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7インチ盤専門店雑記087「考察 おやじパンク」

先般「新しい音/古い音」というタイトルでケルティック・パンクのドロップキック・マーフィーズに関しての文章をアップしました。

大して意味もなく、気にいったメロディの動画も2本載せておいたのですが、これがどうも引っかかってしまいまして、脳みその中に居座っております。脳内ループともちょっと違うのですが、何だかこのウルサいおっさんたちが気になっていけません。

まあ、タトゥーばりばりで、目つきも鋭く、中指をオッ立ててばかりいて、相当やんちゃなことをしてきたのかと思わせる風貌ですが、そこはどうなんだか、作られたキャラクターかもしれません。でも曲を聴いている限り、自分自身や自分の人生を愛し、一定の年齢まで生きてきたことに相当自信を持っていらっしゃるようで、その辺の部分が何とも引っかかるんです。NBLのボストン・レッドソックスの応援歌みたいな曲もあって、「ああ、こういう人たちってメンタル強いんだよな」などと思うわけです。

ちなみに動画の「クイーン・オブ・サフォーク・カウンティ」の方には、奥方と思しき女性も出てきます。若かりし頃の写真をアップして怒られないのか心配になりますが、こちらも強そうです。いい年こいたおっさんどもがツルんでいる様も妙に微笑ましいのですが、取り上げる題材が人生賛歌といいますか、妙にポジティヴで好感が持てます。

「グッド・アズ・ゴールド」の方も、ぱっと見、若者に媚びるというか迎合しているのかと思われそうなヴィデオだったりしますが、繰り返し観ておりますと、むしろ若者を煽っているように思えてきました。どうも、このおっさんたち、やたらとメンタルが強そうです。その裏にある強さの秘訣みたいなものを垣間見せてくれているような動画がいっぱいYouTubeにアップされていて、言ってみれば、ハマっております。楽しいんです。

とにかく、最近のSNSのネガティヴな書き込みなどが不快で、自分自身はもうTwitterなどは全然見なくなってしまったんですけど、オジサンのSNS、Facebookの方がまだ平和だなと思ったりします。実はインスタもほとんど見ません。「映え」がどうのと言われ始めてから、見たまんまに受け取ってはいけないと言われているようで、見るだけ無駄という気がしてしまい、どうにもいけません。

コロナ禍の影響もあるのでしょう、戦争やらによる物価高などの不景気要因もあるのでしょう、最近の不快感や閉塞感が満ち満ちた空気感はいい加減何とかならないかと思います。他人に対して攻撃的になっている人間の多いこと、自分にとって面白くないことの原因を他人に求めているような風潮が嫌でなりません。とても政治論争とは言えないような政治家同士の中傷みたいな物言いも、結局のところこういった世の中になった一因ではないかなどと考えたりもします。

まあ自分もそうそう御機嫌な人間ではないので、他人様のことが言えた立場ではないのかもしれませんが、あまり攻撃的にはなりたくないなという気持ちはあります。それが、どうもドロップキック・マーフィーズを聴いていると、自己愛に満ちていて、受容度が高いというか、気分がよくなったりするんです。SNSでよくある承認欲求の強い書き込みとかとも違って、他人に対しては「うっせーわ、ほっとけ!」みたいな印象です。正直なところ、人相の悪いおっさんたちがシャウトしているだけですよ。だけど使っている楽器が昔のパンクとかとは違って、バンジョーやらアコーディオンやらバグパイプだったりするわけで、ケルティック・パンクなどと言われる新ジャンルを作り出しているわけですし、しかも演奏はタイトで気持ちいいんです。…ただそれだけなんですけどね。

つまるところ、高齢化社会における、楽しく生きるヒントを一つもらったような気がしています。自分のスタイルを曲げない、頑固ジジイ世に憚る路線、よろしいのではないでしょうか。メンタル強めでいかがでしょう。

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