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7インチ盤専門店雑記381「トニー・カレイ?…Tony Carey」

トニー・ケアリーとかトニー・カレイとか表記されるアメリカ人のキーボード奏者がおりまして、結構好きな人です。有名なところではリッチー・ブラックモアのレインボーに在籍していたこともあります。…そのことは後々知ったんですけどね。何はともあれ、プラネットPです。プラネットPプロジェクトの「ピンク・ワールド」という2枚組もありました。プラネットPはドイツ人のペーター・ハウケという人物が中心になっていると言いますが、ほとんどトニー・カレイの多重録音です。作曲もほとんど彼です。盤のクレジットでは、ペーターさんと共同プロデュースということになってますがね。

シングル「Why Me?」がヒットしました…
「Pink World」は2枚組のロック・オペラ的なものです
時代を反映してか、「Why Me?」のダンス・リミックス・ヴァージョンも存在します

どちらもTony Careyのソロと考えて問題ない盤です。1983年84年頃のプログレ界は随分ポップになっておりましたが、ジェネシスやピンク・フロイドのポップなアルバムと比べても、コンセプトは劇画チックなSFものという程度でユルいんですけど、音的にはよくできたアルバムですし、時代を反映してかかなりポップです。…この辺の盤、プログレじゃないという向きもありますが、プログレでいいんじゃないですかね?まあ、加えて申しますと、ポップで何が悪いと考える人間ですから、ポップ・プログレはウェルカムです。

そして、その後も活動は続けているようですが、プラネットPの頃から活動拠点をドイツ(西ドイツ)に移しておりますから、英米で活動しているアーティストと比べると格段に情報が少なくなってしまいます。実際のところプラネットP名義では6枚のアルバムがリリースされていることになっておりますが、流通しておりません。どうもゲフィン・レコードとゴタゴタしたようで、MCAに強制的に移籍させられたとか。ドイツの方が居心地がよかったんですかね…。

加えてその後ソロ名義になってからのこの人の曲、良く言えば個性的、悪く言えばみんな似ているんです。基本的に打ち込みなので、複雑なリズムは一切なし、そして、曲が違っても同じメロディが出てくるので、一つのメインテーマのアレンジで構成されているサントラ盤のような印象を持ってしまいます。既視感とでも申しましょうか、「ああ、この曲知っているな」と思っても別な曲だったということが何度もあります。そういう意味ではプラネットPの時期だけが別のようにも感じてしまいます。…やっぱりあれはペーター・ハウケの色なんですかね?何とも不思議な人です。

まあ、それでも、プラネットPの2作と「A Fine Fine Day」「Hallelujah I'm Alive」という2曲は凄く好きなんです。あまりマイナス・イメージのコメントは避けるべきかもとは思いますが、好きなものは好きでしてね。他に好きという方とお会いしたことがありませんし、レビューとか見たこともないマイナーなものかもしれませんが、YouTubeにはいろいろ上がってますし、MTVでは結構なヘヴィロテで流されていたんですけどね…。…困ったものです。


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