったということでしょうか。洋楽ではコロナ前にクイーンがやってましたっけ。

ホール&オーツの7インチ5枚組ボックスというものもありましたね。1985年の来日に合わせて企画されたものでしたが、あまりにも当たり前の結果で面白くないんですよね。移籍しているとできないかもしれませんから、貴重は貴重なんですけどね。「Sara Smile」とか「Rich Girl」とかいった古い曲が選ばれなかったのは、この際むしろ残念ですよね。

こういう企画ものでもなければベスト盤って嫌いではないんです。データシート片手にアナログレコードを必死に集めていた頃、オリジナル盤以外にライヴ盤とベスト盤を積極的に探しておりました。オリジナル盤だけでなく、ライヴとベストまで揃えてコンプリートと考えておりました。スタジオ・アルバムが5枚以上あるようなアーティストの場合、そうすると全容が見えるんです。メンバーのソロでいいのがあっても、明らかにベスト盤やライヴ盤を優先した記憶があります。

ビートルズのナンバーワン・ヒットを集めた「1」というベスト盤があります。レコード・ストア・デイで一度ここからの編集というスタイルで7インチ盤4枚組ボックスが発売されました。7インチ盤専門店としては一つ買っておくか程度の興味で購入し、お店のカウンターの目立つところに飾ってあります。

ビートルズのコアなファンに言わせれば邪道な選曲と言われるかもしれませんが、たった8曲ですからね。時代も偏らず、これはこれでアリかと思います。未開封ですから音質はチェックしておりませんが、LPの鳴りからして、相当高音質かと思われます。ビートルズ関連は、こういった些末なアイテムであれ、丁寧に作られているなと感ずるわけです。

話が思い切りそれましたが、スティーヴ・ミラー・バンドのオランダ盤ベスト、ヘンな選曲なんですけど音質が妙に良好で、以前は重宝しておりました。後々CDでベストを買うのと同じような目的意識です。今となっては全く出番の無いブツなんですけどね。ファンは持っておきたいレア・アイテムではないでしょうか。ファンでなければ「いらね〜」という盤を持っているのは、ファンの証ですからね。


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