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清澄白河カフェのキッチンから見る風景 : 書棚の効用

カフェの機能というものがあるのか、カフェで心地よく過ごすためのアイテムというものがいろいろありまして、ウチの場合はBGMだったり、本だったり、100インチ・スクリーンだったりします。提供するものは、結果的にオーナーの個性となるわけですが、音楽は如何せん好みがしっかり確立しております。変えようがありません。ただオーナー不在時にスタッフさんが持ち込んで聴いているものも流れていることがたまにはあるようで、そこまでは面倒見切れません。カフェで流すBGMに関する自分のスタンスは、一応アナログ・サウンドで聴きたい音という根幹がありまして、あまり電子音を流したいとは思っておりません。

一方で本に関しては、もうパラノイアです。何度かお客様から言われましたけど、「誰が選んだ本なんですか?」と訊かれます。一人の人間の選書とは思えないようです。音楽本、猫本が結構多いわりには、評判になっているビジネス書もおいてあったり、小説もかなり多様です。ご寄贈いただいた漫画もあれば、カミサンが読んだ小説も少しは置いてありますから、完全にオーナー一人のセレクションではありませんけどね。

「人生はニャンとかなる!」…名著です。

時々考えがまとまらず、あれこれ思い悩むような状態に陥ったとき、やはり本のあるスペースに逃げ込みます。カフェの窓辺のスペースには無造作に並べられた本が雪崩を起こしそうになっておりますから、時々整理も兼ねて時を過ごす必要もあるんですけどね。ここで、お日さまにあたりながら、パラパラと読むでもなしに、猫本などをめくっているのは予想外に心地よく、気分転換の効用は非常に大きいわけです。

本当に悩んでいる人が、人生の指南書的なものを読み始め、持ち帰りたいということでお買い上げになることもたまにありますから、ほとんどは一応売り物です。一部例外がありまして、「ここに此の本を置いておいて欲しい」ということで、店内閲覧用に持ち込まれている、下町文庫の棚のオーナーさんの本もあるからなんですけどね。

自分は若い頃にカラダを壊したことがあるからか、一応宗教(仏教、キリスト教程度です)関連もそれなりに読んでおりますから、少々重い人生の指南書も読めますが、腹の底では「絶対じゃないな」「部分的には役に立つかも」という程度に捉えていることが多いのも事実です。むしろ軽いものの方が頼りになります。気分転換程度に「人生はニャンとかなる!」などをパラパラと眺めているのが、お悩み解決の効果は最も大きいように感じます。

中にはまったくおススメしない本もあります。

またその手の本で、「何が一番おススメか?」ということも訊かれたりしますが、こればかりはご本人に選んでいただかないといけません。決定打的なものはありません。時と場合によっても全然違いますからね。私自身、「人生はニャンとかなる!」がよい時もあれば、「最澄と空海」がいいなと思う時もあります。場合によっては英語の慣らしついでにスピーチ集を読んでいる時の方が、お悩み解決効果が大きかったりもします。…全く癒されませんけどね。

ちなみに、マンガもいいと思います。ただ文字を通して想像力が養われるという読書から得られるという効用は薄いと思いますけどね。まあ、そういう意味では、事を成した人物の自伝本みたいなものは、意外に効果は大きいです。自分はどうかという、客観視する能力を必要としますけどね。カフェにいらして、読書で疲れて帰ることにならないようにしていただければと思います。

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