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7インチ盤専門店雑記721「Tesla」

テスラと言えば、今だとEVメーカーの方が一般的でしょう。80年代のLAメタルを知る人間にとっては、「同じ名前のバンドあったよね」といえばある程度通じるものでしょうか。科学者さんの名前からとったということですから、元は同じかなと思い調べたら、どちらもニコラ・テスラという人物に敬意を表してつけられております。…問題なかったんですかね?

このバンド、ビルボードで10位まで行ったヒット曲があります。1989年リリースの2ndアルバムからシングル・カットされた「Love Song」という曲です。89年ですからアナログは無理だろうと思って諦めておりました。…とこがあったんですねぇ、12インチ・シングルが。1980年代末頃の曲でどうしてもアナログで聴きたければ、探しみる価値はありますね。…私的には、これはどうしてもアナログで聴きたいわけではありませんけどね。

もう一曲、この連中の歴史を語るときに触れないわけにはいかない曲があります。「Signs」という、アコースティック・ライヴ音源がビルボードの8位まで行くヒットになりました。「Five Men Acoustical Jam」というアルバムもかなり売れましたねぇ。

何故大事かというと、この曲のヒットが90年代前半のアンプラグド・ブームの起点になったからなんです。…ありましたよね、アンプラグド。私はあまり好きではなかったので、ふーんという感じで見ておりましたが、随分多くのアーティストがアンプラグドのアルバムをリリースしましたねぇ…。エリック・クラプトンとか、ロッド・スチュワートとか…。

一方でロン・ウッドのように「Slide On Live - Plugged And Standing」などというアルバムをリリースする輩もおりました。…ロンさん、アンプラグドがお好きではなかったんですかね…。

80年代のメタルブームの中で、パワー・バラードの名曲が数多く生まれました。80sのゴージャスな空気感とメタルブームは案外合っていたように思いますが、その一方でR&Bが主流になって行く世の中の動きもありました。メタルのパワー・バラードとアンプラグドの繋がりなんていう物言いはあまりなかったのですが、明らかにTeslaが接点になっているわけで、そういう意味では、もう少し注目してあげてもいいバンドなのではと思います。…一応現役で活動中なんですよね。

そういえばヘッダー写真は、Teslaの3枚の12インチ・シングルですが、「Love Song」以外の2枚はファースト・アルバム収録曲です。「Little Suzi」はPh.Dのカヴァーです。Ph.Dはジェフ・ベックのギター・ショップ・トリオのキーボード奏者、トニー・ハイマスが結成したプロジェクトです。あからさまではないものの、何気にテクニカルな指向性が見て取れる気もします。エディ・ヴァン・ヘイレンやスティーヴ・ヴァイといった一部の特例は別としても、この頃からロックバンドの演奏テクニックは格段に向上してきましたね。


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